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幸風の過去2
その時は、確か買い物の帰りだったはずだ。重い荷物を持ちながら 少し離れた森にある家に向かっていた途中、私はある子供に会った。
その子供は随分と傷付いていて、泥まみれになるのも気にせず、うずくまって膝を抱えていた。近付いて見てみると、どうやら幼い人間の少女らしい。震えていて今にも倒れてしまいそうな彼女が気になって、気が付くと私は少女の近くにかがみこんでいた。
少女は泣いていた。「どうでもいい」と口は言っていたが、彼女の目は「助けて」と訴えていた。帰る場所もないという彼女をどうしても放っていられなくなってしまった私は、家まで連れて帰ることにした。
大きめの毛布と季節外れの暖炉をつけ、冷え切った彼女を暖めた。彼女が少しずつ顔色が良くなっていくのを見て、とても安心した。それでもまだ怯えている彼女に少しずつ声をかけ、リラックス出来るように色々考えた。
何事にも興味を持たないようにしていた私が、無意識に彼女に興味を抱き、ひたすら尽くしていた。私と2人きりでは気が休まらないだろうと知人に頼み込み、彼女の新しい家を探した。やっと見つかった家に彼女を送るまで、私は心が休まる時はなかった。名前や年齢を聞いていないことに気が付いたのは、数日後、やっと落ち着いた頃だった。




