↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/45

記念日 -幸風side-


「そういえば、幸風さんのお誕生日っていつですか?」

「え?私の誕生日…かい?」


店の中いっぱいに並ぶ花達を見つめて考え込んでいると、ふと彼女に声をかけられた。少し上目遣いに覗き込んでくる華琳ちゃんの綺麗な目から少し目を逸らしつつ、理由を聞いてみた。


「はい、今更ですけど、私幸風さんのお誕生日知らないな、って…。その、いつもお世話になってますし、お返し、っていうのも変かもしれませんが…。」

「…いや、全然変じゃないよ、むしろ嬉しいくらいだ。でももう随分長く生きているから、誕生日なんて忘れてしまったな…。」

「そうなんですか…。」


そう答えると、彼女はひどく残念そうに肩を落とした。何か代わりのことを提案しようと頭を巡らせていると、彼女が再び顔を上げて目を輝かせている姿が見えた。


「どうしたんだい?」

「えっと、その、私と幸風さんが初めて会った日にしませんか…!」

「…えっ、初めて会った日って、その…。」

「はい、2年前に幸風さんが私の店に来てくれた日です…!」


彼女の提案に昔を思い出したのかと少し期待をしたが、続きを聞いて違ったことに少し落ち込んでしまった。でも、それでも2年も前のことを覚えていてくれた事が嬉しい、と思う自分もいた。


「あぁ、いい提案だね、そうしよう。じゃあ、私も何か用意しようかな。」

「本当ですか?わぁ、照れちゃいますね…!」


頬を薄く染めた姿に少しドキッとしつつ、私は彼女に笑いかけた。


頼んでいた花束を受け取り店を後にしてから家に着くまで、頭の中は彼女へのプレゼントの事と最後に見たあの笑顔でいっぱいだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。