scenario.20 第二部隊はもう大丈夫だ
読もうとして頂き、誠にありがとございます!!ついに20話✨️それでも物語はまだまだ続きます!!
揉めてしまった第二部隊、どうやって立ち直るのでしょうか?
最後までぜひ読んでみてください✨️✨️
しばらく沈黙が流れる。エアルは喋ろうとするが、空気が重く喋れる雰囲気ではなかった。すると、クレイスがボソリと呟く。
「悪かったのは、俺だ、勝手に作戦を考えて、勝手に実行した……俺のせいでユズナは死んだんだ」
そうして、クレイスはどこかに行ってしまった。
「勝手にしろよ!今回は仕方なかったで済まされねぇからな!」
ジエルもそう怒ってどこかへ行った。
「ごめんな……失くして1番辛いのはドレイブだろうに、帰ってきたらこんなで」
エアルはドレイブに謝罪をする。周りを見ると、机や、椅子が散らかっていた。
「そんなこと言わないでくれよ、失ったなんてさ……」
ドレイブはそう呟き、去ってしまった。
すると、武器補充が終わったミアがエアルの方へと合流する。
「やあ、葵、なんかチクチクしてるね空気が……」
今は、周りに誰もいない。だから、ミアはエアルを本名で呼ぶ。エアルも微笑み、本名を呼び返す。
「そうだな、千奈、どうすればいいんだが……」
エアルとミアは、しばらく考え込む。
エアルは、とりあえず思いついたことをやってみる。
「クレイスを慰めに行ってくる」
そう言い、エアルは基地を飛び出した。
ミアだけになってしまった。別の部隊は笑い声が聞こえるのに、第二部隊だけは明かりが消えており、静寂だ。
ミアは体育座りし、仲間が帰ることを信じ、座り込む。
一方、エアルは──
「おーーーい、クレイス」
エアルがクレイスの方へ、息を切らしながら、走る。
クレイスは、相変わらず、墓の近くで座り込み、タバコを吸っている。
エアルに気づき、タバコの火を消し、捨て箱にしまう。
「どうした?エアル」
「どうしたって……あれを見たら不安になるでしょ……」
エアルは、皆不安ということを、ひたすらクレイスに訴える。
「ごめんなぁ、エアル、俺の勝手な判断でよ」
クレイスは視線を下げ、自分のしてしまった過ちを思い出す。
エアルはクレイスに、そんなことないと励ます。
「クレイスは悪くないよ、大佐がどう見ても悪い、あんな作戦……誰が実行するんだよ……!」
クレイスは切なそうに苦笑いする。いつもの元気で、皆を慰めてくれるリーダーの素質は萎れ、枯れて弱りきったようだった。
「俺は……どうすりゃあ、よかったんだよぉ……!」
クレイスは俯いて、泣き出す。
いつもあんなに強く、たくましく、慰めてくれた人が、目の前で涙を流して、崩れてるということに、エアルの心をえぐった。
エアルは、頭を撫でるしかなかった。それ以外どうすることもできなかった。
クレイスは全ての悩み、苦しみ、悲しみを一人で抱え込んでしまう癖があった。
クレイスのおかげで楽しいという人は多いが、自分のおかげでクレイスが楽しいという人間はいなかった。誰も。
「妹の優奈は病気で亡くして、医療費で、借金を抱えて、父上も母上も過労で死んで、仲間も俺の判断で散って、第十五部隊も34人も死んで、他の人も怪我して、修理代にも追われてる、俺は!どうすりゃいいんだよ!」
苛つき、タバコの箱を投げ捨てる。そして髪の毛をぐしゃぐしゃする。
「クレイス!落ち着いて!」
エアルは抑えようとするが、なかなか抑えることができなかった。
エアルは、隣に座って、話し始める。
「クレイスは、決して悪いやつじゃない」
「……?」
エアルの一言にクレイスは目を見開いて見つめる。
「今回は、仕方なかったじゃないか、あんな爆撃が来るなんて聞いてなかったんだから、今回もクレイスの指示、すごくわかりやすかったぞ?」
クレイスは鼻をすすり、ぶんぶんと首を振る。
「わかりやすくても、それで死んだら意味ないじゃないかよー……」
「これは失敗ではない、ラスボスを倒すための負けイベント!とか思っておけ」
クレイスはクスッと少し微笑む。そして、エアルは話し続ける。
「ごめんね、クレイス、これからは皆で考えて、皆で歩み、皆と戦おう、リーダーが背負うのではなく、第二部隊として背負ってほしいんだ」
クレイスは目を見開き、エアルを見つめている。
「だからクレイス、第二部隊はもう大丈夫だ、一緒に終わらせよう」
クレイスは涙がボロボロ溢れ出す。
第二部隊を支えるのではなく、第二部隊として歩んでいく。
もう背負わなくていいんだ。
もう抱え込まなくていいんだ。
クレセントの宙はもう星が光っていた。
「行こうか〜」
クレイスは頬を叩き、己に戻る。いつものクレイスだが、少し違うクレイスになった。
「ああ、行こうか」
エアルとクレイスは基地の第二部隊の部屋へ向かい、歩き出した。
最後まで読んでくださり、誠に光栄です〜!明日の19時半に次のscenario公開致しましますので、お楽しみに✨️✨️




