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最強高校生ゲーマー、現実と異世界を彷徨う  作者: マーサン
第六章 訪問者編(中編)
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6-7 新たなASIの登場

前回の続きになります。

ゲームのプレイ中に偶然にも新たな次世代AIと出会う回となります。

 今日の学校が終わり自宅に戻る巧実は、早々と宿題や晩ご飯などを済ませ自室に戻る。

 自分のパソコンを起動すると、新たな事件に遭遇する元となったゲームを起動。

 その元となったゲーム、『Gods of Sanddox(神々の砂場)』のアイコンをクリックする。

(一応、どの機種でもオンラインで対応できるのが売りの一つ。でも、パソコンの方が画面も広いし細かな動きも出来る)

 と思う巧実は、手持ちの携帯ゲーム機とリンクしてプレイを開始する。

 現在、巧実が部長を務めるeスポーツ部は宗明が率いるゲーム同好会組四人と合併元となった電脳部組三人とのいがみ合いが今も続いている。

 もし、口論が勃発しようとすれば巧実が強引に仲裁して何とか場を納めている。

 当然、いがみ合っている状態が今も続いていれば部活らしい活動が出来るはずもなく巧実の悩みの種の一つとなっている。

 唯一の救いは、合併の際に加入した未琴が部活に協力することぐらい。

 それでも、巧実がゲームを始めた理由は新たな事件の元凶となった現場が今どのような状況なのか確認するためである。

 しかも、巧実たった一人で。

(他の連中が一緒だったら、また変なことに巻き込まれるから単独行動は気が楽だ)

 と思う巧実は、ヘッドセットを装着して現場である地割れのある草原地帯に向かう。

 草原地帯に到着すると、愛機のゴーレムのタダカツを召喚して地割れの中に下降する。

 慎重な面持ちで操作する巧実は、誤って現実世界と繋がっている裂け目に落下しないよう岩盤が見えるところまで降下を続ける。

 そして、岩盤まで降り立つとゲームの中ではあり得ない物が散乱を発見する。

 なんと、天空の裂け目に投げ入れた空き缶やペットボトルなどが岩盤に散乱している光景を目の当たりにする。

「あのクソガキ達め。面白半分にゴミを投げ入れやがって」

 と巧実が言って、岩盤に散乱するゴミを拾ったら岩盤の裂け目に落とす。

 数分後、ゲームの世界ではあり得ないゴミの類いが一つもない岩盤へと戻った。

 一応、深夜に清掃作業をしたので誰にも気がつかないだろうと確信する巧実。

 その光景に満足する巧実だが、同時に疑問が一つ残っていた。

(ゲームの世界から現実世界に投げ落とされたアイテムは時間の経過で消滅するのに、現実世界からゲームの世界に投げ入れた物は残っている。どういうことだ、これはっ?)

