35 レセント川の攻防?
お待たせいたしました。
世の中コロナ問題で騒いで居ます。
静かに小説が読めたら幸せですね。
この世界の貴族社会を説明する。
一つの国に、普通は王が一人。その下に国を治める為に貴族が就く。
王一人では、国の大きさにも因るが治められない。
今のレセント村状態になる。
前世日本の、都道府県や市町村単位にしないと治めにくい。
○○地方を治めるのが、貴族最高位の公爵だ。王の親戚関係が成る。
県単位で伯爵クラスが成るが。地域的要因で辺境伯爵を用いる事が有る。
国境線に有る領地を敵対勢力から守らなければいけない所。
危険な魔物が居る所等が有る。
市町村は、子爵、男爵で。村クラスは騎士爵に任せる所が多い。
今回攻めて来た。実際は文句を言いに来たが正解かな。
問題は、領地の線引きが曖昧な事が原因なのだけど。
この世界の測量技術は無いに等しい。
国同士の境界線も山脈や山、丘や川を境界線にして居る。
お互いに仲が良ければ、話し合いで解決できる。
仲が悪ければ、武力衝突で領土の広さが決まる。勝った方が取る。
負ければ、国も領土も無くなり王も殺されるだろう。
お隣の領主。
俺は、爵位も名前も知らない。
モルダビア王国には沢山の貴族が居る。
全ての貴族を知って居るのは極一部の人達だけだろう。
「良く聞け!俺は、ドルフ・ヘイデンだ。爵位は男爵をモルダビア王より
拝命して居る。お前が居る所の領地は俺の物だ、さっさと出て行け」
年の頃なら三十代前半かな。まあまあ普通の馬車でやって来て。
普段は歩き回らない、だろう体型。でっぷりと肥太って脂ぎって居る。
馬車から降りずに、奴隷だろうか。
四人の男が担ぐ神輿の様な物に乗り移り、此方に来て言い放った言葉だ。
でも、神輿を担ぐ奴隷は、どう見ても屈強とは言えないな。
神輿がヒョロヒョロと頼りない動きをして居る。
夏の終わり頃だけどまだまだ暑い。
「ああぁ~」
-ぐしゃぐしゃぁ~~―
神輿がヘイデン男爵を載せたまま倒れた。
日頃から運動不足で体型も背が低く肥満体。
唯一の救いは道路が粗平らだった事だろうか。
二~三回転はしただろう。道路の端の排水路の窪みに落ち込んで止まった。
「御館様!! 大丈夫ですか!」
執事と思われる男性が駆け寄って容態を確認して居る。
本来なら、機敏に動ける騎士達が助けに駆け寄るはずなのだが。
積極的に動く騎士は居ない様だ。
先程倒れた奴隷の中で、怪我を負って居ない者達が、担架状の物を持って
男爵の傍に行って執事の指示を仰いでいる。
丸い体型が良かったのか大怪我はして居ない様だ。
担架に乗せられて運ばれて行く。話し合える状況では無くなった。
「初めまして。ヘイデン男爵家の執事をして居ます。エリック・ハワードです。
御見苦しい所をお見せして申し訳ない。我が主人は、領地の区切りとして居る
この川が前回の氾濫の折に、我が領地の方に大幅に寄って来たと思って居ます。
それが、今回苦情を言いに来た要件です」
「しかし、そう言われましても。私も宰相様やフロム伯爵様から領地は
頂いております。昔の川の氾濫で位置がずれた事で領地が明確では無かったら
フロム伯爵様に言って調停をされるのが筋では無いですか」
「はい、おっしゃる通りです。伯爵様には事情を説明いたしました。でも伯爵様の、ご息女を娶った方は、貴方ですよね。この調停話は私でも無理だと思います。ですが、我が主は聞き入れません」
前世日本、嫌 世界中でも、水を制する者が国を治めると言われて居た。
この世界でも同じだと思う。平地程大雨が降って何もして居なければ。
川は、右左に流れを変えて暴れまわる。肥沃な土をもたらすから良い事も有る。
大きな河程昔は良かったのだろう。文明が発達したのだから。
俺が貰った領地は、護岸工事等は一切して居なかった。
魔物が跋扈する魔の森に接する場所。河川等放置状態だったのだ。
