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独白『Gift of my life』
僕には両親がいない。
いるんだろうけど、知らない。
両親は、僕を産んですぐ、僕を孤児院へ捨てたから。
別に恨んではいない。憤りも、ない。
ただ、悲しいとは思う。
それから、感謝している。
僕を産んでくれたことを。名前をくれたことを。
その名前はもう、捨ててしまったけれど。
でも、ちゃんと覚えている。
先生が言っていました。
「名前は、親から貰う最初の愛情なの。だから、あなたはちゃんと愛されているわ。」と。
それから、街の人たちがよく言っていること。
「また赤ん坊が殺されたらしい。」「俺の浮気した女が、子どもを孕んだから、堕ろさせた」と。
もしかしたら、僕だったかもしれない。
貴女は、僕を産んでも殺したかもしれない。
お腹の中で?それとも、出てから?
どちらにしろ、貴女は選べた。
そして、僕を産んでくれた。名前をくれた。
貴女が産んでくれたから、僕は兄妹に、『あの子』に出会えた。
限られた時間の中で、話して遊んで……。
-幸せだった。
これは、貴女がくれた、最初で最後、
たったひとつの
-『Gift of my life』-