17 夜伽の秘密
医師の許可が下りたので陛下の寝所に呼ばれる。久しぶりで緊張してしまった。
「あっ」
いつも飲んでいる3つの杯のうち1つの杯を指で押してしまい、少しこぼしてしまう。
「少しだけだからいいかしら?」
そのまま杯をあおると効果が出てきたので、そのまま陛下にゆだねることにした。
いたわるように優しくい。陛下は私の身体を気遣ってくれているのだろう。それうち逞しい陛下を感じた瞬間、霞がかかっていた視界が開けてきた。
「え、あっ!」
声は出なかったが、目の前の顔に息をのむ。紅潮して汗ばみ、苦しそうなうれしそうな表情を目にする。陛下ではない。曹貴人だ。なぜ?どうして?陛下の寵姫がなぜ私を抱いているのか?
頭ではおかしい状況だと思いつつも、私の身体は喜ぶことをやめなかった。
激しく燃え尽きるように曹貴人はとても切なくて苦しい表情を見せた後、私の胸の中に顔を埋めた。私の胸の上で荒い呼吸を整えると、そっと唇を寄せてきて、ちゅうっと唇を吸う。そして身体を離した。
視力以外はっきりしないまま、横たわっているとまた私の身体に覆いかぶさってくる人がいた。こんどこそ陛下だった。なぜか陛下は目隠ししていて、後ろに、曹貴人が見える。何をしているのだろうか。じっとしている陛下はしばらくすると離れてしまい、寝台とは別の長椅子に横たわった。
これはどうなっているのだろうかと、見極めたかったが、朦朧とし始め、睡魔に襲われる。目を覚ました時にはいつもの朝だった。
次の週も寝所に呼ばれたので、今度は別の杯の酒を少しこぼして飲んだ。私を抱いていたのは曹貴人だと知ってから、この一週間ずっと混乱していた。曹貴人は女人ではなかったのか。どうして陛下より先に抱くのか。そしてこのことを曹貴人はどう思っているのだろうか。私はどう思っているのだろう。色々本を読み漁ってみたが、助けになる内容はなかった。
これからまた曹貴人に抱かれるのかと思うと、なぜかいつもより興奮してしまう自分がいた。
ぬるぬると忍び込んでくる舌や、つまんだりさすったりする大きな指先は曹貴人のものなのだ。
しばらくすると耳が聞こえ始めた。
女人にしては低い声の曹貴人のうめき声がさらに低く、かすれ、耳の奥に響く。その声を聴くとぞくぞくして私の内側が熱くなるような気がした。
身体を抱きしめられ、内側には熱を感じた。私は今、曹貴人に満たされているのだ。軽く口づけをしてから彼女は私から離れる。
「さあ、陛下。こちらですよ」
「う、うむ」
そっと陛下が覆いかぶさってくる。このあと陛下が私に入ってくるのだ。
「麗紅たのむ……」
「ええ」
じっとしている陛下は何かを曹貴人に頼むが、何を頼んでいるのかわからない。
「う、ううっ。よ、よさそうだ」
「では、どうぞ」
しばらくすると陛下が入ってくる。二回目は今までもそうだが、何かを強く感じたことはなかった。快感でもなく不快感もなっかった。じっとしている陛下がなぜか呻きだす。
しばらくの沈黙があった。そして私から離れていった。思考を整頓しようと思ったが無理だった。また激しい睡魔が襲ってくる。しかし意識を手放す瞬間「愛しい翠玉」と曹貴人のささやきを聞いた気がした。




