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4つの交錯  作者: 幡賀 吉紗
~神源 編~
42/67

復讐

 

「…ところで、貴様とアタシで少しお互いの能力、見せ合わない?」

バルミは突然、亜久未つぐみに手合わせを提案した。


「んー…ボクは別にいいけど…」

乗り気だが、少し戸惑いを隠せない亜久未。

「ツグちゃん…だけ、かな?」

よく分からない質問をバルミに向けるまる

「…そうだな。マルは二輝幻将ツインフラッシュ多属性マルチチェンジ…なのは知っているからな」

右眼で見て、それを見破ったバルミ。しかし、


「…ただ、ツグミの能力を読もうとしても、なぜか読めないんだ…」

どうやら亜久未には“右眼”は効かないようだ。


「ボクは“読心妨害”も身につけてる。だから読心術者にも心を絶対に読まれないんだ…」

そして、バルミに告白する。

「ボクは元々“旧・二輝幻将ツインフラッシュ”の一員。その頃は、みんなが“読心妨害”を身につけていたよ」


天世あまよも、彩夏さやかも、そして志乃美しのびも、読心妨害を身につけていたそうだ。


「…面白い。そんな貴様と手合わせ願いたい!」

戦闘態勢になるバルミ。

「いいよ。キミとは一度こうして手合わせしてみたかったんだよね。王女だし」

続いて戦闘態勢になる亜久未。


「それじゃ、サドンデス方式でいいかな?」

審判(と言うより観戦?)の円が言う。

「いや、本戦闘じゃないしセーフティ方式がいいかな」

そう提案する亜久未。

「…そうね。帝国に行く前の準備運動程度に」

賛同するバルミ。



ーーーーー説明しよう。


※サドンデス方式

どちらかが負けを認める、または戦闘を止めるまで続ける方式


※セーフティ方式

あらかじめ体力やパワーを制限し、制限された体力が無くなった方の負け、という方式

体力上限:5,000p ・ パワー上限:3,500f

ーーーーー



「それじゃ、まずは…」

亜久未から仕掛けようとする。が、

「…アタシはノーチャージで出せるわよ?」

と、バルミは亜久未めがけて神速で飛ぶ。


地面を思い切り蹴り、脚に気を集中。そして、空気裂砕エアカッターを繰り出した。


「っ!? は、速い…!」

そう言いながらも、それを見切って避け、雷速でバルミめがけて飛ぶ。


そして天気をつかさどり、自然の雷を落とし、それを体にまとい、


「…速さなら、負けないつもり!」

と、速さとともに仕掛ける。


「…なるほど。雷を利用する能力ね?」

そう言い、心の底では楽しみながら、亜久未の攻撃を避け、瞬時に脇腹へ回し蹴り。


その蹴りの速度は尋常じゃなく、目測できないほどに一瞬だった。

ただ、それを見切ったかのように、亜久未は魔力を局部集中させ、ダメージを最小限に抑えた。


「…バルミちゃんの能力、蹴撃だね?」

脚でしか攻撃してないことに気づき、そう問う。

「よく気づいたわね。脚でしか攻撃してないことに」

自分の能力を見切られた事に嬉しさを覚えながら、士気を高めていくバルミ。


「…でも、貴様は隠してる。もう一つの能力を…」

雷を操ってるだけじゃないことに気づき、そう問う。

「バルミちゃん…勘が鋭いね」

気づかれた、と言わんばかりの亜久未。そして明かす。


「復興支援って体力勝負だし、相当みんなの体力を消費するでしょ? だから、その回復に欠かせないのは、実はボクだったりするんだ…」


「ってことは、治癒系…?」


「そう。“身傷治癒ヒーリング”っていって、基本的には傷を治す。けど、最近では内臓や細胞に向けても効くようになってきたんだよ。自主的に修行したおかげだけどね」


こうして明らかになったところで、バルミは戦闘を取りやめた。

「手合わせありがとね。2人となら、きっとシェガンゾフ帝国に復讐できる…!」

帝国への復讐を心に誓うバルミ。


「ボクも、シェガンゾフ帝国には復讐したいと思ってた。バルミと一緒なら心強いよ」

復讐に同意する亜久未。そして、

「シェガンゾフ帝国に復讐するなら、今しかないよね」

と、円も賛成だった。


「そうと決まれば、向かう先は帝国!!」

3人とも闘志を燃やしながら、シェガンゾフ帝国へ向かう。


「…そういえば、姉貴…いや、シュロナ・・・・元気してるかな…?」

不意にバルミは呟いた。



ーーーーー…シェガンゾフ帝国。


シヴォ、ニェンテは、家に来ていた。

帰宅してからというもの、シヴォは独り、屋上に上がって天を眺めていた。

「…この宿命は逃れられないかな…」

そう言い、右手を強く握りしめる。


「…私は、私のことを捨てた・・・王国のことは絶対に許さない…! ただフォゲウスのことが好きで、それで嫁いだだけだったのに…それが、こんな運命になるなんて…っ」


エフティルシパ王国に怒りを向けるシヴォ。


「…バルミ。どうやら貴女と闘うことになる宿命は逃れられないみたい。貴女に恨みは無いけど、王国の王女っていうだけで許せないの…!」



ーーーーー…某所。

シェガンゾフ帝国に向かう途中、殺意を直感的に感じ取ったバルミ。


「…シュロナ・・・・…! その殺意の矛先は、私じゃなくて父様でしょ!? それをアタシに向けるのは間違ってる…!」



王国と帝国の想いは、バルミとシヴォに乗っている状態で、ぶつかり合う……ーーーーー


 

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