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017_両片思い(あなたのそばにいたい)平民→英雄、464字
私は知っている。
彼は優しく、誰にでも手を差し伸べる人だ。
だから期待してはいけない。ちゃんとわかってる。
それでも、彼が笑うと嬉しい。
名前を呼ばれると幸せになる。
隣を歩けるだけで一日が特別になる。
私は平凡で、物語なら脇役で。
英雄の隣に立つのはお姫様か聖女と相場が決まってる。
それでもあなたのそばにいたい。
恋が叶わなくてもいい。
せめて遠くから見ていたい。
そんなふうに思っていた。
だけど最近、少しだけわからなくなる。
どうしてあなたはいつも私を探すの。
どうして私の淹れたお茶を飲みたがるの。
どうして私と話をしにきてくれるの。
期待してはいけないのに。
勘違いしてはいけないのに。
もしも、あなたの特別になれているのなら。
そんな願いを抱いてしまう。
夜風が窓を揺らす。
王都の灯りは遠く輝いている。
英雄と平凡な少女。
誰が聞いても不釣り合いだと笑うだろう。
それでも私は今日も願ってしまう。
明日もあなたの隣で笑えますように、と。




