言葉
セシルはクリスとドミニクを連れ、世界最凶ギャングのエドガー・ジョンソンとレオンがいる倉庫へと向かった。
目的地の前に着くと車が停まり、下りるよう指示される。
歩いて扉の前まで行き、倉庫の扉を開けるとそこにはロープで体を結ばれ口にはガムテープが張られていて椅子に座っているレオンの姿が見えた。
「レオン!!」
レオンは喋れないため目で表現した。
エドガーはクリスの近くにより、金の在処を聞いた。
セシルはドミニクが金の在処を知っているのを伝えた。
「ドミニクさん、あんたの持っている金の在処を教えてくれ」
「喋れば俺を殺すだろ?」
「喋らなければその男の弟が死ぬぞ」
ドミニクは在処の場所を喋るのをためらう。
クリスは冷や汗を流しながらドミニクを説得した。
しかしドミニクは考えた結果、喋ろうとはしなかった。
するとエドガーはテーブルの上にある銃を手に取りレオンに向けた。
「おい、頼むからやめてくれ!」とクリスは焦る。
「三つ数えるうちに言わないと約束通りこいつを殺す」
「言えば俺を殺すだろ・・・」
「いち・・・」
「言えない・・・」
「にぃ・・・」
「言えないんだ!!」
「さん・・・」
「くそ、すまんな・・・クリス」
バァッッッッン!
倉庫の中で銃声が鳴り響く。
カランッと弾が地面に落ちる。
クリスは呆然とした。
その場で倒れたのはレオンではなくドミニクだった。
エドガーは銃をテーブルに置き言った。
「俺をなめるな!言わないならここにいる意味はないんだよ」
クリスはその場に座り込んだ。
「そんな・・・ドミニク・・・」
頭を打たれたドミニクはすでに息絶えている。
エドガーは部下に命令し、レオンの身柄を開放するように言った。
自由になったレオンはすぐにクリスにもとへ歩いた。
クリスは立ち上がり、レオンと抱き合った。
「兄貴・・・」
「すまなかったな・・・心配させて」
エドガーは椅子に座り、二人に言った。
「まだゲームは終わって無いぞ。弟を開放したのは次のステップに必要だからだ」
「なんだと?」
「お前等二人の力でもう一度レオナルドの金を狙え」
「冗談じゃない。もう一度なんて出来るわけないだろ!」
「断るなら、今ここでそのおっさんと同じようにしてもいいんだぞ?それにお前には金が必要だろ・・・逃亡するための金がよ」
クリスはエドガーを睨みつけて言った。
「そんなに金が欲しいなら、あんたたちも力を貸せ。それが嫌なら俺達を殺すがいい」
「ふん、取引に取引でくるか。いいだろう、協力してやるが、もし変なマネしたり俺達から逃げたら必ず追いつめて命を奪うからな」
「俺はもう終わらせたいんだ・・・逃げないさ」
ハヴィンド兄弟のお祖父さんが残した計画によって、兄は指名手配犯として警察とギャングに追われ、弟はギャングに命を狙われ、救ったかと思った人達は次々と死に、もう二人に残された選択は一つしかなかった。
それはレオナルド・コールドの金を奪うこと。
もし手に入ればレオナルド自身は崩壊するが、その代わり闇で使われるお金は少なくとも世界に平和をもたらすよう使われるに違いない。
世界を代表するギャング、エドガー・ジョンソンの手に落ちなければの話だが・・・
その頃、ラッチはフランコの息子が入院する病院へ来ていた。
受付で息子がいる病室を聞きだすとすぐさまそこへ向かった。
しかし受付にいた一人の看護婦がラッチに顔を見て、指名手配犯と感づき警察に連絡した。
ラッチは病室の扉を急いで開けるとそこには息子の母つまりフランコと別れたもと妻がいた。
「あなた誰なの?」
「シェフ・フランコをご存じで?」
「えぇ、私のもと旦那ですけど・・・」
「その旦那さんが亡くなったのはご存じで?」
「そんな、どうして・・・」
女性は口に手をやり驚いた。
「あなたの息子さんの命が短いというのを聞き、脱獄しようとしたんです。でも、銃で撃たれて・・・」
「そんな、嘘でしょ・・・」
「お悔やみを・・・それで本人から息子さんへ伝言を預かったんです。直接伝えても?」
「えぇ、どうぞ」
ラッチは眠る子供の傍まで行き、顔を近づけた。
「君はお父さんにそっくりだな、不安かもしれないが安心して向こうには君のお父さんが待っているから・・・」
ラッチが伝えているとドアが開き、数人の警官が入ってくる。
「ウィリアム・ラッチ両手をあげろ!!貴様を脱獄指名手配犯として逮捕する」
ラッチは警官の方を睨みつけ言った。
「静かにしろっ!どこだと思ってんだ。俺は逃げも隠れもしないから、10秒だけ待ってろ!」
怒るラッチを見て警官は構えていて銃を下した。
ラッチは子供に笑って言った。
「君のお父さんはまぁ・・・場所は悪いけどそこで結構人気だったんだぞ!そんなお父さんから君への伝言だ・・・・」
「愛してる」
ラッチの両手に手錠が付けられる。
警官に連れて行かれそうになった時、フランコのもと妻が最後ラッチへ一言言った。。
「ありがとう」と
ウィリアム・ラッチは微笑み一歩一歩出口へと進んだ。




