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追憶、帰還


空を、飛んでいた。下を見下ろせば、民家が米粒よりも小さく見える。人も動物も、何も見えないほどだ。

何年ぶりだろうか。ここ数十年、いや、百年くらいかもしれない。元の姿に戻ったことなんて、一度もなかった。

大きな爪、鋭い牙、大きな翼。どれもあまり好きではなかったが、街の外に出かけるにはこの姿が一番いいと考えた結果、この状態になっている。


人間になっている間は楽だから好きだ。もちろん体力は消耗するが、人間の姿をとっていれば、誰も傷付けずに済むのだから。

勢い良く飛びながらそんなことをぼんやりと考えていたら、すぐに目的地に着いてしまった。物を考えていると時間は早く過ぎるものだ。

そっと地面に降り立って、人の姿を取る。少し歩いた先、手に持っていた花束をそこに置いた。

私が龍の姿を嫌うようになった理由が、昔私が傷つけてしまった、仲の良かった少年の墓が、ここにある。自分の力も制限の方法も何も知らなかった私が殺してしまった、数少ない友人だった少年。二度と同じ過ちを犯さないように、その時から人の姿を取るようになった。儚く輝いていた彼と、無知ゆえに過ちを犯した愚かな私を無理やり重ねるかのように。


そこまで考えて、そっと息を吐いた。最近よく考え込んでしまう。良くない癖がついてしまった。

昔の思い出を振り切るかのように頭を軽く振り、また空へと飛び立った。

住み慣れた街へ、待っていてくれる人の元へ、帰ろう。

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