表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
商隊ム!―不本意な転移JKの命懸け魔石紀行―  作者:
ヴィヴァーロの試練
3/13

転移(2)

「ひぇっ!? し、シュパーブ……?」

「スラヴィア、起こして悪かった。道端で拾い物をしてね」


 食料を積んだスペースでうたた寝をしていた氷の精霊――スラヴィアは、シュパーブに困惑の眼差しを向けた。透き通るような白い長髪を震わせ、隣に寝ている夢の顔を恐る恐る覗き込む。


「くろかみ……。もしかして、てんい、しゃ……?」

「そうだ。だけどなスラヴィア。この子、死にそうなんだ」

「え、ええぇっ!? 死んじゃうの……?」

「体力が無くなってな。だから少しだけ、お前の力でこの子を落ち着かせておくれ。ここで死なれたら、寝覚めが悪くなる」

「あつい……。でも、助けて良いの?」

「大丈夫。私が責任を取る」


 スラヴィアはシュパーブに促されるまま、夢の額に手を当てる。幼子ほどの背丈だが、彼女は自身の冷気を操り、夢の体温を調節していく。掌に熱が伝わる度、手を引きそうになる。


「くぅぅ……」

「野菜は凍らない程度に冷やせば良い。肉は凍らせる位が丁度いい。だけど、私たち人間は違う。ただ熱を冷ますで良いんだ。大丈夫。お前ならできる」


 シュパーブの言葉で、スラヴィアは再び夢を直視する。荒い息が、徐々に落ち着いていくのを感じる。


「大丈夫? 寒く、ない? スー、死なせないからね」


 懸命に命を繋ごうとするスラヴィアの指は、夢の熱が伝播したかのように真っ赤になっていた。呼吸が落ち着くと、再びシュパーブを呼ぶ。


「これで、いい?」

「……良いだろう。後は毛布を掛けておいてくれ。手は大丈夫か?」

「あつい。でも、ねたらなおるから」

「そうか。ありがとう」


 シュパーブが満足気に荷台から降りる。双子が肉を焼いており、シュパーブに切り分けている。スラヴィアはうわごとを呟く夢を見ながら、少しだけ頬を膨らませた。


「……わるいやつだったら、スーが凍らせるんだから」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