シデンモウセイ
★今回のいいわけ
ほっ(^_^;)ほらたまに頭のおかしい
のが挟まるからこそ何気ない日常を
実感できるといいますか……ね? ねっ?
※良い子は読み飛ばしてください。
※喜べ百合勢諸君(͒˶´Ꙫ`˵)͒
「バッチこーい!」
「……」
マイスナが、
ハダァカでベットに寝っ転がり、
両手を広げて、私を求めている。
ちな、私も風呂上がりっす。
「おしおき、バッチこぁーい!」
「……」
……やらかしたという自覚はあるようね。
この、あんぽんすかめぃ。
今日はドニオスに泊まることにした。
明日には、ホールエルに再び、
自分たちをお届けしなくてはならない。
塔の家は、なんだかんだ、
とっても落ち着く。
ま、面倒そーな、お仕事の前に。
心のやすらぎは必要ってことで……。
ヒゲイドさんと、
ホイップキッティと解散した後、
ちっとだけと、本業の配達のお仕事をした。
熱々のニシンとカボチャのパイを、
お孫さんに、冷める前に届けたり。
インゴットの箱を鍛冶屋さんまで、
ちょっぱやで、配達しまくったり。
迷子んなってた、のぼり隊の子を、
とりま、家まで送り届けたり、ね!
あ。うさ丸とカンクルはですね、
冒険者ギルドで、お留守番してもらってました。
なんか、神官ねぇちゃん……アマロンさんが、
ギルドのソファでダウンしてた。
夏バテっぽい。
うさ丸には、ソーメンの茹で方を教えといた。
がんばれ、看病。
カンクルはサブクッション要員です。
(※言葉通りの意味です)
「な……なんてこと……! 御身自ら、わたくしに手料理を振舞っていただけるとは……! あ、有り難き幸せ……!」
「にょきっとにょんにょん♪」
「くゆぅーう♪」
「むむっ……! な、何ですか筆ウルフ、こ、こんな時に私に恩を売るおつもり……!? わ、私はそれくらいでは陥落しませんからねっ……?」
「くゆーぅ??」
配達から帰ってきたら、
何やら楽しそうだった。
あの様子なら……大したコトないでしょう。
ニンジン入りソーメン、バクバク食っとるし。
モフモフ奉仕されてるアマロンさんをスルーし。
塔の家で敵味方なかよく風呂と洒落こみ。
──そして。
冒頭のマイスナちゃん挑発行動へと、
到達するのである────。
「へいへーい! ドンとこーい!」
「……」
ウ チ の ヨ メ さ ん が ァ 、
調 子 ん の っ て や が る わ・・・!
今回の狂銀ちゃんのやらかし度は、
中々なヘヴィー級であった。
聖女ちゃんの目の前で、
ティーテーブルに私を押し倒し。
上半身ハダァカサンドウィッチ維持のまま、
ロングチュッチュと洒落こんだのである。
この子が、私の世界一好きな人じゃなければ、
憲兵さんこんにちは♪
お日様さん、さよーなら♪
になるレベルの御業である。
「おしおき、うぇるかーむ!」
「……、……」
マイスナは普段から大人しい感じの子だが、
元々、察しは良いタイプの天才児なので。
私への行いを鑑みて。
このままでは明日は迎えられないと悟り。
自ら"罪の精算"へと乗り出したのである。
が────・・・。
「今ならマイスナ、たべ、ほうだーいっ!」
「……」
完っっ全に……舐めプであった。
表情で言い表すのなら。
マ(๑✧д✧๑)「こいゃあー♪」
ア(๑•̀ω•́๑;)「……」
……こんな感じである。
おまえ、謝る気あんのか。
もちろん──、
マイスナは世界一可愛い白銀の美少女なので。
そんな子がアラレもない姿で調子に乗り、
こちらに天使のように両手を広げて、
ウェルカム決め込んでいるサマは、
私としても、キュンキュン、
しないワケではにゃい……。
──だ が で す ね ぇ 。
狂銀が、自ら嬉嬉として、
断罪を求めているのなら、
ちょっと、話は別である。
「おいでぇー♪ アンテぃ……♡」
「……」
──さて。
私は人前で押し倒された事を、
それなりにプンプンプンスカアンティである。
観戦者が聖女さまとなれば、
尚更、ただでは済ますまい──。
(ちっ……。この可愛い嫁を、どうサバいたものか……)
普通(?)に考えれば、
ここは私が"オーダー"でマイスナを拘束し、
やられたらやり返す! の精神で、
キャッキャウフフするのがセオリーである。
もしくは、あの"怠惰の三日間"の再現か……?
あれは、お互いの尊厳と貞操と羞恥心を、
完全に無視した聖戦だったな……。
けど──たぶん、マイスナはさぁ。
そんくらいの制裁は、
想定済みなんだと思うのよねぇ──……。
「はやくぅー、アンティ……♡」
「ふむ……」
私の目的はですねぇ。
この調子にのった愛いやつめを、
もっくそ反省させることなワケですよ……!
ハダァカの私は、考える。
激しくしたら、相手の思うツボなんじゃないか……?
