猫の惑星 後編
(●´ω`●)おまたせです♪.*・゜
『C2:どういう……つもりですみゃ?』
『C7:……っ!』
『C0703777:……? どうしたにゃ? ミャーツ』
神のいる場所へと続く階段で、
ボクは止まる。
限界だった。
『C7:にゃっ、あのっ、ミャーツ……!』
ニャーナは、ボクがここで切り出すとは思っていなかったんだろう。
でも、キミの顔を、見ろよ。
さびしさと不安で、塗り潰されそうじゃないか。
ボクはな、腹が立っているんだよ。
たぶん、ニャン生の中で、一等だ。
『C2:なんで……ボク達を、こんな目に合わすんですかみゃ』
『C0703777:……にゃんのことにゃ?』
『C2:……っ! ボク達が、気づいていないとでも思っているんですかみゃ?』
『C7:ミャーツ……。ぁ──』
不安そうなニャーナが、ボクのそばによってくる。
ボクはキミを悲しませたいわけじゃない。
ボクはそっと、ニャーナを抱き寄せ、
キッと、小さな黒幕を睨みつけた。
『C2:……アンニャー。
──あなたは、"首領アンティ"ですよね?』
『C0703777:────』
ボクは、核心を突く事にした。
『C2:初めから、何かおかしいと思っていたみゃ……。あなたは似すぎていて、出会い方も不可思議だった。でも、日に日にボク達は確信していったみゃ……』
『C7:……、……ぅん。ドン。ワタシ達にはわかっちゃうにゃ。普段、ご飯の時の何気ない仕草とか、たまに自分を"わたし"って言ったり……何より、そばにいる安心感が、一緒にゃから……』
『C0703777:────……』
ニャーナの温かさを左に感じながら、
沈黙している、目の前の"道化師"を睨みつける。
彼女は、喋らない。
『C2:……ボクが、ボクらがここまで着いて来たのは、やっぱりあなたが好きだからです。何か、理由があるんじゃないかって……ボクらが知ってるあなたは、人の心を大切にする人だから』
『C7:ぅん……』
コクリと、すぐそばのニャーナも頷く。
でも──。
『C2:でも……もぅ、ガマンがならんのみゃ……! アンタ、ニャーナの気持ちを考えてみたことあるみゃ……!?』
『C7:……っ』
思わず、ニャーナを抱き込む左手に力が入る。
だって、この旅は……!
コイツの気持ちを冒涜してるじゃないか……!
『C2:11ヶ月みゃ……! ここに来てから、コイツが何回"みんなに会いたい"って、影で泣いてたと思うにゃ!? ボクが気づいてない時も合わせたら、たぶん100回は超えてるみゃッッ!』
『C7:っ……!!』
『C2:ボクの前では隠すようになってたけど……それでも辛そうだったみゃ!』
『C0703777:────』
目の前の小さな道化師は、静かにボクらを見ている。
ボクは我慢がならなかった。
『C2:っ……! ニャーナが……こんな目にあうのは初めてじゃないみゃ……! ドン! アンタを助けるために、コイツは1000年の時を超えたみゃ! ボクが思うよりそれは、とってもキツい事だったはずみゃっ!!』
『C7:みゃ……』
『C2:──なのに!! なんでアンタは、また彼女をこんな所に閉じ込めるみゃ!? それだけが、もうボクはガマンならないみゃ!! みんながいる場所で、ニャーナにはずっと笑っていて欲しいのみゃ!!』
『C0703777:────』
『C2:──ふざけないでくれ。この星がなんなのか、そんな事はわからないし、どうだっていいみゃ。でも──』
『C7:ぁ……』
『C2:ニャーナを悲しませることを、オレはゆるさんみゃ……!』
『C7:──、──……』
ギリリと、虎のように。
怒りと想いをぶつける。
偽りのない、ボクの心。
小さな首領は、苦笑いした。
『C0703777:ぅ、うーん──こ、これでいいのかなぁ……』
『C2:……!』
『C7:……!』
しゃべり方が……!
