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反撃のカード、きみにきめた! さーしーえー

(๑´ω`๑)‬とりま連投。




 クラウンとローザは、


 とある重大な聖女の秘密を、


 閲覧することに成功していた。




 だが、そのあまりにもアレな内容に、


 太陽神と、月光神の対応には、差が発生する。


 それが、悲劇の始まりであった。




『────さっ:流石にこれは……。

 ────アンティに:そのまま伝える訳には……。』


〘------──え"っ☆

 ------私;もうマイスナに伝えちゃったのんよ!?☆〙


『────なっ……!?。』




 クラウンは控え、

 ローザは、やっちまったのである。



 この神格の差により、


 アンティには極秘情報が伝達されず、

 マイスナのみが聖女の弱点を知る、という、


 アンバランスな状況が仕上がった。



 マイスナは────ニコニコした。




 にっっっこにこぉぉ────♪






「──私たちのことを喋る前に、聖女さまに聞きたい事があります」

「! マイスナ……?」



 突然、攻め入ったマイスナに、

 アンティは心強い反面、

 「なにいきなり聞くんだこの子?」と困惑した。



「はい? 何でしょう」


「どうして、私たちと会ってくれたんですか?」



 ジャブですね。



「……。ギルドマスターがプレミオムズと会うことに、何の問題が?」


「普段は、誰ともお会いにならないんですよね?」

「ちょ、ちょと、マイスナ……?」



 にっこにこで、質問を投げかけるマイスナ。

 正直、ハテナマークのアンティ。



「何故ですか?」


「なぜって……き、気まぐれですわ、ほほほ……たまたま、あなた達に興味が湧いて──」


「なんで興味が湧いたんですか?」



 

 単調な質問を繰り返すマイスナに、

 アンティは、大丈夫かコイツ感を(あらわ)にするが──。



(あれっ……? なんか……けっこー動揺してる??)



 聖女リビエステラが、

 想像以上にヒヤヒヤした表情になっている事に、

 アンティも気づき始めていた。



「そ! それは……ほら、新しいプレミオムズさんですし……聖女でもある前に、ギルマスですから! ねぇ……♪」


「ふぅ────ん。にこにこ♪」



 妙に歯切れが悪い聖女。

 余裕すら感じさせるマイスナ。



(な、なにコレ……どうなってんの?)



 素直なアンティは、キョロキョロしている。

 あれっ? なんでマイスナが攻めていけんだ??

 ツインテールが、戸惑いに合わせて揺れる──!



「そこ」



 マイスナが、ビシッと銀色の爪で、

 指さした。



「可愛い花瓶ですね」


「──」



 アンティも、聖女の目線を追う。

 さっき、待っている時に見ていた花瓶だ。


 恐らく、青銅(ブロンズ)でできた人の像が、

 白い陶器の器を持ち上げている、

 神聖な意匠(デザイン)だ。



「──ふたりの女の子が、器を持ち上げてますね」


「──」




 マイスナが、にこにこ言った。


 聖女は……紅茶のカップに手を伸ばす──。




「そこの──」


「……!」



 ──ガチャ・・・!



 カップが、いやに大きな音をたてる──! 



「そこの天使様の絵──女の子同士で向かい合ってますね」


「……」


「きれいですねーっ。仲良さげで」




 ──カチカチカチ、カチカチカチ。




(ありゃっ……ギルマス聖女さんの手、ふ、震えてる……?)




 カップを持ち上げた聖女は、

 明らかに動揺している。




(えっ、ナニ、どーゆーこと……。誰か説明してーな……)


『────あ:あのですね:アンティ……。

 ────これはちょっと:

 ────デリケートな問題でして……。』


(──へっ?)




 何やら言い含むクラウンに、

 全開の純粋さを保つアンティ。


 さらに攻め入る、

 情報強者、マイスナ。




「あむ♪」

「あっ」



 アンティが話の流れで食べかけていたケーキを、

 紫のフォークごと、つまみ食いするマイスナ。



{{ ちょっとー。人前よー。元騎士としては関心しませんねー……って!? }}




 悪魔を介した、金銀・間接キスである。




「ちょ、ちょっとぉ、マイスナぁ」

「んぐんぐ♪」



 流石に不味い態度じゃね? と、

 聖女の様子をうかがうアンティ。



「〜〜……!///」



(あれっ……なんだ? その目は──)



 なんか……嬉しそうよね?

