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Cr3-13


「詫びる必要はない。」


「いや、しかし······」


「この場では、狩人として扱ってくれ。

 その方が、都合がいい。」



案外、気に入っている。



「なるほど!その頬傷は、

 狩人に見せる為に作っているんですね!」


「······これは、本物だ。」


「へっ?」


「“カフ・ドランドー”に遭遇し、

 追い返した時に負った。」


「えぇっ?!そ、それはすごいっ!!

 本当にお強い!!大したお方だ!!」




冗談だろうと、疑わないのか。



そう思って彼は、微笑んだ。




「すぐに、お連れの方へ食事を

 持っていかせます!」


「ああ。頼む。」


「あっ、ここでご一緒しますか?」


「······いや。俺は、ここで済ませる。」




あの、狭い船室で顔を合わせたら。


喉を通らなくなりそうだ。




「では、ごゆっくりと!

 食事が済みましたら、

 置いたままで構いません!

 私は後方にいますから、何かあれば

 お声がけくださいね!」


「分かった。ありがとう。」




船長は笑顔のまま、

ぺこぺこと何度も頭を下げて

去っていく。



それを見送った後、彼は

床へ腰を下ろした。




星空の明かりだけで、十分窺える。



とろみが付いた白いスープの中に、

様々な魚介が入っていた。

ほんのりと、旨味の湯気が

鼻腔をくすぐる。




温かい食事にありつけるのは、有難いことだ。


幸いにも、今のところ

飢えに悩まずに済んでいるが。


これが、常ではない。




大切に持ち上げ、匙を手に取る。




一人で食事を取るのは、

これが初めてだな。


いつも、両親と。彼女たち家族と。

常に誰かがいて、顔を合わせていた。



その時間から、離れる事がなければ。


こうして、有難いと思える機会を

失っていただろう。





一口含むと。


じんわりと、染み込んだ。





ふと浮かぶのは、彼女の笑顔。



美味しい、と。幸せそうな。
























コンコンコン。




その音で、シェライアは顔を上げる。





船室の机椅子に座り、

手記を書いていたら。


いつの間にか伏せて、眠っていたらしい。



メイドたちがやってきたと、寝ぼけていたが。


周りを見渡して、ようやく状況を把握する。




「······トウマ?」



訪ねてくるのは、彼しかいないが。



「船長からの言付けで、

 お食事をお持ちしました。」




知らない声だ。


しかも、食事を持ってきた、というのは。




訝しげに思いながらも、彼女は

立ち上がると歩いていき、扉を開ける。




すると、ふわりと。


良い香りが漂った。



急に、お腹の虫が騒ぎそうになる。




「お済みだったですか?」




スープとパンが乗ったトレーを持ち、

乗組員らしき男性が

にこやかに尋ねてきた。



様々な魚介が入った、ミルクスープ。

そして、丸く柔らかそうな白いパン。



釘付けになりそうだったが、

微笑み返して首を振る。




「いえ、まだですが······

 どうして、わざわざこれを?」


「お連れの方も、同じく渡しています。

 昼間、助けてくださった

 お礼だと思いますよ。」





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