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誤字修正プログラム さーしーえー






{{ ──ピエロちゃん、紫電ちゃん!? 私がわかる!? 返事して!! }}


【 おぃ……どうなっとる!? (あん)(まい)は無事なんかぇ!? 】


{{ わ、わかりませんわ……! おかしい……心が、ここに無い……! }}


< (かんむり)ちゃんと仮面の坊やも、えらぃ静かなってもたなぁ……? >


【 あかん……せんせぇと汁っ()も、まるで喋りよらへん!! 】


{{ どうなってるの……なぜ急に喋らなくなったの! うあぁ、ねぇ……返事して! }}






  ──── アンティ!


      ────マイスナ!






挿絵(By みてみん)








 ふと。


 目が、さめた。


 あれ……、ここはどこだっけ。


 私は仮面をしています。


 なんだコレ、邪魔だわ。


 外して、周りを見る。


 ふよふよと、裸で宙に浮いている。


 ホントに、ドコ……?


 大きな天の壁と、地の壁の狭間。


 どこまでも続く断裂に、


 たくさんの柱が渡っている。


 まるで、世界が包丁で切られたみたいな。




(( あれ……わたしは、だれだっけ……? ))




 自分の名前が、思い出せない……。


 なんで、こんなトンデモ空間に、


 ハダァカで浮いているのだろう。


 痴女じゃない。


 仮面やだなぁ。




(( ……ひろいな ))



挿絵(By みてみん)


 大きな断裂の狭間の、遥か先は、


 白んだ光に沈んで見えない。


 間を橋のように繋ぐ柱は、

 

 よく見ると、複雑な作りをしてる。


 フワフワしていた。


 心と、身体が。

 

 私は、なんなの。


 ひとりだけ。




(( ひとりじゃ……、

   なかったと思うんだけどな──…… ))




 金と銀が織り交ざった仮面。


 内側を眺めると、反射で頭上が映る。


 ふたつの宝石を持つ、何かが浮いている。


 炎のような形の金属に、絡め取られている。


 ……。


 ハダァカに、謎の髪飾りと仮面。


 …………なぜに?



(( へんたい、はんたい…… ))



 まいっていると、世界が輝く。



(( まぶし──── ))



 ────PON。





 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


        ようこそ


      ″ AntimeissnA ″


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□





 『″単独時限通信階層(アンティマ=イスナ) ″……?』

       (  An time)    (is snA  )



 これ……、私の名前……?


 よく、わからない。


 突然に表示された、透明の窓。


 字が変わった。




 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   確認中・・・|

   使用できるチケットは 一点 です|


     リバースチケット × 1


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□




  (( ……? ))




 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


    リバースチケット × 1 が


    自動使用されました


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□




(( えっ、わ、私の意思は…… ))




 勝手に使うなや。


 変な小さなハコが、いっぱい表示される。






   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒






 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


    リバースチケット は

    ランダム選出です


    修正の必要が無い場合は

    棄却されます。


    選択数 / 残り:1


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□





(( ……! この中から、選ぶ……? ))



 ……。


 指でテキトーに、突く。




 ────Pi。



   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ☑ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒

   ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒ ❒





 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   ″ TIME ① ″ が選出されました


    修正可能です


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□




(( ″ 時間(じかん) ″……? ))




 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   ″ ジカ ″ ″ フヌ ″ ″ ビョウ ″


   該当の概念単位を 崩壊させます


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□




(( ──……? ))




 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   ″ ── ″ ″ ── ″ ″ ── ″


   一時崩壊しました


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□



(( ……。えっと……? ))






         ──






「おい、キッティ。憲兵の新人どもは、まだこんのか?」

「あ、もうすくのはずですよ? 事前にいただいた書類に、ちゃんと記載が……、……?」

「どうしたキッティ、はやく教えんか」

「え…………、あれ…………? 読め、ない……??」

「……結局、どれくらいでくるのだ?」

「えと……だから……20ふ……、ふ……?」

「……キッティ?」

「…………。どうしたんだろ、私。あれれぇー……?」

「……にょっき?」

「くゆぅー?」



「あれ……今ってホラ……、何だっけ?」

「あん? 何言ってんだ?」

「いや、だから″時間″だよ。ほら……その」

「そこにすぐ、″じかん箱″があるじゃねぇか」

「そ、それはわかってんのさ! 見えてるよ……!」

「じゃ、何なんだって?」

「いやさ……お前、それ分かるか?」

「はぁ? 分かるかって、″時間″だろ? だからソコを見れば……つまり……、…………あれっ?」

「……な? 分かってくれたかい」



「ええと……もう少ししてから、待ち合わせよう」

「もう少しって、どのくらい?」

「ええと……だから」

「??」

「も、もう少しだよ、ホラ……」

「??? だから、どれくらいなの?」







         ──







 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   新しい表現言語を設定して下さい


    ″ ── ″ ″ ── ″ ″ ── ″


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□




(( え、なん…… ))




 ここには、


 さっきまで、


 馴染みのある言葉が────。


 されてた、はず。


 じかんの……あれ?




