19 整形外科医
やっと19話目です。
ペルシス男爵様御一行は、長旅の疲れも見せずに街道を歩いている。
余り裕福な領では無い様だ、魔の森の中央部なので魔物も多いのだろう。
アルテナが嫁いで行けば、魔物の数も少しは減るだろう。
スミルナに近い所で、誘拐する予定です。アルテナが、町娘に扮して待ち伏せしている処まで一行が来ましたよ。後は、アルテナの演技力です。
ここまでは、問題無い、ペルシス男爵が先頭を歩いている。
アルテナが、少し前を歩いている。アッ、よろけて倒れる。男爵が気付く駆け寄る。
うんうん、順調、順調、男爵が、アルテナを抱える目と目合って〜〜恋に落ちゃいました。
良い雰囲気なので誰も近づきませんよね。
俺の仕事は無くなりました。
直ぐに、空間魔法で包み男爵に麻酔を掛けます。辺境伯邸方面に空間収縮で運び去ります。
街道に残された御一行は、何が起きたか最初は分からずに暫く経ってから大騒ぎです。
数人が、辺境伯邸に知らせに走り出します。
俺は、素早く第3アジトに、ペルシス男爵とアルテナを運び込み。手術の準備をします。
本当は、顔だけで良いのですが。アルテナの夫となるのです。
全身をチェックするつもりです。
着ている物を全て脱がせて、手術台の上に乗せ顔の眼帯を外す。
これは酷い、鼻が無いのです。顔の中央部に穴が開いているだけです。
顔左半分は、サーベルタイガーの爪跡が付いて鼻と皮膚が無くなっています。
辛うじて左目は、損傷を免れた様です。運が良かったのですね。
俺と、出会えたのも運が良かったな。ふと、アルテナを見ると目が下半身に釘付けで御座います。
慌てて脱がしていた服を掛けます。夫婦になれば何時でも見えますがな。
取り敢えず、顔の修復を行います。何度か治癒魔法を試みた様子は有りますが。
欠損部は治せない、俺なら出来る。残っていた右側を参考に皮膚の修復を行う。
鼻は、顔とのバランスも考えて創る。体全体を空間魔法で持ち上げて、回しながら確認する。
特に可笑しい所は無い。
アルテナに。
「顔は、どうですか?」
と聞く。
頷くので大丈夫そうだ。後は、夫婦生活が上手く行くように。18禁を完成させた。
脱がせていた服を着せて、眼帯も元に戻す。
空間魔法で、再び包み地上に出る。伯爵邸の門の近くに連れて行き。
空間魔法を解き、門の所へ背負って行く。
白々しく。
「この人が、道で倒れて居ましたよ」
と言って門番に預ける。
門番2人と、誰だろう何処の馬の骨かな?とか言っていたら。来ましたよ。
「「ハッツ、ハッツ、ゼーッゼーッ」」
苦しそうに息継ぎしながら、2人連れが走り込んで来ました。
「ワッ、ワッ、若様! ブフェ、ブフェ」
息苦しいのに話すから激しく咽こんでいます。
ペルシス男爵の麻酔を解除する。
男爵が気付き目を覚ます。
「お前達、何を慌てている?」
門番達が、走って来たペルシス男爵家の家臣に水を飲ませている。
水を飲んで落ち着いた様です。
「ハー、ハー、ワ、若様が急に見えなくなったので、伯爵様に御報告と思い走って来た次第です」
「俺は、どうも無いぞ、ただ、顔が」
と言って手で顔を触っている。
何時もと触り心地が違うと思っているだろう。暫くして、股間も探っている。
アルテナを、満足させる為だゆるせ。
家臣達も、ペルシス男爵が見つかったので安心したのか。1人が知らせに戻って行く。
門番も、身元確認が出来たので。俺が、伯爵邸まで案内して行く事にした。
1件楽着である。
父も、先日王都から帰って来ている。
玄関まで連れて行き、執事長のアスカロンに引き継ぐ、俺は、自室に帰る。
ドアを開けると、巨乳お姉様がおられます。
「ケント、上手くいったな。顔も良かったぞ。しかしお前、何か他にもしてなかったか?」
「お姉様の、結婚生活が上手く行かれます様にお祈りはしましたよ」
「そうか?お前が何かして普通だった事が。今まで無かったからな?疑って悪かったな」
「俺の、日頃の行いが悪過ぎたのです」
お姉様は、まだ、何か言いたげに帰って行きました。隣ですけどね。
その日の夜、ペルシス男爵一行は旅の疲れを癒す為に風呂に入ります。
男爵は、眼帯を外して風呂に入ると。先に入っていた家臣に言われます。
