↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/37

34  押し掛け女房

お待たせいたしました。


 玄関にポツンと置かれた細長い箱。

棺桶じゃ無いか。

センサーで中身を探る。成人女性です。身長百六十㎝余り。


「ケネス、グレン。此の箱の蓋を開けて」


「 「了解いたしました」 」


 蓋が外されて中身が見えた。

初めて見る顔だけど、多分フロル伯爵様の長女アンジェラだな。

暗い箱の中に長時間居たのだろう。瞼を少し開けて起き上がる。

金髪で色白、モデル体型。皆が結婚したかった女性だ。


「ケント様、フロル伯爵が長女アンジェラです。不束者ですがよろしくお願いいたします」


「アンジェラ様、申し訳ございません。急な事で戸惑って居ます。別室で少し

話し合いませんか。それとその箱には、衣装等が入って居ますね。ケネス、グレン、箱を部屋まで運んでくれ。それと下着に手を出すなよ」


「 「御館様! そんな事はしませんよ!」 」


「ベルタさんカミラさん、しっかりと見張っていて下さいね」


「 「はい、了解いたしました」 」


 この屋敷は、男爵より上の爵位屋敷にして。屋敷より城に近い。

部屋数も多い。俺の主寝室と正室、側室の数以上の部屋を造った。

俺達は二階に住む。一階には執務室兼応接間、食堂と厨房。

風呂とトイレも作った。二階三階にもトイレは作って居る。


 執務室でアンジェラと話をする。


「アンジェラ様、私と一緒になる事は貴女の中では決定事項なのですね」


「はい、私の事はケント様もご存じでしょう。この国の貴族ならもう有名

ですから」


 何度も聞かされた話だから。知らないとは言えない。


「はい、知って居ます。でも私で良いのですか?」


「ケント様、貴方の今現在のご自分の事を女性の目で見たら、どう評価されると

思って居ますか?」


 そうだよな、俺と魂が入れ替わる前は粗暴な奴だった。でも見た目は良くて

辺境伯の息子だ。計算高い女なら嫌がらない子も居たはずだ。


 今は、性格も良くてアルテミア様の使徒と言う立場。超優良物件になった。


「私の性格は自分では分かり兼ねます。でもアルテミア様の使徒と言う立場に

なった今なら、女性に嫌われる事は少ないのでしょうね」


「ご自分でもお分かりですよね。この国では、側室の数が決められて居ます。

四人までなのです。私で三人目です。適齢期を大幅に過ぎて居ます。早く

しないと子供を作る事も難しくなります。その点もよろしくお願いいたします」


 現地人は側室の数など知らなった。この世界は平均寿命が五十歳位だろう。

前世の日本でも昭和の前半位までは人生五十年が普通だった。

戦争も有ったので無理も無い。

でも、アンジェラの子作りは余り関係が無い。貴族は男系を優先する。

何故か、女性は妊娠しても普通は一人しか子供を産まない。犬の様に多産

は少ない。


 男なら、何人でも種付けが出来る。年老いても元気なら出来る。

子孫を残すなら、女性も必要だけど男性が有利になる。

問題になって居る女性皇族もその辺りが問題かも知れない。


 応接のソファーに対面で座って話をして居た。

話もして大体分かった。立ち上がって執務用の机に向かい。

足元のスイッチを足で踏む。

執事を呼ぶ為のスイッチです。

 