動揺するボクとニャーナ。
すると。
プニク宮の方の階段から、
小さな足音が響いてくる。
コツ……コツ……。
『C0703000:アンティ。たぶん、これでいいみゃ』
『C0703777:……! マイスナ……! そ、そっかな……』
『C2:あっ……! オ……!?』
『C7:チ……"チビオクたま"っ……!?』
『C0703000:こほん。"マイミャー"みゃ✩』
小さな奥さまは、可愛くポーズした。
『C0703777:ごめんなさいです』
『C0703000:すみませんでした』
『C2:……』
『C7:……』
今、ボクとニャーナは、プニク宮の中で、
小さな金銀ネコ耳ペアーに土下座されている。
アンニャーが、自分がアンティ・キティラだと認めた。
マイミャー……は、言わずもがな、マイスナさんだろう。
『C2:……わかりましたから、ワケを説明してくれみゃ。正直、まだけっこう怒ってるみゃ』
『C7:ど、土下座はもういいのにゃ……』
『C0703777:あらそーぉ? ごめんねぇー。あ、ちょっと待って表示いじるから』
『C0703000:ちゃんとネコ語の練習してたのに、アンティのお陰でおじゃんになったみゃ。責任取るみゃ』
『C0703777:えー!』
『C2:……』
『C7:……』
間違いない……ドンとオクさんみゃ……。
アンニャーは、ストレートからツインテールになり、
マイミャーは、あまりネコ語を披露できなかった事を残念がっている。
いや……知ったこっちゃないが。
「G777:ふぅ……これでいいかな」
「S000:久しぶりみゃー。ミャーツ、ニャーナ」
『C2:……久しぶり? ええと……そうですみゃ。11ヶ月ぶり……ですかみゃ?』
『C7:っ! ……ミャーツ、違うにゃ』
『C2:え……?』
ニャーナが神妙な顔をしながら、
幼児化しているアンマイペアを見る。
……どういう事だろう。
『C7:この二人、たぶん……"ワタシ達の時代"のドンとオクさんじゃ、ないにゃ……!』
『C2:──なっ!?』
『C7:ドン……。もしかして"王感"──"キングスフィール"を使ったにゃ……?』
「G777:あは、そっちにいっちゃうかぁ」
「S000:混乱するのも無理ないみゃー」
「G777:ん……アンタ、いつまでネコ語なの? あー、ミャーツ、ニャーナ! とりあえず、ご飯にしましょ! こっちいらっしゃい!」
チビアンマイは、プニク宮へと歩いていく。
ボクたちは後を追いながら話をする。
『C2:……、ニャーナ。"きんぐすふぃーる"って……?』
『C7:ぇと……ドンが、ドラゴンのヨロイのチカラを完全に解放した時に使えるスキルの名称にゃ。確か……"好きな場所へ行ける"って能力だったはずにゃ……』
『C2:まさか……!?』
この二人は、その能力で時を超えて……!?
「G777:ニャーナ! それ、ちょっと違うわよ! "王感路戦"は記録アクセス機能よ。サーバーと全て直結したら使えるようになるわ」
「S000:アンティ、しゃべり過ぎ」
「G777:あ、やべ。そか。あの頃の私って、あの子の真名をまだ知らないから……バスターアップできないのか」
『C2:あの、でも……あなた達は?』
『C7:今より……ずっと"未来"の、ドンとオクさんにゃよね……?』
「G777:あはは。ま、ごめいさ〜〜つ♪」
「S000:ぱちぱちみゃー」
「G777:アンタ達が帰って、自分たちの時代の私らに問い詰めても「ナンノコッチャ?」ってなるかんね。しばらくはしゃべっちゃダメよ?」
『C2:……』
『C7:……』
あっさりと自分たちが"未来"のアンマイだと認めやがった……。
あの二人は歳を取ると幼体化するのか?
