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⚙⚙⚙ 誕プレクエスト ⚙⚙⚙

二周年、だと……!?((((;゜Д゜))))




 アンティと私は、塔の家に帰ってきました。


 すぐに、しまっていた家具を取り出し、


 いつもの部屋に戻します。


 私が初めてここで目覚めた時、


 天国だと思ったのは、おかしな思い出です。


 だって、40メルも高さがあるなんて、


 世間知らずの私には、想像がつかなかったもの。


 そこに、金の髪を持つ裸の天使さまがいたのなら。


 私なんて、イチコロです。



「────……」



 アンティは仮面だけ外して、


 ベッドに仰向けになって、ボーっとしていました。


 金色のグローブには、王さまからの手紙を掴んだままです。


 私はベッドにヨジヨジし、


 寝転んでいるアンティに話しかけます。



「……いーい?」

「……ん」



 アンティは、静かに手紙を見せてくれました。




 ──ペらっ……




□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

□□                  □□

□ □                □ □

□                    □

□     アンティ・クルル殿      □

□                    □

□                    □

□  オルシャンティア様のお誕生日会に  □

□                    □

□     御招待申し上げます。     □

□                    □

□   ぜひ、愛しの君とのご参加を、   □

□                    □

□    お待ち申し上げております。   □

□                    □

□         ♛︎          □

□                    □

□   冠無き王より、親愛を込めて。   □

□                    □

□ □                □ □

□□                  □□

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□





「……冠無き王、ってなんだろーね?」

「はっは……わかんない」




 招待状を受け取った時、


 アンティは、とっても冷静でした。


 ヒゲイドさんとキッティは、


 最初、すごくソワソワしていましたが、


 静かなアンティを見て、


 目を、ぱちくりしていました。


 読み終えた彼女は、


 ソファに姿勢よく座るヒゲイドさんに、


 ひとつひとつ、聞き出しました。




「……オルシャンティア様って、どんな人?」


「──! ……どんな、と言うと……まだ幼くはある……。今月末に御歳(おんとし)10歳になられる方だ……」


「悪い噂とか聞きます……? えと……この方関連で」


「いや……現王妃と、娘のオルシャンティア王女は獣人の血脈ゆえに婚姻当初は少し騒ぎになった。が、現王と共に……悪い噂は聞かん。俺も優れた統治力と、政策の所々に人間味が垣間見える良い王代だと思う。王族に非人道的な印象は持っていないな……」


「そっか……そなんだ。あの、ここに書かれてる"愛しの君とのご参加を"って、どういう意味でしょ……?」


「それは……そのような主賓(しゅひん)が貴族のパーティでは、伴侶(はんりょ)や連れ合いとだな……まぁ要するに、見せかけだけでも想い人と一緒に出席しろという事だ」


「あ、そゆ事か……なるほど……」


「……アンティ。わかっているのか? お前は王女の誕生日パーティに招待されたんだぞ?」


「……はい」



 ヒゲイドさんの後ろに居たキッティと目が合って、


 でも、私は反応しなかった。


 どんな時だって、私のやる事は決まっている。


 いつも、隣に寄り添えばいい。


 アンティは、言った。



「……マイスナ?」


「いつもそばにいる」



 私は答えた。



「ぅん……出ようと、思います」


「……」



 ヒゲイドさんは、


 アンティの覚悟を感じ取ったようだった。



「え……え!? でっ出るんですか……!? おっ、王族主催のパーティですよ!? 貴族の方とか、いっぱい来ますよ!?」



 慌てるキッティを、ヒゲイドさんが手を上げて制す。



「……キッティ。これ、どうやって断っても、悪い印象を与えちゃうわ。ヒゲイドさんにも泥を塗るし……」


「そんな事は気にしなくても良い。が……何か思う所があるようだな」


「……個人的なこだわりです。"第一印象"ってのは大事だわ。王女様のパーティに"ちょっと行けません"ってのは、アカンと思うんですよ……ホラ、私って庶民脳ですし……」


