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月明かりの元で


「…こんばんは、可愛らしいお嬢さん。」

「わ、こ、こんばんは…!」


月明かりが柔らかく照らす先、ふんわりとしたドレスを身に纏って彼女は立っていた。


「はは、びっくりしたかな、ごめんね。今日のそのドレス似合ってるよ。華琳ちゃんにぴったりだ。」

「そ、そうですか?ありがとうございます…!」


そう言って はにかむ彼女はとても可愛くて、つられて笑顔になってしまう。隣に並んで歩き始める彼女の頭をそっと撫でて、ゆっくりと歩き始めた。


「幸風さん、私がプレゼントした簪付けてくれてるんですね。…嬉しいです。」

「はは、気付いてくれたんだね。この色も好きだけど、なにより華琳ちゃんがプレゼントしてくれたっていうのもあって、結構気に入っているんだ。」

「えへ、照れちゃいますね…よかった。」


そんなことを話しながら歩いていると、微かに音楽が聞こえてきた。ふと横を見ると彼女がなんだか懐かしむような顔をしながら周りを見渡していて、なんだか少し寂しくなってそっと手を繋いだ。

驚いたようにこちらを見上げる目線から逃げるように顔を逸らすと、彼女は少し笑ってそっと手を繋ぎ返してくれて。その小さな手でどれだけの苦しみを掬い上げてきたんだろう、と思い、指を絡める。


「…華琳ちゃん、着いたよ。」

「…あ、ほんとだ。…サリーさん、お変わりないかなぁ…」

「変わりなさそうだけどね…じゃあ、入ろうか。」

「はい!」


繋いだ手を引き、木のドアをそっと開ける。懐かしい空気と見慣れた顔があって、そっと笑った。

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