 き、気のせいか?

 アンティの直感は、当たっている。

 しゃべりかけてみた。



「あの……聖女様?」


「──へっ・・・? あ、いや、大丈夫ですよ、ほほほ! ど、どうぞケーキでも何でもお食べになって……♪」


「いや、お食べになってって、アンタ……」




 なんでそこで寛容になんのよ……。

 私ら、これ以上、情報ひきぬかれたく無いのよ……。

 と、思うアンティ。


 が、マイスナには絶好の攻めの機会となる。



「じゃあ、聖女様──そこの食器棚のお皿、貸していただけますか?」


「──!」




 アンティも目線を追うと、

 アンティークな大きめの食器棚に、

 たくさんの可愛らしい食器が飾られている。


 この食器棚だけで、カフェができるわね、と、

 アンティは思う──。



「──って、そうじゃなくて! マイスナ、流石に失礼だってばぁ……!」

「だいじょぶだいじょぶ♪」


「そ……そうですわね! 使っていただいても、結構よ……!」


「勝手に取っていいですか?」

「ちょ、あんた……!」


「──い! いえ! わたくしが取って差し上げますわ……! 自慢のコレクションをチョイスしたいですし……!」



(えっ……聖女様、自ら食器の用意してくれんの……?)



 ここでも、何やら違和感を感じるアンティである。

 普通は、メイドさんの仕事だよね……?

 アンタ、私より背ぇ低いだろ……。

 でも、自分で追い出しちゃったからかな?

 呼び戻したりしないのかな……?


 と、ピュア思考全開のアンティである。


 しかし、それとはまた違った意味で。


 マイスナも、純粋な気持ちで攻めまくる──……!




「その、素敵な食器棚ですけど──」


「あ、ありがとう」 


「なんだか、奥行きがおかしいですよね?」




 ────ガチャあ・・・!!




 お皿を取ろうとしていた聖女が、

 ものっそい陶器音を出した。



(おいおい、お皿割れっぞ……)



 皿の心配をするアンちゃんである。

 マイちゃんは、確実に真綿で首を締めにいく。



「横から見た時の食器棚の奥行きと──正面から見た棚の奥行きが、違いますよねっ。おかしいなー。まるで、中に空間があるみたい」



 ──ガタガタガチャガチャガチャ・・。



 聖女の皿を持つ手は、なんか、

 バイブレーションが発生している。



(キズいくって……)



 さらに皿の心配をする、アンちゃんである。


 が、しかし、マイスナの言ったことについて、

 確かに……と納得もするアンティであった。


(分厚い食器棚なのに、食器を入れるスペースが狭いわね……? 奥にまだ入りそうなモンだけど……?)



「にこにこ♪ にこにこ♪」


「ま…………………………まっ、まさ、まさか…………」




 聖女様から、血の気が引きまくっている。

 そしてピュアなアンちゃんは、

 とても良いタイミングで、

 食器棚をスキャニングするのだ。


 アンティの操作する不可視のアナライズカードが、

 食器棚を透過し、構造を3Dホログラムとして、

 視覚に投影する。


 ポツリと、呟くアンちゃん。



「……! "本棚"……?」


「 な っ ・ ・ ・ ! ? 」




 時が止まったように、硬直する聖女。




「アンティ、ないすパンチ」

「──? ぇ、何が……?」



 サムズアップするマイスナの、

 意味がわからんアンちゃんである。

 食器棚の裏に隠された、ヒミツの本棚とは……?


 笑顔の狂銀は、攻め手を途切れさせない……!

 



「聖女様ぁー? 相手のヒミツに踏み込む人は、自分のヒミツに踏み込まれても、文句は言えないよねー♪」



 にっこにこぉぉ──♪



「なっ、ななな、なん、なん、でぇっ、ま、まさかそんな、有り得ない有り得ない何故っ……!? えっ、ウソ、ウソでしょ……ッッ──」


「……なんでこの子、こんなキョドってんの?」



 もう声に出しちゃう、アンちゃんである。



『────え──っとですね……。

 ────その:本の内容に問題があるというか……。』


(も──っ! さっきから何なのよ、煮え切らないわねぇ──! さっさと教えなさいよぉ──! なぁに調べたのよぉおおお!)



