表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
752/1216

オーバースペック

ちょっと息抜きです。(๑´ω`๑)‬





「にょきっと、にょきっと、にょきっと……」


「……」




 私の名前は、モナリー・フルート。


 聖女リビエステラ様の身の回りの、

 お世話をさせていただいております。


 今は、洗濯物を取り込んでいたのですが……。

 



「──にょ!」


「……ありがとう」




 知らない間に、

 うさぎさんが洗濯物を畳むのを、

 手伝ってくれていました。



 ぴっしー。



 すごい……ぜんぜん倒れない……。

 白いタワーみたいになってる……。




「タオル、畳むのお上手ですね……」


「にょんやぁ☆」




 これ、私より綺麗なんじゃ……。




「にょきっと、にょきっと、にょきっと──」


「あ、ブラウスはハンガーにかけるので、畳まなくて良いのですよ」


「にょんにょん?」




 やめてくれた……。

 まるで言葉が通じているようです。




「あの……あなたのご主人様たちのそばにいなくて、よろしいのですか……?」




 なんて、語りかけてみたり。




「にょんやぁ……。にょっきにょき、にょきにょきにょきにょき、にょきっとなぁ……。にょ! にょん! や! ……にょーんにょん、にょーんにょんにょき、にょきっとにょんやぁ……」

(訳:だってさぁ……。あんな所で始まっちゃったら、直視するのも悪いでしょ……。うら! やま! し! ……ぼくも同じ種族のお嫁さん、生きてるウチに見つけられるかなぁ……)


「は、はぁ……」


「にょーん……」




 (おっしゃ)ってる内容は、まるでわかりませんが、

 何やら、哀愁ただよう表情をしておられますね……。


 あれっ……? そういえば、

 私も何か、大事なことを忘れているような……?



 ──ズドドドドドドドドドド……!!




「……!? な、何でしょう、この音は……!?」


「にょきっと」





 部屋の外……、お庭の方から!?

 私は部屋の大きな窓を開けました。



 ガチャ! ゴ、クォォ────……!




「くゆ」


「……」




 わんちゃん、何をしていらっしゃるの……?




「──くゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ!!!」




 ズドドドドドドドドドド……!!!



 すごい勢いで、土を顔で突いていらっしゃる。




「な、何をしていらっしゃるのかしら……」


「にょきっとにょー」

(訳:種まきだねー)




 激しい連打ね……。

 ああいう遊びなのかしら……。




「う、うわぁー! このフサフサさん、何をしてるですのぉー!?」

「お庭を耕して、畑にしちゃう気ですのぉー!?」


「くゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆぅぅ──!!!」



 ──ズドドドドドドドドドドドドド──!!!



 ……庭を穴だらけにしているワンコちゃんは、

 ミルルとチルルに任せるとしましょう……。




 ギギキ………ガチャ……ン──。

 カチッ──。




「にょきっとにょんやぁー」


「……」



 ──しゅ────。



 うさぎさんが、

 ハンカチにアイロンをかけておられます。




「にょ!」


「……はい」




 お上手。




「にょ」




 このうさぎさん、

 あて布の概念を理解しておられる。




「にょ♪ にょ♪ にょ♪ にょっきにょき〜〜♪

 にょっきにょ、にょきっとなぁ〜〜♪」




 かわいいお歌ですね。




「にょや」


「ハンカチ、全部のばしていただいたんですか……。あ、ありがとうごさいます」


「にょきにょき♪」




 従獣には、家事のできるウサちゃんが、

 いらっしゃるのですね……。

 世界は広いわ……。


 そろそろご昼食の用意をしようかと、

 キッチンに参りました。


 この教会では、誠に僭越ながら、

 わたくしがリビエステラ様の食事を、

 担当させていただいております。




「あ、あれっ……火の魔石に垂らすオイルが、もしかして切れている……?」




 何たる失態。

 私の魔法系統は水ですし……。




「にょっき!」




 ──パチン!


 ──ボッ!




「……」




 うさぎさんが指パッチンをすると、

 赤いグローブの指先に、

 小さな火が出ました。




「にょやっ」




 ──ぼぼぼぼぉー。



 コンロに火を移してくれました。





「……ありがとう」


「にょきにょき♪」





 ……すごい指パッチンをお持ちですね。





「にょわー」


「……」




 ──ジュワァアァ──。




 炒め物をしてくれています。

 もう、何でもできますね。


 私はビン詰めのピクルスを、

 開けようとしておりました。




「ぐぐぐ……かたい」


「にょきっと」


「え? コレ? どうするの?」




 グッ──ガゴォ!




「にょい」


「……うん」




 ──ジュワァアァぁぁぁ──……!




「あ、ブラックペッパーかけますよ」


「にょ……──にょっぷしょ──い!!!」




 えらい。

 ちゃんと後ろを向きました。




「えと……こちらのお皿にお願いできます?」


「にょんにょん」




 ──かん、かんかん……!




「にょわー」




 ──ジャアアぁぁ──……。




 あ、洗い物もしてくださるのね……。


 ……ラビットのお手手って、

 こんなに器用なものなのかしら。



「モナリー! フサフサわんこちゃん、捕まえたですのー!」

「泥んこだったから、お水で洗ったですのぉー!!」

「かんくゆ」


「えっ、お客様の従獣を水洗いしたのですかっ……!? そ、そのような失礼を……ダメですよ、気をつけないと……」


「えー! モナリーだって、ウサちゃんに色々手伝ってもらってるですのぉー!」

「今も、お皿拭いてもらってるですのぉー!!」



 ──きゅっ、きゅっ。




「にょきっと」


「……」




 ほんとだ。






キッティとアンティに鍛えられし勇者。

₍₍ ( ‾᷄꒫‾᷅ ) ₎₎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[気になる点] 指かぁ ……指? [一言] そういえばうさぎってにんじん食べると色素が尿に移って真っ赤になるんだったなぁと余計なことを思い出した
[良い点] かーわーいーいー!うさ丸様ぁ! よし、にょきっと連盟に入ろう くゆくゆ連盟にも入ろう(*´∇`*) [気になる点] カンクルが種まきということは教会はすぐに精霊花の畑 聖女のいる教会は聖な…
[一言] これがレベル300越えのスペックか…。 アンティ家で発揮されないのは台所に入れないからだな。 モナリーさんの普通のメイドさん感すごい好き。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