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Cr2-20


シェライアが城下町の門を潜ったところで、

待ち受けるように二人の騎士がいた。



「シェライアさま。」


「及ばずながら、お供いたします。」



胸に手を当て、恭しく頭を垂れる様を。

彼女は首を振って苦笑いする。



「敬礼なんて要らないわ。私は、

 従者として行くのよ。」


「いえ、そういうわけには······」


「誰かが見ていたらどうするの?

 私が行くことは、みんなには

 秘密事項なのだから。」




そう。ここはまだ、付近すぎる。

誰かの目に触れる可能性が。




「······わ、分かりました。」


「お名前は?」


「えっ、と······ヒルドと申します。」


「私は、カデです。」


「トウマと合流するまで、

 よろしくお願いします。」


「は、はい!」




深々と頭を下げる彼女に、二人は

戸惑いを隠せない。



普段、騎士たちがシェライアと

直接関わる事は、無いに等しい。

彼女の護衛は常に、彼であるからだ。


しかも、『エ・ルミィス』となれば。

無意識に、恐縮してしまう。



ヒルドと名乗った騎士は、

20代後半くらいに見える。

カデは、少し上の30代だろうか。


どちらも、同じように短髪で体格が良く。

マグリヤの紋が入った鎧と

腰辺りに装備する剣が、誠実さとともに

身に付いている。



「いつも、ありがとう。」



歩き出した直後、

唐突に感謝を述べられた騎士たちは

益々戸惑った。


お構いなしに、彼女は告げる。



「みんなが平和に過ごせるのは、

 あなたたちのお陰よ。」




警護の為に鍛錬し、陰ながら

マグリヤを支えてくれている。


その感謝を、伝えたかった。




彼女の心遣いに、騎士たちは

戸惑いながらも和らぐ。




「そんな······勿体無きお言葉です。」


「私共は、お仕えできることが

 生き甲斐なのです。」


「成人になったばかりの若輩者が、

 偉そうに言って申し訳ないけど。」


「いえいえっ!」


「身に余る思いですっ!」




マグリヤの騎士たちにとって、

『エ・ルミィス』は

雲の上の存在と認識していることを。


彼女は、自覚していない。




「そんなに、恐縮しないでいいから。」


「そんなわけにはっ」


「あなたたちのこと、何か話して。

 聞きたいわ。」


「お耳にする程のものではっ······」




噛み合わないやり取りを、続けながら。


彼女と騎士たちは、彼と待ち合わせる場所へと

向かって歩いていく。




その光景を。


微笑ましく見守るように、雲の隙間から

太陽が顔を出している。



振り注ぐ光は、穏やかで優しく。


草木を揺らす風は、清々しい。























彼女と合流する地点に着いたトウマは、

緑豊かな遠方を見渡していた。



その方向には、

“カフ・ドランドー”の巣穴がある。



ここはまだ、安全地帯とされているが。


遭遇しないと、断言できる程ではない。




「この辺りには、一ヶ月に一度

 強化訓練の為に訪れております。

 異常がないか、見回るのも兼ねて。」





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