いやいやいや、そうじゃなくて……。
『C2:目的が……わかりませんみゃ。なんで、こんな事したみゃ……? この"猫の惑星"は、いったい……?』
『C7:こく、こくこく』
「G777:う〜〜ん、どこから話せばいいのやら……」
「S000:大丈夫。並行世界の存在は確認されていない。配慮しながらしゃべれば、未来は変わらないと思う」
「G777:ふむぅー。ねぇ、アンタたち。この"星"のこと、どう思う?」
小さなアンティが、ボク達に問うた。
どう、って……。
『C2:あなたが……"アンニャー"が、"ドン・アンティ"だと察した時は、何かの"高密度演算シミュレーター"なのかと思いましたみゃ。まるで、ゲームの中のような。でも……』
『C7:ここの星の人々は……とても活き活きしてたにゃ。その、本当に生きているというか、ちゃんとした"世界"だったにゃ』
「G777:ふふ、その通り。ここはね、ゲームの中でも演算シミュレーション下でもないわ。あなた達から見て、遥か未来に実際に発生する、"時限結晶内生命基盤"よ」
「S000:あなた達は、大きな勘違いをしてる。私たちが未来から来たわけじゃない。訪れたのは、あなた達のほう」
『『C2+7:──!!?』』
「G777:私たちね? 未来のアンタ達から聞いて、この事を知っていたの。ミャーツ、ニャーナ。無茶し過ぎよ。ネコルス号で超加速してきた時、あんた達は見落とした」
「S000:この世界……"ストレージ内"にも"相対性理論"の適応が成される時がある。それもランダムにだから……あなた達は見落とした」
「G777:──ホレっ。そこに立っている巨像が、この星の神様よ。よーく見てみなさいな?」
小さなアンマイは立ち止まり、
目の前にはガラスで出来たようなホログラムの巨像が立っている。
男と、女の像。
どちらにも、ネコ耳がある。
ズィオ神と、エプタ神。
──"2"と、"7"──……!
……ォォオオオオ…………!
『C2:ボクと、ニャーナ……っ!』
『C7:ワタシと、ミャーツ……っ!』
「G777:──未来へようこそ。ここは、未来のアンタ達が創る、ネコ耳の楽園よ。流路速度の限界を超えて加速したネコルス号は、アンタ達を遥か未来へと運んでしまった」
「S000:光の速さを超えると時が追いつかないように、あなた達は流路の速さの限界を超え──"時間"を振り切ってしまった」
『C2:そ……』
『C7:そんな……』
──へたり。
ニャーナとふたりで、地面に座る。
自分たちの巨像を、ぽかんと見上げる。
ここは……、"未来"?
ボクたちは、"加速"し過ぎた──?
知らない間に、時を超えて──?
もう、みんなには──?
「G777:あ、安心しなさい。そのために私たちが来たんだから!」
「S000:アンティが11ヶ月も、あなた達と行動を共にしたのは、あなた達二人のボディを元の時間軸へ"届ける"ための、デバイスを組むためみゃ」
『『C2+7:……っ!!!』』
「G777:ま、もちろんそれもあるんだけどね……。私はアンタ達に、この星をゆっくり、よく見て欲しかったのよ。ほら、そこ座んなさい」
──きゅうううんん……!
