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再開します。

読んでくださる方々に心より深く感謝いたします

m(_ _)m。・゜・・゜・。∞


これまでに登場した主要人物を記しておきます。


★シェライア・レゥ・パトゥライ・マグリヤ(16)★

 『エ・ルミィス(神の手)』と呼ばれる一族の娘。

 マグリヤ国の象徴として身を置く。

 孤島『エル・ラド』から出て、

 大陸を渡り歩きたいと願っている。


★トウマ・レゥ・ダナント(16)★

 『エ・ルミィス』を支え護るダナント卿の子息。

 シェライアと同じ日、同じ時間に生まれたのもあり

 彼女とは気心知れた仲である。

 剣術の腕を日々磨き、身体を鍛えている。


★モルドワイル・レゥ・パトゥライ・マグリヤ★

 シェライアの父。一族の族長。

 厳格だが、シェライアに対しては

 甘い一面もある。


★アーレシア・レゥ・パトゥライ・マグリヤ★

 シェライアの母。一族の巫女。

 穏やかで物静かだが、芯が強い。


★クラマ・レゥ・ダナント★

 トウマの父。マグリヤ国を築き

 『エ・ルミィス』を護るダナント卿の末裔。

 冷静な判断と統率は、国に平和をもたらしている。


★レイラ・レゥ・ダナント★ 

 トウマの母。貴族特有の上品さを持つが、

 大らかな性格で柔和である。


★謎の男★

 シェライアを攫おうとした男。

 トウマにより阻まれ、捕縛されたが

 精霊を使い脱走される。



今後ともお時間の許す限り

よろしくお願いいたします。


 

 


息を整え。


巡る全身の血脈に滞りがないか、

隅々まで探る。



虐め抜いた筋肉を、

清々しい朝の空気が鎮め。


玉のように吹き出る額の汗を、気休めで拭い。


迎える空を仰ぐ。




一日の始まりは、あの時から変わらない。




『大丈夫。全然痛くない。だから······

 そんな顔しないで。』




そして、この言葉と。


俺を心配させまいと浮かべた、彼女の笑顔。



これも。忘れたことはない。




自分の非力さ。痛烈な悔しさ。

彼女と俺に残された、大きな傷。


そして、当時の思いも。あの時のままだ。




同じ事を、繰り返さない様に。


もう二度と、傷つく姿を見ない為に。


無理矢理笑う気丈さなど、

俺の前では必要ない、と。


戒めの為に、浮かべる。




強さが欲しい。


宿命さえも、寄せ付けない程の。



彼女と並んで、屈託なく笑える行く先を

見据える為に。





“呪縛を解く剣”




シェライア。お前は、俺に。


何を解いてほしいと願った?


俺は、ただ。


お前を護る剣が欲しいと、願っただけなのに。






鞘を抜き、翳す。





見事な、白銀の刃。

そして、羽毛のように軽い。


少し青白く光るそれは、

夜明けの空と溶け込みそうだ。


名のある巨匠でも、

これ程の出来を生み出すのは

至難の業だろう。




呪縛とは。何を指す?



同じ日。同じ時間。

この世に生を受けた事が、それだとしたら。


断ち切るものは、何なのか。


残されるものは、何なのか。



難題だな。何よりも。





口元が、緩む。





やっぱり、面白いな。


いつまでも、飽きない。



『エ・ルミィス』に仕える立場であるのを、

つい忘れてしまう。



呪縛など。考えたことはない。


この宿命を、呪ったことも。




ただ、一つ。燻っていた野望が。



これを実現しようとは、

今まで思わなかった。



ダナント卿の子息として。


これを望むことは破滅だと、刻まれている。



俺が、俺でいられる場所。


それがあれば。何が起ころうとも、

生きていけると。言い聞かせながら。




······


その場所を、奪おうとした男。


顔が知れた以上、

『エ・ルミィス』たちが張り巡らせた

精霊たちのセンサーが働く。


しかし、姿は見当たらなかった。



結論から、

この『エル・ラド』から抜け出している。


シェライアに寄り添っていた精霊を使い、

難なく。




奴は、何者なのか。


何が目的で、彼女を攫おうとしたのか。



この根元は。かなり深いと見ている。


判断によっては、

国同士の戦争に繫がる可能性も。

慎重に見極めなければ。


この目で。頭で。

奴が意図するものを。




······


この剣で、解くのは。今の時点で。


彼女を脅かすもの、全てだ。




俺の居場所。


それを、護る為に。

















             *















シェライアとトウマの誕生日から、

三日が過ぎている。



城に戻った彼女は、ほとんどの時間を

書籍室で過ごした。

一応、念の為の護衛として彼もいたが、

棚に寄りかかって目を閉じていたのが大半だ。



今までの欲求を満たすように。

ひたすら、読み漁る。



途中まで目を通した例の書籍は、勿論

最初に手に取って読破した。



興味深い記述は、やはり存在していた。





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