俺が開墾等して良くなった領地。
名も無い川だったからレセント川と名付けて居る。
コッソリと、こちら側だけ川岸を強化して居る。
大雨が降れば、ヘイデン男爵領側の川岸が崩れて領地が削られる。
微々たるものだけど長年に渡れば、大きな結果として現れるだろう。
でも、俺も此処で静かに暮らしたい。余り敵を創ってもいけない。
「エリックさん、ヘイデン男爵は領地以外にも気に障る事が有るのでは無いですか」
「はい、言い難いのですが。御館様には今、奥方様が居ないのです。ケント様
には、正室の他側室が。四人も居ますよね。その事も・・」
「嫁探しは、私には無理ですね。フロム伯爵様にお願いすればどうでしょう」
「今までに何度もお世話して頂きました。でもあの見た目です。もう来ませんね」
そうだろうな、男女の仲。見た目が物を言うからな。
地位と名誉も大事だけど、イケメンだよな。
世の中なる様に成る物だけど。どうしようかな。
敵対しなければ、ペルシス男爵の様に整形しても良いけど。
余り関わりたくもない。でも隣同士。難しい問題だ。
ペルシス男爵の場合は、俺の父親が姪のアルテナを結婚させる為に
宰相様にお願いしたし。アルテナの絶壁を改良して見た目が良くなった。
ペルシス男爵の顔の傷の整形もした。有る部分はサービスしたけど。
アルテナもペルシス男爵も俺がやった事は知って居る。
今回のヘイデン男爵は、俺が引っ越しをして来たお隣さんだ。
今まで面識も無かった。
新参者が先に挨拶をするのが筋だろうな。
でも今更挨拶には行けないよな。
フロム伯爵様に間に入って貰おう。
「エリック様、今回の件は。フロム伯爵様に頼んで置きます」
「そうですね。よろしくお願いいたします」
皆さん回れ右して帰って行きました。
俺も左の手綱を引き。廻れ左で屋敷に向けて帰る。
そうです、ケントは乗馬が出来るのです。
辺境伯爵の五男ですから、幼少の頃から乗馬経験は有るのです。
乗馬する機会が無かったのです。
本当は、俺が馬などに触った事が無かったからですが。
その馬も、普段は馬車を引かせている馬です。
馬車を造った時に四頭買いました。適当に買いました。
貧相な馬でしたね。
見た目を良くする為に、筋肉を付けてやりましたよ。
雄ですからね。雌二頭と雄二頭です。
一応賢いのか人語が少し理解出来る様です。
俺もその内の一頭が気に入り。馬体の整形をしてやったのです。
「俺の言う事を聞けば。雌にモテル様にしてやるぞ」
頭を上下に振って居ます。了解の合図ですね。
馬の一部ですが。馬並みにして挙げました。
それからですね。大変懐いてくれる様になりました。
屋敷に帰って。馬をケネスに預けて屋敷に入ります。
「アンジェラさん、隣の領地の男爵はご存知でしょうか?」
「いいえ。良く知りませんが。父が女性を世話して居た様な事しか」
「領地の線引きが、川を基準にして居るので気に入らない様です。フロム伯爵様に、仲介して貰おうかと思って居ます」
「そうですね。父に頼んだら良いと思います。私も手紙を書きます」
そうですよ。アンジェラは妊娠数か月。年末位には出産予定。
それを知らせるのでしょう。
正室のアリスと側室のビアンカも妊娠の兆候が。
ビアンカは五十八歳です。〇高では御座いません。
ダークエルフは長命で五百歳位が平均寿命らしいです。
五十八歳は、マダマダ若いのです。
帝国の姫は若いので、もう少し先ですね。
でもね、領地問題は杞憂に終わりました。
あれから暫く経った頃に、伯爵様からヘイデン男爵がお亡くなりになったと。
連絡が有りました。
あの体型ですから、若年性の病気だったのか。家臣団の誰かに狙われたのか。
真相は闇の中です。
それからですね。ケント・レセント男爵に逆らうと死が訪れる。
宗教の力は侮れませんね。瞬く間に全国に広がりました。
お読みいただきありがとうございました。