歯車だ。金の、バッグ歯車。
床に敷物を出して、ざぶとんと料理が出る。
や、焼き鳥みゃ……。
『C2:あの……本当にニャーナとボクは帰れるんみゃ……? ホントみゃな?』
『C7:ミャーツ……』
「G777:だいじょぶよ。任せな。いいからはよ食べなさい」
「S000:ばぐーっ!」
『C2:はは、そか……良かったみゃ、ニャーナ……!』
『C7:ぅ……ぅんっ!』
かくして。
自分たちの神像の前で、簡単な宴会となる。
「G777:いやー結構たいへんだったのよー!? まさかあそこまで加速して来るとは思わなかったし! 私もさ、11ヶ月も転移系適応にかかるとは思ってなかったのよ!モグモグ……」
「S000:アンティが夜な夜な二人のボディを時軸転移に耐えられるようにしてる間、私はずっとプニク宮で宇宙船の修理と改造してたみゃ。感謝するみゃムシャムシャ……」
「G777:そりゃ11ヶ月も連れ回したのは悪かったけどねー。こっちもアンタ達のために色々やってたワケよぉ。原住民への配慮もあったしさぁーゴクゴク……」
『C2:は、はぁ……』
『C7:ど、どうもにゃ……?』
目の前の暴飲暴食チビアンマイの話をまとめると、
どうやらボクたちは、知らず知らずのうちに、
探査船"ネコルス号"で時を飛び越えて来てしまったらしい。
それを未来のボクたちから聞いていたドンとオクさんは、
その時を見計らって待ち伏せしてくれていたとの事。
ボクとニャーナのアバターボディは、
他のクニャウンズとは少し違っていて、
元の時間軸へのワープに耐えられるボディにするのに、
11ヶ月もかかってしまったという。
……どうやら、ボクとニャーナが寝た後に、
けっこうチョコチョコ身体改造されていたようだ……。
「G777:ぷっはぁ──! ほら、アンタたちってさ! 少しだけガルンの無属性流路が浸透して"トラネコ化"してるでしょ? ソレのせいでえらい手間取ったワケよぉー!」
「S000:アンティずるい。それ私にも寄越す。グビグビ」
『C2:ちょ、ちょっと待つみゃー!? それお酒みゃっ!?』
『C7:あわわわ……その見た目でラッパ飲みはダメにゃー!! 何考えてんよにゃー!!?』
「G777:あほぉー!! とっくに私たち、二人とも成人しとるわぁー! 可愛い家族のために11ヶ月、幼児のフリしてきたのよ! ちょっとくらい飲ませなさい!」
「S000:ぷへ。アンティ、無くなった。もう一本いこう」
「G777:お、いったるか!」
ほっ、ホントに大丈夫かみゃ……!?
成人……? という事は、このドンとオクさんは、
20歳を超えてる……?
見た目はチビッ子にも程があるんだが……。
うわ、まだラッパっすか……。
あれ……?
でも、この星ってつまり、5年後……?
それにしては、ボクとニャーナは昔の神様扱いになってるし……。
何か、変だよみゃ……?
「G777:ふぃー。ま、今回の目的は、アンタ達を元の時間に戻すだけじゃあないんだけどねー」
『C2:……? ど、どういう事ですかみゃ……?』
『S000:えーっ、アンティ。それ言っちゃうのぉー?』
『C7:にゃっ……いったい何なのにゃっ……!! お酌してやってんだから勿体ぶらずに、さっさと教えるにゃー!!』
だ、大丈夫かな……。
幼女がふたり、焼き鳥を食いながら飲みまくっている……。
「S000:アンティー、ししとう、ししとうー!」
「G777:あいあいあいあい。あのねぇー、昔ニャーナに聞いたんだけどねぇー。ミャーツが、自分のためにすごぉく怒ってくれた事があって……そん時に、コロっとヤラれちゃったんだってぇー!」
「S000:ベーコン! ベーコン!! つぶつぶマスタード!!」
『C7:!? 〜〜〜〜っ……//////!!!』
『C2:な、なんの話みゃ……?』
「G777:いや、だからぁー。さっき、超怒ってたじゃん! ニャーナのためにさぁー! ぅいひっく……」
「S000:美味い、もう一杯。ミャーツ、ニャーナの顔、ジッと見つめてみるみゃー」
こ、こいつら、酔ってきてやがる。
あーそう言えば、さっき結構キレてたみゃ……。
事情、知らんかったからみゃ。
でも、やっぱ11ヶ月は可哀想みゃって……。
ん? ニャーナの顔、見つめる……?
