scenario.14 私の名前は
読もうとして頂き、誠にありがとうございます✨️✨️ついに14話!いい調子です!このまま最終話まで頑張ります!!ぜひ最後まで読んでみてください〜❦
「私はね、地球を知らないんだ」
穏やかな顔で、今にも途切れそうな声で呟いた。エアルはミアを見つめながら、話し続ける。
「月で生まれたんだ、そこから、才能値が異常に高いと判断されて、ムーンライターになったんだ」
ミアは頷き、視線を落とす。
「私ね、思ったんだ、何のために戦ってるのかなって、命を削ってまでさ……終わるかわからないのに」
ミアは胸にある写真の入ったペンダントを見せる。
「これ家族」
エアルはペンダントを見つめ続ける。5人家族らしかった。ミアが指を指す
「これがお母さん、これがお父さん、これがお兄ちゃん、これが妹、そして真ん中が私」
淡々と、ミアは自分の過去を打ち明け始める。そうして、窓に映り込む綺麗で、煌めいている基地の街を眺めた。
「私たち家族全員、ムーンライターなんだ、本当は、お父さんだけ行って私たちは、地球に残る選択肢だったんだけどね……でも結局、寂しくて全員月に行っちゃった」
エアルは、真剣にミアを見つめ聞いている。ミアは誰にも趣味すら、好きな食べ物も打ち明けなかったからだ。だけど、自分に今話してくれる。過去を。
「そこから、私は生き抜いて、再び家族と幸せに暮らすためにひたすら努力した、そして第二部隊まで上り詰めたの」
ミアは、音色も表情も変えることなく話し続ける。
「だけど、家族からは嫉妬の声があがったの、『娘は頑張ってるけど親は何で底辺なんだよ』って言われたらしいんだ。」
そのままミアは話し続ける。
「そして、いつしか私のことを家族全員が罵倒し始めたの」
エアルはそのことに腹が立ち、歯を食いしばり、呟いた。
「なんで罵倒する理由になるんだ……家族と離れればよかったのに」
その呟きに一切動揺を見せず、首を横に振る。
「ううん、私にとってこれが幸せだったんだ、家族と"同じ星"にいれることが私の唯一の望みだったの」
エアルは、今までとは違う考え方に視線を上げ考える。そういう意見もあったんだということを。
「私はお母さん、お父さん、お兄ちゃん、妹が大好き!だから、早く終わらせてやるって思ってたのに……全員で帰ろうって誓ったのに……」
ミアは手で顔を覆い隠した。そしてあれほど音色を変えなかったミアが、切なそうで、悲しい声になった。
「ある日の、一つの任務で家族全員死んだの……死亡通知には4人の名前が入ってたんだ……」
宇宙の冷たい空気がエアルの肌を突き刺す。エアルは瞬きする速度が少し速くなる。ミアは、ペンダントを強く握った。
「死んだ家族にも会ったの、布が被さっていたんだ……家族がどんな姿になっていても、私には誰が誰なのか分かっちゃったんだ」
ずっとミアは手で顔を覆い隠している。よっぽど悲しいということがエアルには痛いほどわかる。
「家族の並んでる死体を見て思ったんの、私の望みなんて叶うわけないんだって、この戦争は終わらないんだって」
エアルは優しく肩をたたいて優しい声で言った。
「この世に終わらないものはない、絶対に私……いや、私たちで終わらせよう……!この今世紀最悪の戦を!約束だ、ミア」
エアルは小指をミアの前に出す。ミアはしばらく考え込む。ようやく、覆い隠している手を離し、指同士を交える。
「うん……約束だよ、一緒に終わらそう」
二人は決意する。その決意は宙の冷たさを感じないほど、熱い決意だった。
「私の名前は──内田千奈!あなたの名前は?」
その一言は虚空に刹那だけ響く。だが、エアルにとって何よりも響き、記憶に刻まれた。一瞬動揺するが、自分も名前を言った。エアルの名前を。
「君嶋葵だ、私たちの秘密な」
「うん!わかった、葵!」
エアルはクスッと微笑み、言う。
「皆の前ではコードネームの『エアル』で呼べよ?」
「もちろんだよ、エアル」
エアルは心の底から嬉しかったが、心残りもあった。
なぜ私は、自分が失うと悲しい幸せを、自分の手で作ってしまうんだろうか──と。
最後まで読んでくださり大変光栄でございます✨️✨️明日の19時半に新しい話を公開致しましすので、そちらもお楽しみください〜!
では次のお話まで会いましょう〜
作者の暴露
スタックが36話いきました〜!見てくれる方の励ましで毎日書けております!大変感謝します✨️✨️