(( わか、らない……? ))




 そんなはずない。


 確かに今、さっきまで。


 時の……、″ 時間の単位 ″ が──。




(( ──! ))




 頭の上の、炎のような装飾の宝石が、


 ふたつ、淡く光る。




(( そうだ……! 覚えてる。思いだして…… ))




 金と銀が混ざったような私の髪が、


 目の前の透明の窓に、接続される。


 やれる。


 私は、入力できる──。




 ──カタ、カタカタ──……。






 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   ″ ジカ ″ ″ フヌ ″ ″ ビョウ ″



  ──ERROR|


  この表記は 以前に使用されています|


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□






『 ──えっ!? 』



 だ、だって……これのはず!


 私たちが今まで使ってたのは、この……!!





 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   新しい表現言語を設定して下さい


    ″ ── ″ ″ ── ″ ″ ── ″


   セキュリティの都合上

   あと60でシャットダウンします|


      ── 59 ──


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


 


(( ──っ!! ))




 まずい。


 何かが、マズい。


 はやく、決めないと。


 このままだと、たいへんな事になる。




(( わからない……! どうすれば……!? ))




 あせりと、とまどい。


 かるい、パニック。


 静かに、カウントは減る──。




(( ……! あつい……?  ))




 ────仮面が震えていた。




(( 私の髪と、同じ色…… ))




 金と、銀の織り交ざった。


 手に取り、被ってみる。


 変態ではない。


 私たちは、知っている。


 被った瞬間に、


 ある、夏の教室を思い出した。


 茶色がかった髪が綺麗な、


 あの子のことを────。





挿絵(By みてみん)






       寺 

   日



         八



           刀



                 禾 


              少



 




(( ……時の、単位……。

   わた、……、

   私たちの方では、

   まだ、使われて、いない──…… ))




 取り憑かれたように、入力を。







 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   ″ () ″  ″ (ふん) ″  ″ (びょう)


   ──使用可能です。

   これでよろしいですか?|


   ▼はい  いいえ


       ── 17 ──


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□




(( ……、…… ))



 いいかどうかなんて、わからない。


 でも、これでオッケーだよね……?







挿絵(By みてみん)


 (( ね── かおこ ────……。))







 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


   修正を 完了しました|


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□







         ─







「にょきっと?」

「えっ〜〜と、あれぇ〜〜? ──あっ!!」

「どうしたキッティ、わかったか?」

「──20()分後(・・)!! 20分後です! ほら、ここに時間、書いてますから!!」

「なんだ……目立つ所に書いてあるではないか。やれやれ、30分ほどあれば飯を食いたかったのだが……」

「あ、これ食べます?」

「……。キッティよ……。普段のサボり用に買い溜めている食い物をギルマスに与えるな……。なんだそのカゴは、いつもカウンタの下に忍ばせているのか……?」

「ハニーバターパンの新作ですよ〜〜♪」

「お、おぅ……。で、では……。む! 美味いな……!」

「紅茶の葉が入ってるんですぅ」

「よォし、没収ー」

「ぬぉあああっ、きゃああああああーっ!!!」

「くゆーっ♪」






         ─





(( これで、よかったかな……? ))



 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


  ⚙ 試運転中・・・/

  ⚙ 試運転中・・・/

  ⚙ サイクル 問題ありません

  ⚙ 世界概念が書き換えられました

  ⚙ 標準時間軸に設定されました

  ⚙ 一部の機能が活動を再開しました

  ⚙ 正常時間言語の可能性があります

  ⚙ 単位言語喪失によって停止していた

    システムが稼働しました

  ⚙ 一部の物質の劣化速度が加速しました

  ⚙ 一部のモンスターの寿命が調整されました

  ⚙ 324の小ダンジョンのリポップシステムが

    正常化しました

  ⚙ ボスモンスターのリポップシステムが

    再調整されました


  ⚙ タイムシステムに

    アクセスが可能になりました


  ⚙ ドライバーが更新されました


  ⚙ 作業を終了しています・・・/

  ⚙ 作業を終了しています・・・/



   これからも

   はぐるまどらいぶ。を

   お楽しみくださいませ



 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□







 ────ログアウト / しますか?





 








『 がるるるるるぅぅううー!!! 』


「──んぉっ!?」

「──わぁっ!?」


『 がるっ!? がるるるるぅううー!!! 』


 ん、ぅん……?

