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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~最期の世界 編~
63/67

全滅寸前

 

「あとは、破砕の詠クラッシュを歌うだけ…」

泉美は、歌う準備をしていた。


そこに、智歌ちかが現れる。

「そんなことしたら夢芽ゆめの思うツボだよ!?」

そう言い、即座に泉美を取り押さえる。

「夢芽は泉美さえも破壊しようと企んでるっていうのに、それが分からないの!?」

夢芽の心も読み、そう伝えた。


しかし、泉美は止まらず、

「壊さないと始まらない・・・・・んだよ…」

何かを始めるつもりだった。


「…忘れてたよ。最後の1人“神”が居たことを…。ねぇ、歌聖神セイクリッド…アンタは私達を止める? それとも一緒に活動してくれる?」

夢芽は智歌に問いかける。


智歌の答えは、もちろん

「止める。それしか選択しないよ!」

拒否だった。


このとき、夢芽と泉美は智歌に襲いかかる。


「抵抗する奴には死を…」

泉美は全力で智歌へと当たる。

「私は、世界の破壊を優先するね~♪」

2人が戦闘中の最中、夢芽は破壊活動。


「あと10分・・・だけど、壊れるまで神同士で闘って、暇つぶし・・・・しててね~♪」

どうやら全滅には、さすがの夢芽でも10分は掛かるようだ。


「…10分、か」

ちょっと猶予がある事に笑みがこぼれ、泉美と対峙する。

「何がおかしい?」

無表情で泉美は問う。すると、


「わざわざ10分って言った・・・でしょ? つまりは、夢芽も


 助けて欲しい


んじゃないかな、と思ったワケ♪」


その発言に怒りを覚え、泉美は智歌に攻撃を仕掛ける。


右から竜巻トルネード、左から轟炎ファイアで挟み撃ち。

それに対し智歌は、右に竜巻トルネード、左には獄氷フリーズ


相殺。


次に泉美は、右から爆炎、左から雷爆。

それに対して智歌は、右に激流ストリーム、左に爆風バーニング


相殺。



そうして相殺を繰り返し、消耗戦となった。


「さすがは歌聖神セイクリッド…」

あまりに相殺することに驚き、泉美は攻撃を止める。

「そっちこそ、さすがは混在人間ミックス…人間でも人造人間クリーチャーでもなければ神でもない新存在ニューフェイス…」

智歌も、攻撃を止める。


…ここでまた泉美に心の変化が現れた。


(…破壊したいのは、なぜ?)

泉美の心の中で、葛藤が始まった。

善の泉美と、悪の泉美が、心の中で論争する。




(それは、全ての世界を作り直すため)


(破壊しなくても、分かる人は分かち合ってくれる。壊す必要は無いだろう…)


(壊さなければ、手に入れられない。世界の平和を…)


(それじゃあまるで破壊神ダークマターじゃないか!)


ここから、泉美の心理に疑念が生まれる。


(あれ? 私は破壊神ダークマターを倒し、チカラで圧倒する世界を丸め込み、平和的に解決していく事を望んだハズ…)


そう。本来の泉美が少しずつ戻っていく。



…泉美の心理錯誤マインドコントロールは続く……ーーーーー


 

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