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華琳の夢


私は、幸風さんの隣に座って、満点の星空を どこかの丘の上で眺めていた。

キラキラと輝く瞳の中には、もっと輝く星達が映り込んでいて。子供みたいに無邪気に流れ星を指差して笑いかけてくれた。


「流れ星が消えてしまう前に、願い事を3回、そっと唱えるんだ。そうすると、流れ星が天に願い事を届けてくれるそうだよ。」


そう言うと、幸風さんは目をつむって声に出さずに何か呟いた。私も同じようにそっと呟くと、彼は嬉しそうに微笑んだ。


「どんなお願いをしたんですか?」

「願い事は口に出したらダメなんだ。心の中で、大事にしまっておくんだよ。」

「そうなんですね、分かりました。願い事、叶うといいですね。」

「ありがとう、華琳ちゃんの願い事も叶うといいね。…さぁ、そろそろ帰ろう。随分長い間いたからね、家まで送っていくよ。」

「分かりました、ありがとうございます。」

「暗いから足元に気をつけてね。」


帰り道を辿り始めた私の隣を、幸風さんが歩幅を合わせてゆっくりと歩いてくれる。ふと思い立って手元に視線を送ると、彼の綺麗な手が、少し近づいたら触れてしまいそうな距離にあって。躊躇いながらそっと手を伸ばした。


あと少し。あとほんの少しで、彼の手にそっと触れて………


「ん…。…あれ…?」


目の前には見慣れた天井。柔らかい感覚がして身体を起こすと、自分の部屋が目に映った。


「…夢、とか。…少しさみしくなっちゃうな。」


独り言をそっと呟いて、ベッドから降りた。外は少し霧がかかっていて、何だか涼しそうだ。

いつものように眼帯を付ける。いつもの服を着ようと思ったけど少し変えて、お気に入りのワンピースを着て、貰ったネックレスを付ける。

部屋から出て玄関の扉を開けたら、涼しい空気が身体を包んだ。


…そうだ、少し会いに行ってみよう。


自分でも自覚しないうちに、運ぶ足が弾む。口元が緩み、彼のことを考えてしまう。


好き、なんだな。やっぱり。


少し恥ずかしくなって、でも嬉しくなって。いろんな思いを抱えながら、彼に会いに行こう。

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