〘------もう;教えちゃったらいいのん……☆〙

『────さ:流石に相手が……可哀想というか……。』


(こらぁ──! はよせんかぁ──!)



 仲良し神様に、ちょっとプンプンなアンちゃんである。


 一方、にこにこを維持したマイスナが、

 聖女には、悪魔に見えていた──。



「確かにー、私たち、たくさん隠し事があるけどー、そうだなー、どうせバレちゃうなら、聖女様の"とっておき"も、バラしちゃいましょうかー」


「  」


「そうですねー、まずは他のギルマスさんに教えてあげたら、みんな会ってくれるようになるかもしれないなー。その後は受付嬢さんに教えてあげたいですしー」



 マイちゃん、けっこう鬼畜である。



「ちょっとマイスナ……教えなさいよ。あの隠し本棚の中身、そんなにヤバいの?」

「えー? うふふー♪」

「なんだコラもったいぶんなコノ」



 なんかイチャコラ始めるアンマイ。

 気が気でないリビエステラ。



「あ……………ぁの、な、なんで…………、……………?」



「マイスナ? あの子……なんか魂、抜けてない?」

「えー? うふふー♪」

「……アンタ、悪い顔になってるわよ」



 アンティが聖女を見ると、

 ガチガチ鳴る食器を両手で抱えたまま、

 内股ポーズで固定され……いや、

 震えまくっている。



〘------クラウン……アンティに教えることで;

 ------聖女サマのフォローに回ってもらうのん……☆〙

『────な:なるほど……!。』


(何が、なるほどやねんな……)



 つーか聖女様へフォローって何──!?

 と、戸惑うアンちゃんである。



(ちょっとー、埒あかないから、先輩やら先生やら説明してよぉー。さっきからダンマリじゃないのよー)



『>>>ひ、非常に、ぼくらが語りにくい内容なんだよ……』

〘#…………ぅ、うむ…………〙


(てことは、やっぱり知ってんじゃないの。何なのよー、スネるぞゴるぁー……)



 聖女を改めて見ると、

 先程までの余裕ヅラは、

 宇宙の果てまで吹っ飛んでいる。


 蛇に睨まれたマウスのように、

 震えたままフリーズするという、

 器用な状態となっている。



『>>>クラウンちゃん……はやく後輩ちゃんにも教えて、事態の収拾に回った方がいいよ……』

『────そ:そうですね……。』


(なんやぃ、はよ教えんかい)


『────アンティ:実はですね……。

 ────聖女リビエステラには:

 ────とある性癖が──。』




 クラウンが、アンティに説明しようとした、


 ────────その時である。





 バターン!!



「「──!?」」




 部屋の隅にある、小さな従獣用の扉が開いた!


 飛び出てきたのは────!!





挿絵(By みてみん)


「フナナナナナナナ──!!」

「にょ、にょきっとなぁああああああああ!?!?!?」




 玉乗りをする、タチネコである──!!!




 リビエステラは、

 チイタハの希少種の子供を飼っている!

 彼女が幼い頃、二本足で立って近づいてくる、

 ネコみたいなやつがいた!


 そいつは、ちっこいリビっちに近づき、

 「よぅ」といった感じで手をあげ、

 挨拶したのである!


 「ははは、なんだコイツ、可愛いわね」


 それから数年を共に暮らし!

 チルテトと名付けられたそのチイタハは、

 何故か、身体が大きくなっていない!


 その、聖女と苦楽を共にしたチルテトが、

 白い球体の誘惑に負け、

 彼女を窮地へと追い込むのだ──!!!



「フナナナナナナナ──!!」

「に"ょん"やわぁぁああああああ──!!??!!??」



 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ──!!




 流石に、

 この乱入には、

 アンマイも驚いた!!




「おおーっ」

「う、うさ丸……!? なんだ、この玉乗りネコは……っ!?」


「──」



 あまりの唐突な出来事に、

 聖女はおろか、アンマイも反応できない!


 高速で転がるうさ丸は、

 ものっそい勢いで、


 食器棚に、激突した──・・・!!





 ズゴ、ばきゃああああああああああぁぁぁ────!!!!!


 ──ひょい。



 


「フナっ」


「に"ょきっとなぁあああああああああああああぁぁぁ!!」




 うさ丸から飛び降り、回避するチルテト!


 ストライクをキメる、白球の勇者うさ丸!