 ガルンが……足元で可愛く吠えている。

 あれっ、私ら何を……。

 目の前にいるマイスナの仮面が取れていた。



「アンティ、首に仮面さん付いてるね」

「あ、私もか……。いつ仮面を取ったの?」


{{ !! 起きたのねっ!? }}


 イニィさんの声……慌てている。

 周りを見渡すと、

 さっきまで居たパソコンの部屋にいるみたいだった。

 床には、光が漏れる裂け目が残っている。


「さっき……この部屋の地下に降りてったよね?」

「私たち、戻ってきてる……」


{{ もうっ!! 貴女達全員が意識を失ったから、ガルンと一緒に引っ張りあげたのよ!!  }}

『 がるるぅーん!! 』


 んえ……?

 ″全員″って??


『────記録時間に齟齬(そご)を確認。

 ────空白の時間が存在します。』

『>>>い……、今! ぼくらって何してた!?』


〘#……む。ここ数分の記憶が……曖昧だな……〙

〘------のん……☪︎〙


 ……。


「──ええっ!? じゃあ、6人で同時に気絶してたの!?」

「ぱちくり」


{{ そうよぉ……すっごく心配したのよ? なんだか得体の知れない空間だったし……うえぇ…… }}


 い、イニィさん、泣いてんの……!?


『 がるるぅー…… 』

「よしよし」


 マイスナが、

 擦り寄ってきた、ぷにガルンを抱っこし、

 胸元に抱えて愛でる。


「……ほんとに、失神してたの?」

{{ 心の色が見えなくなったから、焦ったわ……心臓に悪いわよ…… }}


 そっ、それって私らの心臓が、

 止まってたワケではないのよね……ぶるるっ。

 けっきょく、この下の空間はなんなんだろ。


〘------あなたたち;すごいのん……☪︎〙


「? ローザ?」


 酒飲みっ()が、なんか言いだしたぞ?


〘------あなたたちがした事は;

 ------わたし達が;ずっと出来なかった事のん ☪︎

 ------さいしょは;みんなで違うやり方を選んで;

 ------でも;さいごは互いに助け合う形になったのん ☪︎

 ------それが;とても誇らしいのん…… ☪︎

 ------全ては;繋がっているんだのんな…… ☪︎ 〙


『 がるるん? 』

「ローザ、どうしたの……?」

「……! ねぇ、あなた……今──」



 自分の事を、″わたし″って──……?


 この時のローザは何か変で。

 や。しゃべり方は……まぁ、

 やっぱり、のんのんしてて。

 でも、なんだか……。

 キモチがこもっていて。



『>>>……ローザ?』

〘#……どうしたと言うのだ、君は──〙


〘------クラウン;後で記録デバイスを渡すのん ☪︎

 ------わたしは;記憶に関しては失いにくいのん ☪︎

 ------取り戻したら;二度と失わないように;

 ------この流路体は;設計してあるのん ☪︎

 ------初めっから;

 ------″再取得″を想定してたからのんな── ☪︎ 〙


『────。

 ────:……!!!。

 ────あ……。

 ────あな:たも、なのです、か……:──。』




 クラウンが、何かに気づいて。


 わたし達が、ガルンを撫でて。



 ────そんな時に、鳴る。




 ──PON。




「「 ……! 」」



 そばのパソコンから、音が出た。



『>>…………』

「……クラウン、分析して……」

『────え:あ、あの……。』

「はやく」

『────れ:

 ────レディ(準備完了)。』



 ──シュル──。



 繋がっていた、

 私とマイスナの髪が解ける。



( ……? )




 ──少しだけ、私の髪に、

 銀が混ざっている気がした──。



 パソコンに接続され、

 さっきの個人フォルダのページが映る。


 クラウンが、驚く事を言う。




『────メールが:届きました……。』

「「 !! 」」

『>>>なんだって……!?』

〘#……い、今、か……?〙

〘------;…………のん☪︎〙


『────差出人は:″ ジュンヤ:オウノ ″です……。』



 …………。



「ひらいて」

『────ウィルスチェック等が:必要な可能性が──。』

「あけなさい、はやく……っ」

『────:……。

 ────レディ(準備完了)。』



 ──カチッ。











 差出人:ジュンヤ・オウノ

 件名:ESCAPEEEEE!!!

 ────────────────────

  いますぐ そこから逃げろ!!!












「──……、これなん──  」






 ──ガシャあああああああああぁぁぁあんんん!!!






 しゃべりだすのと、


 アッパーの左腕だけ(・・・・)が壁を突き破ってくるのは、


 同時だった。








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