scenario.24 色褪せた日々を彩る記憶
読もうして頂き、ありがとうございます✨️今日のscenarioは結構気に入ったのでぜひ最後まで読んでみてください〜!なんとSF部門(宇宙)ランキングに入りました〜!読んでくださった方、大変感謝致します〜!
月面観測ドーム──
「ユズナの件で、何を話したいんだ?」
ドレイブはいきなり呼び出されたことに対し、困惑する。
「渡したいものがあるんだ」
エアルがポーチから取り出そうとすると、ドレイブは切なげな顔色をして言った。
「……渡さなくていいよ」
エアルは驚いてドレイブを見る。そして、ボソリと呟いた。
「なぜだ?」
「……死んだって認識したくないんだ」
エアルはそれでも穏やかな表情を崩さず、話し始める。
ドレイブは顔色を変えず、エアルを見つめ続ける。
「ユズナは戦死してしまった……だが!誰かがユズナを覚えていたら、ユズナを失ったことにはならないと思うんだ、失うっていうのは……誰かに忘れ去られることだと、私は思うんだ、」
ドレイブは視線を下げ、ため息をつく。どうしてもドレイブは悲しいということを人に伝えず、一人で我慢する癖があったのだ。
「だから、あげる、そしてユズナのことを覚えていてくれ、そうすれば確かにいなくなってしまったが、失ったにはならない……!絶対にな」
エアルはそうして、ショッピングモールで買ってもらった、オパールのネックレスをドレイブの手に差し出した。
オパールの輝きが光を反射し、七色に煌めいている。まるで生きているかのように感じられた。
「ユズナ……」
ドレイブはネックレスを優しく握りしめた。そして、今までのユズナの記憶が鮮やかに思い出す。
『ドレイブ先輩!』
『ドレイブさん!』
『ドレイブさん!ありがとうございますー!』
『ドレイブさんってルナビット強いですね!!』
脳内に今まで白黒だった、皆と過ごした日々に鮮やかな色が蘇っていく。
(やめろ……)
視界が滲み、輝く涙が、大粒の雫となって地面に落ちた。
「ユズナ……ごめんよ……俺がユズナの気持ちを理解していなかったんだ、許してくれ……ユズナ……!」
気づいたときには、エアルはいなくなっていた。外の月面には薄っすらと、蒼い地球が映っていた。
第二部隊の部屋──
エアルとドレイブ以外は、カードゲームのUNOで盛り上がっていた。
「あ~がり!」
クレイスは悔しそうに顔をしかめて、言った。
「はぁ~??早すぎんだろ!!」
残りは、クレイスとジエルの二人だ。そこでクレイスは提案する。
「負けたやつ、銭湯の自販機で飲み物奢りな〜」
「のったぁ!」
激しい戦いが繰り広げられて、なかなか終わらない。リバースや、スキップ、+2が何回も出て、終わる気配がしない。これが、泥試合というものか。
ようやく30分後──
「俺の勝ち〜」
「ぐああぁ」
やっとの思いで、クレイスが勝ち、ジエルが負けた。
(実力ほぼ一緒でしょ、これ)
ミアは、クスッと微笑む。肘を机について、二人をじっと見る。
ジエルは渋々、約束通り罰ゲームをすることとなった。
「いってらっしゃい〜ジエルくん☆」
相変わらず、クレイスは煽りが得意なためジエルは苛立ちを示しながら、銭湯へ向かう。
(銭湯、マジで遠いんだがぁ?)
辺りには、銭湯に入り終わった、他の部隊たちが、気持ちよさそうに、歩いている。
しばらくして──
「ようやく着いたぜぇ〜」
目の前の赤色の自販機は、ネオンの光で煌めいている。飲み物はおよそ10種類あるそうだ。
(コーラ)
(ソーダ)
(リンゴジュース)
(エナジードリンク)
(コーヒー)
(バナナオレ)
(牛乳)
(ぶどうジュース)
(子供向けの乳飲料『ピスピス』)
(天然水)
ジエルは、少し考え込み、ボタンを深く押す。
(エアル以外は、コーラで、エアルだけピスピスにしよ)
そして、コーラの中に一つだけ可愛らしいデザインの乳飲料。
ジエルはスキップしながら、第二部隊の部屋へと戻った。
(……反応が気になるなぁ)
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