な、なんでみゃ。
ちょっと気恥しいみゃ……。
『C2:ええと……さっきは何か感傷的になってゴメンみゃ?』
『C7:──っ!! ……〜〜〜〜//////……っ、……ぷいっ』
……。
……あ、あれっ?
なんか、そっぽ向かれたみゃん……。
「G777:んふふー、えへへー。あのねー、この星ってねぇー? アンタ達が"ある事"をしないと"発生"しないのよぅー?」
『C2:ぇ……?』
『C7:……"ある事"って、なんにゃんな……?』
ぐびっぐびっぐびっ……。
「G777:──ぷはぁー。ンとねぇー、
──────" 子作り " 」
『 『C2+7: 』 』
ナ。
ナニイッテンダ、コノ、ヨウジョ。
「G777:いやぁ〜〜、ナットクしたわ。さっきのミャーツ、カッコ良かったモン。私にアソコまで噛み付くとは! わっはっは!」
「S000:ニャーナも満更じゃなかったみゃ? あん時のミャーツは、ニャーナの事だけ考えて怒ってくれてたみゃ? どうみゃ? ニャーナ的にはポイント高かったみゃ? かなりときめいたみゃ?」
『C2:なっ……なに言ってるみゃ! そのっ、ニャーナとボクは兄妹機みゃし!? お、オクたま……! ちょっと酔い過ぎみゃよ!? に、にゃあ? ニャーナ……?』
「S000:ぐんぬぁー」
絡み酒が激しいロリオク様を押し退け、
ニャーナと目が合う。
『C7:……ッ! ぁの、ぅん……//////』
『C2:みゃ──!?///』
………………え!?
な、なに今の……っ!?
なんか、すごく反応が可愛いかったみゃ……!?
い、いかん、不意打ち食らったみゃ……!
おまっ……普段はガッツリおてんば娘キャラなのに、
ちょ、そのリアクションはズルいみゃあ……!?
ネコ耳の先まで、
ゆでダコみたいになっとるみゃんかぁ……!
『C2:……、……ぇと、あの……//////』
『C7:……ぷしゅうぅぅ……!//////』
「S000:ふ。アンティ、やったみゃ!」
「G777:なるほどぉーこういう事やったかにゃー。禁断の恋の始まりにゃなー! きひひっ」
おい、酔っ払い幼女ども。
ちょっと黙れみゃ。
「G777:んべぇー。んもぉー、大丈夫よぉー。そりゃ兄妹機だけども、トラネコ変質のせいで遺伝子アルゴリズム、かなり変質してるしぃー」
「S000:"トニャウン型"の男女は、この世に君たちだけみゃー。だから、あなた達ふたりじゃないと子供はできんみゃーゲップ。お前達の子作りは義務みゃ。やれいけドンドンみゃー」
「G777:ひっく……そりゃー、最初にニャーナが妊娠したって分かった時は、それはもう大騒ぎだったわよぉー? でもおま、クーニャちゃんが産まれないってそれは無いわクーニャちゃんマジかわ天使、ニャンニャン赤ちゃん最高……! クーニャちゃん萌えー!!」
──ちょっと待て!?!?!?!?
こここ、こいつら、性別と名前、ゲロりやがったみゃ……!?