「若様、お顔が」
「顔が、何か?」
「傷が無くなっています」
「それと…」
「まだ、何か有るのか?」
「じ、じ、自分でお確かめ下さい」
「なにーっ」
慌てて風呂の壁に掛けてある鏡(銀板)を見る。
「ほっ、本当だ、昼間から触って見て可笑しいとは思っていたが。なんでだろう」
それから、下も見る、普段と違う物が見える。
「・・・」
家臣達が皆、喜んでいる。しかし、ペルシス1人落ち込でいた。
昼間見た、町娘に恋をしたのでした。
アルテナ嬢に、合った事も見た事も無い。婚約者で有った男爵に胸が無い事を揶揄されて半殺しにした
そうだ。
伯爵に紹介されては断れない、それも、普通の伯爵では無い辺境伯である。
無論、町娘が好きになりました。では問答無用で切り殺されるだろう。
今日見た、町娘は、綺麗で胸も大きかった。あんな大きな胸を揉んで見たかったなぁ。
アルテナ嬢は、胸が無くて大事になったのだ。
俺は、不幸だ、巨乳がぁ〜~ 。
その夜、彼は悶々として寝付けなかったのであった。
次の日に、スミルナ伯爵とペルシス男爵が謁見の間で会見を行います。
俺は、例のサーベルタイガーを見に行った。やはり、眉間が少し凹んでいる様な。
証拠の傷は消したから、もう分からない。改めて見るが大きい、全長4〜5m位は有りそうだ。
高さも体高2.5mは有る。
そろそろ、始まります、俺は、壁の蔭から覗き見します。
兄の、チェスキーは。後継ぎなので父の横でお勉強です。
ペルシス男爵が来ました、サーベルタイガーの記憶は消した様で何も有りませんが。
供の者が腰を抜かして座り込んでいます。
後から、アルテナも入って来ます。今日は、無粋な鎧は着ていません。
巨乳を見せつける様な、胸元が広く開いたドレスを着ています。
父の方を見ると、兄共々、ペルシス男爵を見てビックリ仰天です。傷も無くまあまあいい男です。
「スミルナ辺境伯様、この度は、私ハルモ・ペルシスの妻としてアルテナ・フランツ嬢をご紹介に預かり有難う御座います」
と言って頭を下げる。
それから、ゆっくりとアルテナの方を見る。見てビックリですよね。
巨乳の町娘が、はでなドレスを着て横に立っているのですよ。
とんでもない、サプライズですよ。
「アッ、アッ、貴女がアルテナ様ですか?」
男爵は聞く、もう鼻の下が伸びていますよ。
「はい、そうです、こちらこそよろしくお願いします」
アルテナも挨拶をする。
ペルシス男爵は、頭の中で?マークがクルクル廻っている。
千秋楽の土俵の上、懸賞金の幟の様に廻っている。
巨乳の町娘が、アルテナで。アルテナの顔ソックリな町娘が居て頭がこんがらがっています。
ペルシスさん、巨乳の美人妻が手に入ったのです良しとしませんか。
これで、監視役が居なくなったから。自由だー。
「アルテナ、ケントは何処だ?」
父が、俺を探している様だ。
「私は、今日は、警護の任は解かれているので分かりかねます?」
「そうだったな。お前が、ペルシス領に行くまでに後任を探して置け。早急にな、頼んだぞ」
お父様、貴方は何をおっしゃる兎さん。今までの苦労が水の泡じゃごーざ居ませんか。
今後の、スケジュール表を慌てて考える。
① 逃げる。隠れる。
A 追ってが、しつこくて逃げ切れないかも。逃走資金が無い。
② 今まで通りの生活。
A 雨露がしのげる、家賃は要らない、食事無料。
やっぱり、このままの生活がましだが。何とかしなくては。
新しい、護衛を手名づける。丸め込む。買収するには、金が無い。
女なら、俺の女にする。しかし、アルテナ並みに強ければ、無謀だ。
男なら、即消そう。
色々、構想を練るが決まってからでも良いか。
考えていたら、アルテナの結婚も決まった様だ。婚期も遅れているので直ぐに結婚してペルシス領に
帰る様だ。
俺も、1度行って見たいな。父に相談してみよう。
3日後に結婚式を挙げる事になった。父の姉、アルテナの母親も来ている。
俺は、式の日まで隠れて居る事にした。
アルテナも、忙しい合間に俺の護衛(監視役)を探している。
辺境伯領は、50〜60万人の人口を抱える。モルダビア王国の西方の要である。
軍隊も万を数える程いるのだ。騎士も結構いるはずだ、いるはずだった。
