夢芽
ーーーーー………某世界、某所。
「…エフティルシパ王国が動き出すかな~? シェガンゾフ帝国は動きに気付いてないみたいだけど…いや、そりゃそうだよねぇ~♪ 帝王のレーシァ…いや、フォゲウスが私に封印されてるんだから、そっちに先に来るよね~♪」
夢芽は、レーシァの本名を知っている上に、全ての国の動向も全て把握している、とても恐ろしい存在。
「エフティルシパは、芝狐村と滝宮、そして王女バルミッフェね…。シェガンゾフは、シヴォとニェンテ、そしてニヒツ…。どっちに転がるか分からないのが、イズミンと歌聖神…。なんだか微妙な展開…ちょっとツマンナイなぁ~…♪」
夢芽も“過激派”なのだろうか…?
そう思える発言である。
「…そもそも、復興支援中に円と亜久未が仲良くなったのが最大の誤算だねぇ…。本来なら破壊神と二輝幻将は相容れない予定だったのに、狂ったよ…」
ここまで言った後、レーシァ…いや、フォゲウスを拷問し始めた。
「シェガンゾフ帝国の絆を試させてほしいだけだから、大人しくしててね? お願い♪」
そう優しく言いながら、チカラを込めた拳や脚で、身動きが全くとれないように雁字搦めにされているフォゲウスに向けて、正拳や蹴撃を繰り返す。
「こ、こんなことして、何になる…っ」
「この世界がつまんないから盛り上げようとしてるの。それだけが理由だよ? “過激派”の帝王様なら分かるでしょ~?」
…しかし、さすが帝王だ。これだけ散々強大な攻撃をくらっても、まだ意識がある。タフさが人間離れしている。
「確かに“過激派”だが、我が輩が何をしたって言うのだ…? 貴様には害を与えていないだろう…」
正論を言うフォゲウス。しかし、
「害があったかどうかは関係なくてね? ただ単にシェガンゾフ帝国を試したかっただけ♪」
と、理不尽な理由を答える。
「…我が輩には理解できんな。我らを試す意味が分からぬし、貴様にとっては全人類が弱く見えるのだろう? 世界最強は名ばかりじゃない。現に我が輩の“無源魔能”は世界最強を誇っていたが、そんな我が輩を圧倒的に凌駕し、無傷で倒した…。そんな世界最強が、なぜ今さら我らシェガンゾフ帝国を試すのか…」
その質問に対し、夢芽は、こう答える。
「私はイズミンを試したい。その上で、私の思い描いた通りに世界が動いてくれてれば、こんなことしなかったんだよ? でも、予想外の事態が多くて困ったよ…」
突然、不思議なオーラを放ち、また語り始める。
「本当は、父親の羅宇がイズミンと対峙するハズだったのに、そこに智歌が入ってくるし…。その最中に復興支援に励む円と亜久未が、二輝幻将と破壊神なのに仲良くなってるし…。シェガンゾフ帝国は、さり気なく平和になってきて…全てが予想外の展開になってるんだよ。だったら、この歪んだ世界を予定通りに動かすためには、自分から動かなきゃダメなんだって思い始めてね? それで帝王のあなたを捕まえたのよ♪」
こうして言葉を交わした後、夢芽は、自主トレに励む。
しかし、そのトレーニングは、尋常じゃない速さとパワー、そして神速の反射神経、魔力や超能力、その全てを極めた“真極”の域に達する者のみ可能なモノだった。
「…そのトレーニング、我が輩の領域では絶対に出来ない上に、有り得ない…」
その動きに、心底驚いて唖然とするフォゲウス。
「私には、このくらい出来て当然。もし私以外にコレが出来る人が居るとすれば…イズミンかな?」
夢芽は、なにかと泉美のことを気にかけている。
彼女は一体、泉美とどういう関係なのか…
「…それよりも前に、少し気になる事があるんだよねぇ~…」
突然なにかを思い始める。
「…バルミッフェと、シュロナの事か…?」
心当たりがあり、口を開くフォゲウス。
「2人が会うと、これまた予定通りになると思うんだけどねぇ~…」
ーーーーー……
一方その頃、エフティルシパ王国では………