「まだぁー?♡」
「うるせぇ天使が」
んーむぅ……。
かといって、
何もせずに放置して別々に寝る、とかは、
確かにオシオキにはなるだろーけど、
そんな事は私もイヤだし……絶っっ対にしたくない。
二年間、雪山で一人ぼっちで暮らしてた憧れの人を、
一人で寝かせるという選択肢は、我が人生に無い。
と、なると────。
「……逆転の発想でいくか」
「ぇ……?」
ベッドで調子にのってる悪い子に、
宣戦布告、しにいこけ。
ギシ……。
「っ! ……ふふ、どんなオーダーでもいいよ♪ 今日は受けてあげる♡」
「はんっ。そんなことしないし」
「えっ」
「そんかわり。ずっと、ギュッて抱きついてな」
「は、はぃ……。でも、そんなの、いつも──……」
いつも通りのサンドウィッチで、
マイスナは肩透かしを食らったようである。
ふふふ……。
あんたの思い描いてたような、
ドロ沼の戦争には、なんないかんね。
さぁ。
私とこの子しかできない、
特別なチカラを行使しよう────。
──さてさてさて。
私たちが寝る時は、
ほぼ、100パセルテルジ、髪の毛が繋がっている。
どうやら、
この世界の創世神と会いまくった影響で、
私たちの髪は、特殊な流路の束になってしまったらしい。
クラウンと先輩いわく。
この髪は上手く使えば鋼鉄のワイヤーのようになり。
敵の攻撃や斬撃を跳ね返すほどの硬度がでるらしい。
髪は乙女の武器とは、よく言ったもので……。
しかも、ご存知の通り。
信号伝達の通り道としても使えるこの髪は、
歯車と鎖で作ったデバイスに接続すると、
制御率が上がる事が確認されている。
(いち乙女としては、複雑、極まりないが)
そして。
マイスナを助けるために。
私は全ての流路を、この子と共有した。
ステータスは恐らく、全てが同一で。
私とマイスナの髪質は、全く同じ構造である。
私たちの流路束は、
髪だけが変異してるのではない。
身体の中まで、ビッシリと張り巡らされている。
血管や神経のようなモンよね──たぶん。
そしてそれは、お互いの気持ちを、
信号として、心に直接、
届ける事もできるから────。
────つまり、私たちは。
チューしながら、
おしゃべりできるワケである。
(…………)
(……ぁ、アンティ。ぉ……おしおきは……?)
──準備は、ととのった・・・!
今日、容赦する気は微塵もない。
調子にのってた狂銀ちゃんを、
くってくてに、ヤッてしまうとしましょう・・・!
私は作戦を敢行した。
名付けて、
────"愛のささやき・フルボッコ大作戦"である。
(ふだんは……恥ずかしくて言わないけどね──)
(!)
覚悟しろ。
(──こうやってアンタと抱き合ってんの大好きなのよめっちゃいい香りすんわね大好きよもう一人になる夜なんてこないしずっと一緒だから毎日抱きしめまくるし私の体温でずっと温めまくってやるから朝起きても夜寝てもお昼ご飯食べててもそばに居るしキスしてる時あんたの綺麗な瞳覗き込むのホントにメッチャ好きだし可愛いし天使みたいだって思ってるし正直あんたの髪とわたしの髪繋がってるの嬉しいし興奮するしずっとこうしてたいし幸せそうな顔至近距離で見るの幸せだしわたしもほわぁってするしおんなじ大きさなの実はすごい運命だって思ってるし毎日あったかい気持ちなるし夏も冬もこうしてたいし夢で会っても嬉しくなるし死ぬ時はゼッタイ一緒にいるし棺桶とかひとつだけでいいし天国いっても必ず見つけ出すし最高のパートナーだと思ってるし世界一の嫁さん確定だしつーかあんたの嫁も私だけだし女とか男じゃなくてアンタのコトが好きだし来世でもアンタを好きになるしほらもっとチカラ入れろよ私抱きしめ放題なのマイスナだけだぞもっとグリグリしてこいよ幸せしか感じないし私の人生ぜんぶあげる代わりにあんたの人生ぜんぶ貰うし愛してるし一生バディだし常にわたしとアンタはセットだしマジ好きだしすっごく好きだしホント愛おしいしこのまま一体化してもいいし天国でも地獄でもどこまでも一緒に行ってやるしマイスナがそば居てくれたらすごい頑張れるし何でもできるしアンタが大事だし私のイチバンだし私の生きてる理由だし私の夢はアンタとの夢だし半身みたいなモンだしアンタなしの人生は有り得ないし常ん横に居てほしいって心から思ってるしこれからアンタは絶対わたしが守るし背中任せんのアンタだけだし今は正面任せてるけどなっつーかこの位置ゆずる気ないしアンタ味わって良いの私だけだしアンタが私の宝物だしマジ神ってるって思ってるしホント好きすぎてたまに泣きそうになるし全然余裕で最愛の大切な人だし私とアンタ二人でワンセットなんだしお互いちんまいから今みたいに抱き合って首ん後ろで手が繋げるのとか凄い幸せすぎて離したくないしお前ホント私のそばからひと時も離れんなよずっとずっと隣に居てやっかんな────)
(……、……っ、……──)
とりま、容赦しなかった。
はぃ?
もち、朝までですよ。
睡眠? 知らんわ。
そんな寝なくてもね?
髪さえ繋がってりゃ。
なんか私たち、回復するし。
日が登った頃、マイスナは静かに泣いていた。
────ゅぽん!
「あっ、ぁ、アンテぃい……っ! ごめんなひゃいぃいい……! こっ、こんなのォ、まいにひされたら……し、しあわへふぎて泣いひゃうので、か、かんべんひてくだひぁぃいい……!」
「えぇーっ♪ どーぅしょっかなぁぁ──♪」
狂銀を猛省させることに成功した。
どやぁー!
アンちゃんは容赦ないなぁ……(⑉´ᯅ`⑉)
※みなさんいつも誤字報告、誠に有り難き幸せ。
<(_ _*)>.*・゜










