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Cr1-2


「ずっと秘密にしていたというのは、

 それか?」


「······」


「今聞こう。時間は、たっぷりある。」


「······『エル・ラド』の外へ、行きたい。」



行動しなければ、変わらない。

その通りよ。



「一度でいい。踏破したい。」




あなたを説き伏せる事は、出来なくても。

知ってもらえたら、今は。




熱を籠めて告げる彼女に

トウマは、ふっ、と息を漏らす。



「それならば、可能じゃないか?」


「······えっ?」


「一族の在り方を変えるというのは

 別として、勉強の為だという理由なら。

 実現は難しくないだろう。」




まさか、そんな答えが返ってくるとは

思わなかった。




「······そう、なの?」


「単独では無理だろうな。

 俺付きで良ければ、説得に協力しよう。」




意外すぎて、驚きを隠せない。


そんな様子のシェライアを、彼は

茶化すことなく見据える。



「ただし。今の状況を打破してからだな。」




確かに、今は。

夢を語っている場合ではない。




「そうね。」


「とりあえず、気づいたことを

 もう一度整理しようか。」


「······あの人、急に現れたのよね。」



風が、入り込んだ。


本当に、そんな感覚。



「物陰に、潜んでもいなかった。」


「精霊の知らせもなかった。でも

 あなたは即座に察知して、剣を振るった。」


「急に気配を感じた。

 だから、迷う暇がなかった。」



トウマの危機管理に、

私は救われたわけだけど。



「あいつは、相当な手練れだ。

 俺は切り捨てるつもりで、振るった。

 なのに、躱した。」



······

肩の怪我だけで済んだ。


良かった、と思ったら。怒られるわね。



「あなたの、迷いない一振りを躱す人が。

 わざと捕まったってことよね。」


「ああ。そうとしか思えない。

 不可解だ。お前を攫おうとしたのに、

 容易く捕まるなんて。」



考えれば考える程、意図が読めない。



「······直接、聞いてみるか。」



突拍子もない彼の発言に、きょとんとする。



「えっ?」


「会議が行われている今なら、行ける。」


「駄目よ。部屋に待機って······」


「気づかれなければいい。」



やっぱり、どこか。

楽しんでいる気がする。



「······何か、あなたらしくないわ。」


「逆に、お前らしくないな。

 抜け出そうと言わないのは。」


「それは、日常の話でしょう?」


「ただ黙ってここにいても、

 解決せんだろう。何も進まない。」


「······知らないわよ?

 あなたが言い出したんだから。」


「止めない、てことでいいんだな?」



感化されたのか。


楽しげな彼の波に乗りたいと、

思ってしまった。



「他国の人に会うのは、初めてだもの。

 話してみたい。」


「決まりだ。」




言いつけを守らないのは、

いけないと思っていても。


どうしてこんなに、浮き立つのかしら。





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