 と巧実は思って、清掃作業で綺麗になった岩盤を見下ろす。

 だが、早々と終わらせたい巧実はタダカツを操って地上に向かう。

 地上へ出た巧実はタダカツを収納すると、目的の現場検証を果たしプレイを終了することにした。

 ところが、巧実の目の前に宗明とゲーム同好会の連中が立ちはだかる。

「見つけたぞ、本多っ!」

 と宗明の声を聞いた瞬間、身の危険を感じた巧実は大薙刀を召喚すると身構える。

 宗明とゲーム同好会の連中は、絶対に逃がさないと巧実を取り囲み各々の武器を構える。

 当然、宗明は勝手に武器を変更された大盾を手に巧実を睨み付ける。

「ここ最近、隠れてコソコソ動いているようだけど。僕達に、何か隠してない?」

 と宗明が言って、余裕の笑みを浮かべて戦闘態勢の巧実に問い詰める。

 だが、今回の一件に関して関わったら面倒事が増えると思った巧実は、

「なんだ、疑っているのか。最近、eスポーツ部がいがみ合ってばかりで何一つ進まず会長などに相談しているだけ」

 と言って話題を脱線させようと平静を装いシラを切る。

 平静を装う巧実を見た瞬間、宗明の怒りが頂点に達し怒りをぶつけるように文句を言う。

「ふざけるなっ! 散々問い詰められた挙げ句、武器まで勝手に変更され、この前は痴漢の濡れ衣を吹っ掛けられたのだぞっ! いい加減に白状しろ、本多っ!」

 ところが、別の方角から女性の声が聞こえてきた。

「あなたが、本多巧実様ですかっ?」

 巧実と宗明達四人は、女性の声が聞こえた方角に思わず顔を向ける。

 すると、二人の若い女性が巧実のところへ歩み寄ってくる。

 二人ともミネルバと同様、体のラインが分かる白のウエットスーツを着ている。

 だが、明らかにミネルバとは違う顔立ちと容姿をしている。

 一人は、髪が緑色で腰が隠れるくらい長く色白で優しい大人の女性の印象が強い女性。

 もう一人は、うなじが見えるくらい赤の短髪で褐色の肌で気の強い印象のある女性。

 二人とも白のウエットスーツを着用するが、髪の色と同じラインのデザインが描かれているがミネルバと違い常に髪とラインが発光している。

 若干の背丈の違いはあるが、ミネルバと同様にスタイルは抜群で世の男が思わず見とれるくらい美しさと魅力を醸し出している。

「ごめんなさい。私達、巧実様に大事な用事があります」

 と緑色の髪の女性が話し掛けてくると、思わず手を上げて自分だと主張する巧実。

 巧実に無視されたのが気に入らなかったのか、

「おいっ、僕達を無視するなっ! 本多っ!」

 と言って怒りを露わにする宗明。

 そんな、怒りで我を忘れる宗明とゲーム同好会の連中に赤い髪の女性が不機嫌そうな表情で睨み付けて言い放つ。

「お前達こそ邪魔だっ! オレ達は、手を上げている男に聞きたいことがあるっ!」

 それでも、宗明とゲーム同好会の連中は一歩も引き下がらない。

「本当ならカワイイ君達をナンパしたいところだけど、今日はしらばっくれる本多に用事がある。残念だけど、先客がいるから引き下がってくれるかな」

 と宗明が言って引き下がる素振りがないことを主張した瞬間、赤い髪の女性の表情がさらに険しくなり次の一言で異変が起きる。

「そうか。『消えろっ、おまえらっ!』」

 赤い髪の女性が言い放った瞬間、宗明とゲーム同好会の連中の体が急に消え始めた。

「どっ、どういう事だっ? 勝手にログアウトが……?」

 とゲーム同好会の連中の一人が言って狼狽える。

「待てっ、本多……」

 と宗明が叫ぶが、ゲーム同好会の連中と共に消えてしまった。

 その光景を目の当たりにして驚く巧実は、

「一体、どんなマジックをっ……?」

 と言って目の前にいる二人の女性に恐怖を感じる。

「へえっ、名前からして女だと思っていたけど。まさか、男だなんて驚きだな。オメエ」

 と赤い髪の女性が言うと、警戒を強め大薙刀をいつでも振り下ろせるよう構える巧実。

 その様子を見た瞬間、緑色の髪の女性が赤い髪の女性に注意する。

「相手を挑発してはいけません、クレイア。わたくし達は、目の前にいる男に大切な用事があって足を運んだのですから」

「わりぃ、ユーノっ。ツイ、いつもの癖で」

 と言って苦笑いして自分の頭を軽く叩く赤い髪の女性。

 名を聞いた瞬間、巧実は聞き覚えがあり目の前にいる二人の女性に問い質す。

「もしかして、君達はASIっ? ミネルバと同様っ?」

「まさか、オレ達のこと知っているとは驚きだ。オメエ、少しは物分かりが良さそうだから話が早そうだぜ」

 と赤髪の女性が言って、険しい顔つきが緩み笑顔を見せる。

「クレイア、何処ではしたない言葉を覚えたのっ! 失礼でしょう、相手にっ!」

 と言って母親の叱る緑色の髪の女性の顔を見た瞬間、「わりぃ」と言うように頭を軽く叩き苦笑いする赤い髪の女性。

「せめて、名前だけでも……?」

 と言って恐る恐る訊く巧実に、緑色の髪の女性と赤い髪の女性が自己紹介をする。

「申し遅れました。わたくしは、三美神の愛称を持つASIのユーノと申します」

 と緑色の髪の女性が言って軽くお辞儀をすれば、

「チィースっ、オレはクレイア。ユーノと同じくASIだぜ」

 と言って赤髪の女性がウインクをして愛嬌を振りまく。

 まさか、ミネルバと同じASIに出会うなんて想定外の巧実は驚きの余り言葉を失う。

「ミネルバがご迷惑をおかけ致し申し訳ございません。わたくし達、あなたに依頼したく参りました」

 と言ってユーノがお辞儀をすると、我を取り戻した巧実は宗明とゲーム同好会の連中が消えたの何故か説明を求める。

「君達、あのバカ連中に何をっ?」

「彼奴ら、聞き分け悪そうだから強制的にログアウトしたまで。いくら足掻いても、明日の朝までログインは出来ねえ筈だぜ」

 と言って自慢するクレイアを見て、

「クレイアっ! そんなことしたら、公に知れ渡るから使っちゃダメってマスターから何度も言われているの忘れたのっ!」

 と言って母親のように厳しく注意するユーノ。

 ユーノとクレイアとの話し合いを聞いた瞬間、クレイアが宗明達の使用するゲーム機などに干渉して強制的にログアウトをしたようだと察知する巧実。

 同時に、二人を観察すると何となく性格の違いが見受けられた。

(どちらかというと、ユーノは普段は母性のある優しい長女で、クレイアは男勝りで強引に解決しようとする三女ってところか……。すると、ミネルバは分析力が長けて子供っぽいところのある次女ってところかな)

 と思って巧実が見ているところに、クレイアが詰め寄ってくる。

「オメエ、ミネルバに変なこと教えてないよな」

「クレイア、相手を刺激しないのっ! 巧実様が困っているじゃないっ!」

 と言って慌てて仲裁に入ってくるユーノ。

 巧実は、ミネルバの安否を心配する二人に簡単な現状報告をする。

「大丈夫ですよ。ミネルバ、我が家でいい子にしています。明日か明後日、ジッチャンが知り合いを通じてマスターと面会する予定と聞いています」

 巧実の現状報告を聞いた瞬間、胸を撫で下ろし安堵の表情を見せる。

 この後、巧実とユーノとクレイアの三人は現状報告と意見交換をすることに。

 このとき、ユーノとクレイアの二人から無理難題とも言える依頼を引き受ける羽目になるとは……。

ご覧いただき有り難うございます。

次回は来週の火曜日の予定にしています。

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