似た者同士
「何がいいんだろう…ユイさん、何かいいアイデアとかありますか…?」
幸風が華琳へのプレゼントで悩んでいるのと同じ頃、華琳はウィンディーネのユイに相談していた。前回と違い友人として話をしたくて、家に招いて二人でゆっくりのんびりとしていた。
幸風への贈り物について悩んで悩んで考えて…頭がごちゃごちゃになって考えられなくなったため、ユイに相談することにしたのだ。
「ふむ…そのお誕生日の人って、前注文の時に記憶の中にいた、あの人?」
「えぇっ、何で分かったんですか?!」
「それは…うーん、話し方?雰囲気?」
「そ、そんな分かりやすかったですか…?」
「うん、だって華琳ちゃん、恋する乙女、って雰囲気だもん。あの人のこと話してると凄い幸せそうな顔してるんだよ?」
「そ、そうだったんですか…あぅ…。」
思わず真っ赤になって俯くと、ユイが華琳の頭をそっと撫でた。
顔を上げるとユイは優しく笑いながら続けた。
「素敵な人だから、何を贈っていいのか分からないってことでしょ?それなら、その人に向ける願いとか思いとか、そういうのを込めた自分なりの贈り物はどう?」
「ん…分かりました、ありがとうございます、ユイさん!…あっ、お茶淹れてきますね、どんなのがいいですか?」
「ん?ありがとう!じゃあ、花のいい香りがする紅茶とかあるかな?」
自分なりの贈り物、と聞いてアイデアが浮かんで、思わず口元に笑みが浮かんだ。どんな感じのものがいいか、どんな形がいいか…贈り物について考えるだけで楽しくなった。ユイと自分の分の紅茶を用意しながら鼻歌を歌う華琳はとても嬉しそうで、その姿はユイの言う通り、まさに“恋する乙女”だった。