 星より丈夫な、うさ丸の一撃は、


 食器棚をブッ倒すには、十分な威力である!


 アンティは、即座に動いた!




(ばっ、バカやろぉお────っ・・・!)




 ギギ・ギィ・・・!!




 倒れつつある食器棚に、


 押し潰されそうになる、小さな聖女・・・!


 アンティ・クルルは"反射速度(クロックダウン)"を発動し、 


 高速稼動で、倒れる食器棚を支えに入る──!





 ────きぃぃいいいんんん・・・!!


 ────ガっ、しぃ・・・!!





「──ぶなっ、いわねぇ──っっ……!!」

「──」




 傾いたまま、すんでの所で支えられる、

 (みやび)な食器棚・・・!!


 しかし、その角度に耐えられず、

 滑り落ちまくる食器の数々──!!




 ズラァァァしゃぁぁあああ・・・!!




(──!! や、ヤバいっ……!)



 きゅぅぅううううんんん──・・・!!


 ──すぽっ! すぽすぽぽっ……!



 空飛ぶ黄金の歯車は、複数召喚され──!

 落ち行く食器たちを、片っ端から格納していく!


 また、未知のチカラを聖女の前で、

 使ってしまったアンティ!


 しかし! 食堂娘として、

 割れ行く豪華な食器たちを見捨てるなど、

 そんな事は許さないアンちゃんである!


 アンティ・クルルの、

 目にも止まらぬ早業のかいがあり!

 ひとつも割れることはなかった、

 聖女のピカピカ食器群である──!




「ふぅ……。アンタ、大丈夫……?」

「──」




 食器棚を、ゆっくりと持ち上げつつ、

 聖女を労るアンティ──!


 しかし!

 そこに油断があった!





 ────パカかかかっ!





「──えっ!」

「──」





 食器棚の隠し扉が、全て(ひら)き──!


 中の本が、全て雪崩(なだれ)たのである──!!


 その本の総数、実に──300冊以上……!




 ドドドドドドドドドドドド──!!!!!




「どわぁああ──っ!?」

「──」




 アンティは、何とかリビエステラを庇いながら、

 本の濁流にのまれた!


 そして、数秒後の、

 リリウムの間の床には────・・・!




 どしゃあ……!




「こ、こんなに本が隠してあったのね……」




 大量の本が、ぶちまけられていた!




「こんなに本が入ってんなら、ちゃんと壁にネジで打っといた方がいいわよ。私の部屋も、そうしてるし……」

「……」



 なんだかんだで、リビエステラを心配する、

 義賊のカガミである!

 しかし、聖女は無言!

 アンティは、不思議がった!



「  」


「……?」

「アンティ、アンティ」

「ん? なんや?」



 声をかけるマイスナの手には、

 1冊の本が握られている!


 アンちゃんは、タイトルを読み上げた……!



「……"おにゃのこ同士のそいとげかた(ハート)" ……volume.32……? …………なんそれ」

「読みます」




 やめときゃいいのに、

 マイスナは、本を開き、音読した・・・!



 ぺらっ……!




「カレンは私のこと親友だと言ってくれるけど、その度に私は嬉しいと同じくらい、苦しくなる……! 私の中のイケナイ気持ちが、彼女の笑顔を見る度に育っていくのを、私はとめることができなかった──」



「……」

『────……。』

『>>>……』


〘------のんなぁ……☆〙

〘#……こ、コホン……。私は道場に篭っていていいかね?〙


{{ あぁ……(察し) }}

【 俗っぽいジャリガキやのぉー 】

< ほほほほほほ……♪ この書本、後で写しでも読ましてほしいどすなぁ♪ >


「フナウ〜〜」

「にょきっと……」

「くゆくゆ」






 ド さ ァ ァ ・・・。



 聖女は、床に手をついた。




「死にゅしか、にゃい……」




 聖女は、死を覚悟した。







(^_^;)oh...

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『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
ぐぅっ!昔のトラウマがあああっ!?_:(´ཀ`」 ∠):_
[良い点] 事実を知ったマイスナの攻めと そうと知らずに追い詰めていくアンティ そしてトドメを刺すアニマルズの悲喜劇、お見事(白目) 星より丈夫とか、しれっとまたトンデモナイ事実書いてるうぅぅぅぅ!…
[一言] ……………、カオスっす。
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