第四話 陸上装備
「次に陸上装備ですが、重火器としては30式戦車を持ち込めそうですか?」
「C2では無理です。C3ができたとして1台です。その場合はSTOLは無理でしょう。」
「やはり高機動車にするしかないか。」
「戦力は落ちますね。」
「可搬式の火器で対応するしかないですね。」
「結局最前線は陸防軍に押し付けられるんですね。」
「いや、それは違う、まずは対地攻撃で撤退してもらうのが先だ。現代ではドローンもあるし、接近戦はなるべく避けたい。」
「そうですね。」
「パワースーツはどうしますか?」
霧島が答えた。
「開発は続けているが、元が土木用の民生だから目的が違っている。力は出せるが動きが遅い。戦闘に向けてモーターの高速化を図っているがなかなか思った通りの速さにはならない。今のところは物資の積み下ろしや、移動の際の疲労低減目的にしか使えない。あと数倍速く動ければ、対人戦闘で優位に立てると思うが・・・バッテリーパックの持ち時間にも限界はあるし動力を変えないことには現状を打破できない。民生転用ではなく新規開発が必要かな。」
「試作品はあるんですよね。」
「ああ、5台くらいは動かせるものがある。民生より2倍くらいは速く動くが、バッテリーの持ちが悪い4時間ぐらいで空になる。自分でバッテリーを担いでもっていかないと使いものにならない。」
「でも、着陸時の物資の運搬や山道の移動には使えそうではないですか?何なら民生のものでもないよりましですよ。体力は温存しておきたいでしょうから。」
「そうだな、パワースーツは装備に付けくわえよう。ロケットランチャーもたくさん持っていける。」
「前線を支援するには地対空ミサイルや、地対地ミサイルも必要ですね。先ほど提案のあったレーザー光のドームバリアがあれば、ある程度輸送機や野営地の安全は確保できます。」
「空挺団はどうしますか?ある程度制圧できてきたら増員派遣には使えそうですね。」
「敵に制空権を渡さなければ、初動の後の増員は通常の作戦で賄えるのではないかな。空挺団もそうだが、上陸艇で戦車も運べる。」
「陸戦はなかなか新兵器ができないんですよね。海防や空防がうらやましいです。」
陸防の渡辺がちょっと愚痴っぽく言った。
「でも、結局予算がないから新装備なんてふんだんに配備されないんですよ。」
小鳥遊の言葉に中里が半分諦め顔で答えた。
「このプロジェクトを機会にして最新装備が行き渡るようになればいいのだがな。」
国防軍になったとはいえ、以前文民統制化であり、国会の承認なしでは予算執行ができない軍であるため、自衛隊時代とは何も変わっていなかった。しかし、求められる本土防衛はだんだんとハードルが高くなっていく。相手はキーナ国だけではない。北にはオシーロ共和国という大国が北海道を狙っている。
小国とはいえ東アジアのチソン国もミサイル開発を進めており、侮れない。
中里は改めてこの困難な状況を噛みしめていた。




