第二十一話 帰る場所
そんなことがあった数週間後
「今日はちょっと親父に呼ばれてるから出かけてくるわ」
わかな「ん、今日帰ってこれる?」
「今日は無理かも、あした帰ってくる」
わかな「ん、気を付けてね」
「ああ、というか今の夫婦ぽかったな」
わかな「ふふw」
親父の本社に着いた
「......いつ見てもでかいなー」
「こんにちわー」
??「あらあら、久しぶりね」
この人は朝野さん。本社で受付嬢をやってる
「お久しぶりです」
朝野「竜也君、こっちに戻ってきたの?」
「いや、親父に呼ばれてきました」
朝野「そう、そういえば社長さん言ってたな」
「さて、俺はどこに行けばいい?」
朝野「ちょっと待ってて.......5階の第二会議室に行ってね」
「オッケー、ありがとう」
ガチャ(ドアが開く音)
京谷「おう、よく来たな、とりあえず座って」
「こんにちは、京谷さん」
京谷「いきなり呼んですまなかったな」
「まあ、今回の案件だいぶでかいですからね」
京谷「そうそう、先週のあの案、好評だったからデザイン部門に流したわ」
「そうですか。ありがとうございます」
京谷「月はお前みたいな才能はないはずなんだがな」
「.....才能は人それぞれですから」
京谷「まったく、すごい大人になりそうだな」
「はは」
「そういえば、親父は?」
京谷「月なら別の案件で出張中」
「そうですか」
「ん~、疲れたー」
京谷「いや~とりあえずあの案件は何とかなりそうだな」
「......さすがにこんな時間に新幹線はないですね」
京谷「今日は俺の家に泊まってったらどうだ?」
「いいんすか?」
京谷「もちろん」
「じゃあお言葉に甘えて」
京谷「飯はどうする?」
「この近くにや〇い軒ってありましたっけ?」
京谷「確か、あったと思うぞ」
「じゃあそこで」
「やっぱり、や〇い軒の料理はおいしいわ」
京谷「俺もそう思う、けど竜也の料理の方がおいしいんじゃないのか?」
「まあ、そうですけど。けど、俺は何かをまねしないと何もできない」
京谷「?どういうことだ?」
「つまりは俺のアイデアは誰かのアイデアの一部をまねして作ってるんです」
京谷「.........」
「全部というわけじゃない、けど自分で作れないのは想像力がないからなんじゃないかって」
京谷「......そんなことはないんじゃないか?」
「.......はい?」
京谷「お前の言い分はわかる、だがそれは今に始まったことじゃない」
「........」
京谷「いずれ自分で作れるようになるさ.....才能は自分で磨いていくもんだし」
「.....そうですね」
京谷「まあ、暗い話は置いといて食べようぜ」
天音「あなた、お帰りなさい、竜也君もいらっしゃい」
「お邪魔します」
京谷「晩御飯は食ってきたわ」
天音「竜也君のベットは......わかなのでいいかしら?」
「客室用の奴あるでしょ」
天音「あら、わかなのベットで寝たくないのかしら」
「........寝たいけどさ」
京谷「天音、あんまり竜也を自分の子供みたいに扱ってやるな」
天音「京谷がそういうなら.......」
「まあいいですよ、わかなのベットで寝ます」
天音「言ってくれるね~」
「もう寝ていいですか?朝一で帰るので」
京谷「ああ、寝てていいぞ」
翌朝
天音「竜也君、これお見上げ。わかなによろしく伝えといてね!」
「ありがとうございます。では、さようなら」
京谷「ああ、じゃあな」
「ただいま~」
わかな「ん、おかえり、ご飯にする?お風呂にする?それとも.....わたし?」
「.........久々に聞いたなそれ」
わかな「ふふ、やってみようかなと思って」
「ははは」
わかな「で、どれにするの?」
「ご飯で」
わかな「.....むう」
「わかなは食後のデザートに、ね」
わかな「ふふ、そうだよね」
その日の夜
わかな「ねえ、なにこれ?」
「ああ、天音さんからお見上げでもらってたやつ」
わかな「あ、これ私が欲しかったシャンプー!」
「良かったな」
わかな「あとでお母さんにありがとうって言っとかないと」
「そうだな」