「アルテナ、どうだ、ケントの護衛(監視役)は、決まったか?」
「申し訳ございません、誰1人として受けてくれる者はいませんでした」
「そうか、そうだろうな、お前は従姉だから務まったのだからな」
「伯爵様、少しお耳を」
「何だ」
アルテナが、近づき、耳元で囁く。
「私が、ケントが1人で訓練をしている時に隠れて見たのです。あれは、魔法が使えます。それも、大魔法使いです。この国処か世界を滅ぼす程の魔法が使えます。護衛は要りません。監視されるのが嫌だから、
私を結婚させてお払い箱にしたのです」
「そうだったのか。だから、あいつの周りで可笑しな事ばかり起こったのだな」
「よし、もう良い。ああ、アルテナ、ケントがペルシス領に1度行って見たいと言ってな。婚儀が終わって、ペルシス領に行く時に連れて行ってやれ」
「はい、分かりました」
アルテナは退室して行く。
アルテナが部屋を出ると。父は、アスカロンを呼び、ケントを呼んで来るように言いつける。
俺は、父が呼んでいると言われ父の執務室に行く。
ドアをノックして。
「ケントです」
と言うと、直ぐに。
「入れ」
と返事がある。
今日は、応接椅子に座っていた。アスカロンは後ろに立っている。
「そこに、座れ」
と言っているので対面に座る。
「ケント、アルテナが結婚してペルシス領に行くから。お前の、護衛をするものが居ない。後任が決まるまでは、城から出歩かない様にな」
「はい、分かりました」
「それから、お前が望んでいたペルシス領行は、行っても良いぞ。フランツ子爵家から、アルテナの身の回りの世話をする侍女を数名連れて行くそうだ。それの、護衛も兼ねて、此処からも兵士を。50名付けるから一緒に行け」
「それから、まだある。お前が、以前冒険者組合に狼の牙を討伐証明で出していた物を覚えているか。あれがこの前、王都に行った時に。儂が出品した事が分からない様にオークションに出したら。物好きも居るものだな、金貨1,000枚で落とした者が居たのだ」
何処の世にもお金持ちは居るものだな。しかし、大粒のダイヤモンドが20個なら不思議でも無いか。
「儂は、トミエル組合長に、幾らも払って居ないから、大儲けだ。だから、サーベルタイガーもお前から買った事にして、金貨1,000枚やる」
お父様、イケマセン、大盤振る舞いは駄目でしょう。
「お父様、その、金貨は全てアルテナに持参金として持たせたらどうでしょう?」
「待て、待て、金貨1,000枚は大金だぞ。ペルシス領なら数年分の予算に匹敵する」
「お父様、ペルシス領は、貧乏領見たいです。アルテナも嫁いだ早々大変でしょう。そこで、恩を売って
置くのです。ハルモ・ペルシス男爵は、顔はあれでしたが。サーベルタイガーを撃退して有名です。いざ戦争とか政治的に困った時には助けになります。お金は、有効に投資しましょう」
「お前、本当にケントか?」
「何を、おっしゃいます。お父様。私は、エクバタナ領で1年間勉強に次ぐ勉強をしていたのですよ、以前のケントは死んだのです。新型のケントです。ニュータイプです。それと、お父様、古い馬車は有りませんか?」
「馬車を、どうするのだ?」
「ペルシス領からは、皆歩いて来たようです。帰りも困ります。古い馬車を修理して帰りの足として進呈しませんか?修理は私がしますので」
「お前は、馬車の修理も出来るのか?」
「はい、先程も申し上げましたが、馬車の修理の勉強と言うか馬車の修理屋の手伝い等もして覚えました。何でも屋のケントです。どうぞごひいきに」
「分かった、アスカロン馬車の手配をしてやれ」
「それでは、もう、宜しいでしょうか?」
「ああ、もういいぞ」
父に礼をして退室する。
「アスカロン、あれをどう見る」
「伯爵様、ケント坊ちゃんは、以前と比べると別人の様で御座います」
「お前も、そう思うか。顔かたちは、ケントだが。中身は別人の様だし物言いが若者とは思えん。儂より
歳上に思える」
「それとな、アスカロン、これから言う事は、口外するなよ。言えば死がお前に降りかかると思え。ケントは、魔法が使える様だ」
皆さまのおかげでポイントが増えております。
有難う御座います。