「……」


「でも……なんで、招待されたんだろぅ……。新参のプレミオムズだからかな……。それとも王都で、人目を気にせず火事現場に突っ込んだからかな……」



 アンティは、私と会う前にも、


 たくさんの人を助けてたんだね。



「"第一印象"と言ったな……お前がブレイクの爺さんに届けた手紙の主……ソイツが王に近しい貴族だった可能性がある」


「!」


「お前の第一印象は、心をくすぐるのだ」


「そんなこと初めて言われました」


「初めて言った。行くならマイスナとか?」



 チラリとアンティが私を見たので、


 私は深く頷く。



「できれば……はい。あっ、女の子同士ってマズいですかね……」


「……ふん。そうでなくても、お前らは格好が格好(義賊と狂銀)だからな。パーティ会場では注目の的だろうよ」


「ははは……それ全然フォローになってないです」


「え、え!? ギルマス、いいんですかっ!? お二人共、絶対大人気ですよお!?」


「仕方なかろうっ! ……コイツはわかっているのだ。出席しても、しなくても、違う意味でどっちも目立ってしまうとな……!」



 私は、よくわかった気がした。


 好奇の眼差しか、無礼千万か。


 アンティがどちらを選ぶかなんて、分かりきっている。



「やれやれ……話は終わりだ。アンティ、もう一度よく考えろ。もし逃げ出すなら、逃走資金ぐらいくれてやる」


「いや、だから……それは……」


「──ぇえい! あまり人の迷惑ばかり考えるな! 親心というやつだっ!!」



 執務室から出ていくヒゲイドさんを見て、


 こんな人がお父さんならいいなぁ、と私は思った。




 ──部屋に戻って、アンティは考えている。




「……──」

「なぁに?」



 アンティが、ベッドで招待状を見る私を、

 寝転びながら見た。

 手を握られる。



「……その、あなたを王族のパーティに連れていくのって、ヤバいかな……」

「私が指名手配犯だから?」

「……」

「でも、さっきはヒゲイドさんに、"一緒に行く"って言ってくれたよね?」

「……隣にいるなら、アンタがいいわ」

「ふふふ、それが正解」



 アンティはきょとんとした後、苦笑いした。



「……いざとなったら逃げる。そんときゃ実家ともオサラバだけれど……」

「それは……」

「いい。そうしたいのよ」

「……」



 ……力が暴走する前に、アンティと一緒に居られていたら……。


 いや、それはワガママだ。

 あの時、この人と戦わなければ、

 この人と今、こうして一緒には居られていない。



「"紫電"じゃなくて、"マイスナ"って呼べば大丈夫だとは思うけど……」

「アンティ、ブレイクさんの他に私の名前を知っている人がもう一人いる」

「! え、それは地下の研究者の人!?」

「あの施設にいた人は……私のせいで、ほとんど記憶が無いと思う。でも、確実に覚えている人がいる」

「……誰?」

「──"マザー"」

「……"まざー"……?」

「うん、マザー・レイズ。私の名付け親」

「──!」

「中央教会の、すっごく偉い人だよ」

「……マジかぁ」



 私の横で、アンティがくたぁ、とした。



「……その人が誕生日パーティに来てたら、けっこうキツイね」

「髪の色は違うし、仮面も外さないから、すぐにはバレないと思う」

「……マザー・レイズって、どんな人なの?」

「私……そんなに覚えてない。でも、その人が最初に私を助けようとしたんだって」

「……! そうなんだ……」

「でも、前に研究者の人が言ってた。マザーには、"貴族殺し"ってあだ名があるんだって」

「物騒ねぇー!!」

「あとね、私と同じ、白銀の髪なんだよ」

「そーなの?」

「うん。いつも、仮面をしてるんだ」

「マジすか……」



 少しだけある、小さな頃の記憶。

 今は、金に塗りつぶされて、

 あまり想いだせない。



「……その人と、パーティで会ったらヤバいなぁ……」

「大丈夫。私が生きてるなんて、思ってないよ」

「それはそれで……ちょっと悲しいけど」

「えへへ……。ねぇアンティ、大事な事、忘れてるよ?」

「ふぇ?」

「王女様への誕生日プレゼント。何にするの?」

「あっ……!」



 この後、ふたりでヒゲイドさんに相談しに行った。





(*´ω`*)あっさり目.*・゜

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