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017_両片思い(あなたのそばにいたい)平民→英雄、480字


 私は知っている。

 彼は優しく、誰にでも手を差し伸べる人だ。

 だから期待してはいけない。ちゃんとわかってる。



 それでも、彼が笑うと嬉しい。

 名前を呼ばれると幸せになる。

 隣を歩けるだけで一日が特別になる。



 私は平凡で、物語なら脇役で。

 英雄の隣に立つのはお姫様か聖女と相場が決まってる。




 それでもあなたのそばにいたい。




 恋が叶わなくてもいい。

 せめて遠くから見ていたい。

 そんなふうに思っていた。



 だけど最近、少しだけわからなくなる。


 どうしてあなたはいつも私を探すの。

 どうして私の淹れたお茶を飲みたがるの。

 どうして私と話をしにきてくれるの。



 期待してはいけないのに。

 勘違いしてはいけないのに。



 もしも、あなたの特別になれているのなら――


 そんな願いを抱いてしまう。





 夜風が窓を揺らす。

 王都の灯りは遠く輝いている。


 英雄と平凡な少女。

 誰が聞いても不釣り合いだと笑うだろう。



 それでも私は今日も願ってしまう。

 明日もあなたの隣で笑えますように、と。


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