定時、胸騒ぎの放課後
6時間目終了のチャイムが鳴る。
担任の授業だったため、そのまま帰りのHRまで続投。
HRの内容としてはもうすぐ文化祭があるため、準備が始まる。
準備にあたっては各自計画的に取り組み、作業時間の判断を任せるようにするが
くれぐれも無理のないスケジューリングを、とかそういう感じだった。
早く帰りたいがためにHR中は従順な生徒たちと、それに協力的な担任のおかげで
おそらく全クラス中最速で終了する2-3。
早く終る分にはいいが、どっちにしても葵を待たないといけない。
だらだらと帰りの支度を始める。
「お買い物いくんだよね。わたしも行こうかな」
「あぁ。てか今日はどうするんだ?飯、食ってくか?」
「うん!」
瑞希も一緒に夕飯をとったりするし料理も普通にうまい。
普段抜けてるところはあるが、要するに要領がいいんだろう。
「んじゃ校門行くか」
ちょっと早いかもしれないが多少待つ分には問題ない。
「おい、楓」
背後から呼び止められる。
「ん?」
ハルだ。
いつもならHR終了後即教室からドロンしてるのに。
「あー、今いいか?」
珍しく歯切れの悪い。
「今って…今の今か?」
いつもなら構わないが今日はタイムセールが俺を待っている。
「そうだな…ちょっと」
「悠斗」
横から声がかかる。
昼休みに一緒にいた奴だ。
なにやらハルを呼びに来たようだ。
2,3言話して「また今度話す」と残し、二人で西館のほうへ揃って向かった。
「変なの」
わけがわからないといった表情の瑞希。
正直、同感。
「ま、いいか」
大事なことなら改めて言ってくるだろ。
愛の告白じゃないことを願う。
他の教室からは生徒達がぞろぞろと出てきている。
なんだかんだ遅れてしまった。
「行くか。待ってなきゃいいけど」
そうだね、と続く瑞希。
結果としては。
校門に行く道すがら葵に出会った。
そこで聞いたのが、ハルたち数人の2年生男子が西館の奥に消えていくのを見たということ。
深刻そうな面持ちだったということ。
何やら物騒なことを話し合っていたということ。
曰く、「死人が出る」と。
あまりに素っ頓狂すぎる内容に思わず笑ってしまいそうだったが、HR後のハルの表情を思い出した。
バカだとは思うが、流石に…ないよな。
むしろ考えたくない。
タイムセールには間に合ったが、買い物にはあまり集中できなかった。
そんな一介の高校生が大それたことをするとは思えない。
しかも一体何のメリットがある?
何をするかも知らないが…
なぜか、ハルの表情がやけに気になった。