『C7:あわわ……ぁわわわ……っ/////////』
『C2:ちょ……ちょ! 黙れ! 黙れみゃっ!!』
「G777:つーかさぁー! この星が存在してるって事は、アンタ達は絶対そうゆーかんけーになるって決定よねぇー! それは決定事項ですぅー! イェーイ!!」
「S000:自分に正直になるのみゃー。我慢してても話は進まんみゃー!」
「G777:ぅえっぷ。アンタ、いつまでネコ語なの……?」
「S000:ニャンニャンが、ニャンニャン。意味深みゃ〜〜!」
『G777:きゃっはっはきひひひ……! ねぇ、いい!? 首領公認だかんねぇっ!? 絶対に貞操争奪戦するのよ!? クーニャちゃん絶対こさえんのよ!? ね!? いいわねっ!?』
『C7:〜〜〜〜//////////////////……』
『C2:口を閉じやがれ、酔っ払い百合どもがみゃ』
ボクは綺麗な笑顔で、ロリ共をディスったみゃ。
──翌朝。
「G777:頭いってぇ〜〜……二日酔いにゃあぁ……!」
「S000:幼女の身体で酒はあかんみゃ……ぐおぉうぅ……」
『C2:……ったりめーだみゃ……』
『C7:……き、昨日の夜の事は一生忘れんにゃあ……!』
プニク宮の屋上に、半透明の宇宙船が浮いていたみゃ。
「S000:"ネコアイノス号"。みゃーの力作みゃ。時軸逆行デバイスが片道分だけ有効みゃ」
「G777:……アンタいつまでネコ言葉なの……?」
ボクは小さなオクさまから、
宇宙船デバイスのマニュアルを受け取る。
てか……"ネコアイノス"って…………。
猫、愛の巣………?
もう、悪意しか感じんのみゃが…………。
「G777:あ、ホレ。アンタ達が探しに来たのって、コレでしょ?」
『C2:──っ!』
──ポイッ、と。
ネックレスのようなモノを投げ渡された。
小さな真紅の立方体が、アナライズコーティングされている。
鎖と歯車で装飾してくれたようで、
可愛らしいアクセサリーとして成立していた。
「G777:アンタ達も知っての通り、ソレには私とマイスナの血から精製された遺伝子アルゴリズムデータが入ってるわ。その……けっこう私たちにとっては恥ずかしいモノだから、クラウンは廃棄命令を出したのよ……」
「S000:でも、ソレはこの星を誕生させるために必要不可欠なファクター。大切にして……クラウンさんから隠し通してください」
『C2:……』
この星のネコ耳さん達には、
銀髪や黒髪の人もいたからみゃ……。
つまり、この星の祖先は、ボク達の子供だけじゃなく、
このネックレスの遺伝子データも使って生み出されたって事……。
ボクは少し考えた後、
ネックレスのとめ金具を外し、
ニャーナの正面から手を回して、
彼女の首につける事にした。
『C2:──……』
『C7:──……』
ネックレスをつける間、ボク達は見つめ合った。
ニャーナは紅潮していたけど、この時は目を逸らさなかった。
ボクも、かァっとなりながら、じっと彼女を見つめた。
意識させるには、充分すぎる時間だった。
『C2:……はぃ』
『C7:……ぅん』
「G777:ひゅーひゅー♪」
「S000:おあついみゃー♪」
──はは、ぶっ飛ばしてやろうか、この幼女ズ。
「G777:じゃ、帰んな。久しぶりにアンタたちと出会えて、嬉しかったわ」
「S000:バイバイ♪」
『C2:あ……えと、お世話になりまし、た……?』
『C7:げ、元気で……にゃ?』
「G777:ちゃんと元気なクーニャちゃん産むのよ」
『『 C2+7:うるせぇチビドンが 』』
"ネコアイノス号"に乗って、窓から下を見る。
小さな身体をしたドン・アンティとオクさまが、
ホログラムの砂漠の上で、手を振っていた。
『C7:……にゃあ、ミャーツ』
『C2:ん……?』
『C7:この時代のワタシとアナタは、たぶん、もう死んでるにゃ』
『C2:……っ!』
『C7:あの二人……5年とか、そんな半端な未来の存在じゃないと思うにゃ。もっと、凄く……ずっと先の……』
『C2:……、……』
"久しぶり"、か──……。
『C2:あの二人は……さみしい、のかみゃ……?』
『C7:わかんにゃい……でも、この星には、たくさんのネコ耳がいたにゃ。それが救いになっているのかもにゃ』
『C2:……』
宇宙船が上昇を初め、
未来の二人が、遠くなっていく。
アンティ・キティラ。
マイスナ・オクセン。
あなた達は、将来、何になってしまうのですか?