「ケント様、御呼びでしょうか」


「皆を呼んでくれる。アンジェラを紹介するからね」


モルダビア王国

王女(二女)正室

アリス・レセント(二十歳)身長百六十㎝



ヴァンダル帝国

王女(二女)側室

アンナ・レセント(十五歳)身長百五十五㎝



ネウストリア王国

王女(長女)側室 【ダークエルフ】

ビアンカ・レセント(五十八歳)身長百六十五㎝



モルダビア王国

フロル伯爵(長女)側室

アンジェラ・レセント(二十三歳)身長百六十二㎝


 俺、ケントは、十八歳。モルダビア王国が国を統一してカディスに遷都

してから年号が始まる。

今は。カディス歴五百三年の春の事。



・・・・・・・・・



 家族も増えて領民と言うか部下も増えた。

お金は、多分一生困らない位は有る。でもお金は天下の廻りもの。

流通させないと駄目だ。

レセント村には農業をする者は居ない。

当然穀物や野菜等は買わなければいけない。


 商品は商人から買う。お金は有るから問題は無い。

しかし、レセント村は魔の森の麓に有る。

フロル伯爵領から買い付ける事になるだろう。


 荷物の中身にも因るけど、盗賊も居る。魔物も出て来る。

護衛は要るね。俺が護衛をすると、村の守り手が居なくなる。

やはり、冒険者を雇は無いといけないな。

兵士も必要だと思う。今の所戦争は無いけど、隣の領同士でトラブルが

何時起こるかは分からいのだから。


 前世の日本でも、憲法では軍隊を持たないと言いながら自衛隊は居たな。

この世界も自分の都合だけでは生きて行けない。

兵士募集の広告を出して置くか。


 執事見習いのダニエルと一緒にフロル伯爵領の領都フロルに行く。

用件は、冒険者組合のレセント村支部を作り。冒険者に常駐して貰う為だ。

支部が出来るまでは、魔物の駆除依頼を出す。


「私は、ケント・レセントと言います。組合長に会いたいのですが」


「少々お待ちください」


 受付の女性が事務所の奥に有る組合長の部屋に行く。

冒険者組合の受付嬢が皆美人かと言うと、一概には言えない。

美人の基準が、多分人によって違うはずだからね。



 数分程度で先程の受付嬢が帰って来た。


「御会い出来るので、ご案内いたします」


 受付嬢の後に従い、事務所内を歩いて付いて行く。


「ケント様をお連れしました」


「入って貰ってくれ」


「失礼します。ケント・レセントと言います。先日、王より男爵位を拝命

しました。アンドレア湖の西方で魔の森の一部を領地として貰いました。

魔物しか居ない所なので、冒険者を派遣して魔物の駆除をして貰いたいのですが」


「初めまして、私が組合長のエルトン・ドミニクです。此方こそよろしくお願いいたします。ケント・スミルナ様なら良く知って居ますよ(笑)」


 ギクッ、俺は組合長とは面識が無い。先方は俺の事を知って居る。

情報戦では不味いな。


「私は以前、エクバタナ男爵領で組合長をして居ました。ケント様とは面識は

御座いませんでしたが。例の狼の牙でスミルナ辺境伯様に覚えめでたく。

フロム伯爵領の冒険者組合で組合長と言う出世を果たしました。ありがとうございました」


「そうでしたか。その節はありがとうございました」


「これからは、ケント様と二人きりで話しますので」


 人払いをする。


「ケント様、申し上げにくいのですが。エクバタナの冒険者組合に宿題が

残って居ます。受付嬢のコリーンを御存知でしょうか?」


 知って居るよ。原住民が起こした負の遺産だよな。

でも誰も魂が入れ替わった事は知らない。証明も出来ない。


「はい、若気の至り。申し訳ございません」


「コリーンも年頃の娘です。大勢の見ている前での狼藉です。

あの後は誰も、コリーンを嫁にと思う者は居ないのです。コリーンの

両親も困り果てて居ます。どうにかしたいですね」


 はい決定ですね。側室枠が全て埋まった。


「責任は取らせて頂きます」


 その後、冒険者の派遣や支部の設置等を話し合った。

フロム伯爵にも会いに行き。押し掛け女房の事も了承して。

結納金も支払った。伯爵も肩の荷が降りたのか終始ご機嫌な面談だった。


 側室が増える件は、正室のアリスに相談しないと家庭内が崩壊しても

いけない。

昔の事だけれども、アリスに言って許可を貰った。


 レセント男爵領からエクバタナ男爵領はとんでもなく遠い。

直線距離でも千五百㎞以上有る。行き来する頻度も少ないと思う。

ペルシス男爵領までは魔の森沿いに道路を造った。

エクバタナ男爵領まで道路を造っても、利用する者は居ないだろう。

途中に村も街も無いのだから。野生動物や魔物を狩って塩漬けにするにも

手間が掛かる。

有れば便利だけど、それ程必要とされないだろう。


 アルテミア様に教えて貰った転移で行く事にする。

早くしないと行き遅れが進行するだけだから。

転移も練習しながら行く。目印はアルテミア教の神殿を目標にした。

エクバタナ男爵領に到着。コリーンはまだ冒険者組合の受付をして居るそうだ。


 コリーンには、フロム伯爵領の冒険者組合から手紙を出して居る。

退職準備は終わって居るはずだ。

二人で両親に挨拶をして、爺さん婆さんの所にも寄って行く。

二人とも元気そうだ。ひ孫誕生も近い。兄夫婦に秋頃子供が出来る予定。


 コリーンには眠って貰い。転移でレセント村まで転移する。

俺の寝室に転移した。誰も居ないはず。

コリーンの眠りを覚ます。いずれ分かるだろうけど説明はしない。

正確な地図も無い世界だから、説明しても難しいからね。



・・・・・・・・・



 執事のレオニートに、内政や新規男爵になって、やらなければいけない

事をして貰う。俺は、領地を広げる事にする。

テーベア山脈に向かって林や森を切り開く。木材は色々な用途が有るので

切り広げて邪魔にならない所に、自然乾燥出来る様に積み重ねる。


 木を伐った跡地は一ヘクタール程度ごとに区切って畑にする。

木の根は大鋸屑程度に細かくする。腐葉土と混ぜて肥料になる。

大きな石は適当な大きさにして、畦道の端に置いて崩れない様にする。


 馬は居るけど牛は居ない。耕運機も無いから。

畑を耕すのは俺の仕事。畦道に折り畳みの椅子に座って土魔法を使う。

右手と左手を回転させて土を混ぜる。大きめの石が出たら細かく砕く。


 ある程度テーベア山脈麓近くまで整地したら。山裾に石垣で塀を造る。

魔物や敵対する者を入れない為だ。

高さは十m位で幅は二m位で造る。山側には水路を造って畑の灌漑用と

防御の為の堀にする。塀も壁面をフラットにして登れない様にする。


 兵士として来る者。農業をして居ても後を継げない次男三男達は

何処かで仕事を探さなければいけない。

その様な者が来てくれる。住む場所と畑が有れば大丈夫。

作物は来年以降だけど、年貢を免除してやれば良いだけだ。


 冒険者が常駐すれば魔物の被害も少ない。

隣の芝生は青く見える。


 青くない隣領の馬鹿領主が攻めて来た。


お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。