ここは、どれだけ先の未来だったのですか?
──もう、わからない。
どんどん離れていく船の中から、
キラっとした、よく知っている金と銀の笑顔が、
小さく、見えた気がした────。
────きゅぅうん。
────きゅぅうんん……!
────ゴォオオオオオオ──!!!!!
"猫の惑星"は、あっという間に、点になった。
『C2:…………』
『C7:…………』
ボク達は、しばらく何もない白い宇宙を、
窓から眺めていた。
知らない間に、ニャーナと手を繋いでいた。
『C2:……わからない事だらけだけど……』
『C7:……にゃ?』
『C2:今から帰る場所は、アソコに繋がっているみゃ』
『C7:……そにゃな』
ふたりで、微笑み合う。
急に、気恥ずかしくなった。
『C2:む……』
『C7:にゃん……』
チビオクさまから貰ったマニュアルでは、
この船には"コールドスリープ"デバイスが備えてある。
時間逆行にも体感で112日かかるようなのだが、
この装置を使えば1回寝ただけで箱庭フォートレスに到着するらしい。
正直に言うと、ボクはニャーナのことを、
かなり女性として意識してしまっているので、
このワンナイト・トラベルは非常に助かる。
この状態で、
112日もニャーナと缶詰めとか、ムリゲーみゃん……。
『C2:え、えと……"コールドスリープ"は……』
『C7:その、あー……あっ、コレにゃ?』
コールドスリープ装置は、まぁるい大きなベッド型だった。
ひとつしかない。
………………。
『C2:……お尻ペンペンくらいはしてよかったみゃ……』
『C7:あ、あはは、にゃ……』
くっそ気恥ずかしいみゃ。
なんみゃコレ。
『C2:そっ……その、入るみゃ……//////』
『C7:にゃ、にゃん……//////』
ギシッ……。
でっかいベッドに、ニャーナと一緒に寝転ぶ。
スイッチは…………コレみゃか。
ニャーナの目を見る。
『C2:じゃ……おやすみみゃ』
『C7:にゃ……おやすみ』
──カチッ。
──。
…………。
……………………あれっ。
『C2:………なんでみゃ』
『C7:………にゃん?』
──カチッ、カチカチ。
……………。
コールドスリープ装置が、動かんみゃ……。
『C2:……んー?』
『C7:……もしかして、壊れてるにゃ?』
丸ベッド大の側面を覗く。
ニャーナの予測は、ちょっと外れてた。
"壊れた"んじゃない、"壊されていた"。
コールドスリープ・ベッドのデバイス装置に、
手裏剣のような歯車と、氷のようなナイフが刺さっている。
アナライズカードの手紙のようなモノが、
怪盗の残した置き手紙のように残されていた。
開く──。
──ヴォン。
─────────────────
アンティと相談して、
コールドスリープ装置を、
ぶっ壊しておきました。
あと、112日ありますね。
ふたりでゆっくり、
お楽しみくださいませ。
マイスナ
─────────────────
『C2:………』
『C7:………』
…………。
…………………。
…………………………………ちくせぅ……。
『C7:……あ、あ……あの、にゃ、ミャーツ……』
『C2:な……、な、なぁに、ニャーナ……』
となりに居るニャーナが、
ボクの袖口をグシャリと掴んだ。
『C7:ちょっと……このまま生殺しは、耐えるの、ムリにゃん……!』
『C2:はは……ボクもみゃ──』
────。
この、帰りの112日間は。
ちょっと、みんなには、言えない。
((((;゜Д゜)))).*・゜










