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うらおもて? さーしーえー

(///ω///)…。




 私が人生で、


 初めて目にした服屋さんは、


 変態でした。






「──アブノさん! この子の服を、見繕(みつくろ)ってほしいのよ!」

{{ ……… }}



 ピエロちゃんに前に押し出され、

 私は、変態と対峙する。



{{ ……、い、イニィ、スリーフォウです……はじめまして }}


「…………」


{{ ………… }}


「…………」



 "ドドドドドドドドドド……!!"



 わぁ。


 最近、初めて目が見えるようになった私にとって、

 この変態さんは、ちょっと刺激的すぎるわ……。



 "ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!"



 お、おかしい……。

 目が見えるようになったのに、

 謎の効果音が聞こえるような……。



 "ズォオオオオオオオオ……!!"



 すすすすすすごいこっち見てる……!

 自分の顔が引きつっているのがわかる……

 目って、こんなふうにピクピクするんだ!



「……ぉぉぉぉおおおおおおおオオオ……!」



{{ ────びびびくんッ! }}


 いいいいきなり唸り声がっ!

 肩が跳ね上がったっ!

 な、なんだっ、この言いようのない恐怖はっ!?

 こ、これはまさか、視覚に支配されているのではっ!?

 お、おちつけ、

 おちつくのよ、イニィ・スリーフォウ……!

 今は、小さな悪魔だけれど、

 かつては、お父様と共に戦った、

 騎士のひとりではないか!


 そうだっ! 思い出せっ!

 あの絶望から掴み取った、

 誇らしき、戦いの日々を!


 何も信じれぬ中、

 確かに側にいた、

 大切な人の事を!


 悠久を超え、まだ、私は生きている!


 このような所で、心で負けるわけには───!!!!!



「う───ぉおああああああああ────!!!!!」


{{ ──きゃァァァァアアアアア!!!!! }}


「ちょ、イニィさん、両足(つか)まないで、そいつ殴れない」


 うわわうわわわわぁ!?

 ななななんでこの変態さんは、

 両手を上げて唸りだしたのっ!??

 理解不能、りかいふのうだわっ!?

 多分千年ちょいの一生の内で、

 一番女の子っぽい悲鳴をあげたわっ!?

 

 とととというかこの人さっき、

 貴族らしき人、お空にぶん殴り飛ばしてたわ!

 な、なんて恐れ知らずなの……!?

 報復に来られたらどうするのかしら!?

 見た目通りの、とんでもない荒くれ者よ……!

 や、やはり、やられる前に、

 時空球をぶっ込んだほうがいいかしらっっ!?



 "……ゆらり……ゆらり……"



{{ ひっ }}


 目の前の、変態のマスクが、

 振り子のように、ゆらり、ゆれる。


 な、なんなのっ、まさか!?

 何かの奥義を繰り出す気かしらっ!?

 こ、こんな服屋で、やられるわけには……!

 手にフォーク杖を召喚しようと────……!?



 ……ゆ ……ら ……り、、、、


 ……──どしゃああああああん……!




{{ ──!? }}



 ……。


 ……?



 変態さんが……尻もちをついた……?


 な、なぜ……、


 あんなに強い変態なのに……。




{{「……」}}




 ピエロちゃんと、無言で、見る。

 彼の目線の高さは、私の目線と、

 だいたい同じ所にあった。



「や……、や……、」



「あ?」

{{ …… }}



 ふ、震える指で、私を指差している……?


 ま、さか……、


 悪魔である私を、恐れているの……?


 ……。


 わた、しは……、


 こんな変態さんにまで、


 恐れられる身体に、


 なってしまったのかしら……。



 先ほどまでの恐怖が消し飛び、

 いきなり……切なくなってしまった。

 自分は、やはり否定されるべき存在、

 なのだろうか……。


 ショボン……。





 

「……、"──されし、──シィ"…ッッ!」




 ……。




 ……ん?




「 ……小さなデビルガールよ……! あなたは、まさかあッッ……! 」



{{ あぁ、あのぉ…… }}




「あなたはッ、"約束されしセクシィ"かぁああああああああああああああ「ゴキーン!!」ああぐべふッッオッ!!」


「──っせえよお前はよ……近所迷惑だっつってんだろがァ……」


「……ひ、姫よ、今、初めてききました……」



 黄金の姫が、

 姫とは思えない口調で、

 変態を殴った……。


 変態は、うずくまっている……。

 いたそうだ……。


{{ ……や、"約束されしセクシィ"……? }}


 ……それ、私のことですか……。



 変態さんはしばらく、その体勢でプルプルしていた。





「小さなガールよ……そのように肌を晒すものではない。これを羽織っていたまえ」


 ファサ──……。


{{ あ、ありがとうございます…… }}


 その後の彼は、

 時たま言動とポーズがアレだったが、

 非常に紳士的な変態だった。

 こここ、この人の心の流路、

 すごく綺麗だわ……!

 ……(よわい)千年の月日は、

 世に不可思議な存在を産み落としたらしい。


 何故か、こんな小さな私に、

 "敬意"のこもった流路を向けてくる。

 わ、訳がわからない……。

 どうしてこんな、ちっちゃな悪魔に……。


 あまり私の身体の模様や、

 頭の羽根など、悪魔っぽい所を、

 気にしてはいないようだった。

 今なんて、

 "称賛"のような流路を感じるのは、

 何故なのかしら……。


「 ……比類無き小さなガールよ……まずは肌着から選ばねばなるまぃ? 」

{{ えっ!? あああ、はい! }}

「さぁ!! そこの引き出しから、選ぶがよいッ!!」

{{ えっ、あ、ここ、ですか……? }}


 たくさんの妙なマネキンの乱立する部屋。

 木で出来た商品棚の下に、

 よく見ると取手(とって)がついている……。


「へー、アブノさん、商品隠してるの?」

「以前、盗もうとした(やから)がいたのでな……」

「に、人気あんのね……その盗人、どうなったの?」

「星にしたのである」

「お、おぅ……」


 こ、この爪だと、少し掴みにくいわね……。

 お、やた。

 カラカラと音をたてて、

 引き出しが、滑らかにひらく。

 ! これ……!


{{ ────わあぁ……!! }}


 ────中には。

 びっしりと、しかし整頓された、

 たくさんの宝石のような肌着が、

 美しく折りたたまり入っていた!


「うっわ……こんなにあんの……すっごい色ねぇ……」

「姫よ……何故、そんな眉をひそめる反応なのであるか……レディーたるもの、もう少し、"せくすぃ"への欲望というものがですな……」

「いい、いい、使いやすいのでいい」

「な、(なげ)かわしい……金のリンゴにボロ布など……!」

「──ちょっっと待て。それは前の私の下着の事を、言ってんのか……?」



{{ かわいい……! }}


 変態さんとピエロちゃんの会話は頭に入らず、

 目に映る、様々な色に、感嘆する。

 そうか……肌着だけでも、

 こんなにたくさんの色と形があるのね!

 "見える"って、すごい……、すごい!


{{ すごい!! ……いっぱいありすぎて、どれを選んだらいいかわからないわ? }}


 ……──キュピ──────ン!!!


{{ !? }}


「おおせ、つかった……!」


 ……ズォオオオ……。


{{ ぅわっ }}


 後ろから覆い被さるような変態に少し驚くが、

 その変態は、ひょい、と、

 一つの肌着をつまみだす。


「これをためすがよい……!!」


{{ こ……こッ!? これは……ッ }}


 受け取ったものを、

 左右に広げ、前にかかげる。

 ……。

 い、色が……激しいわ……。


「いや派手すぎるでしょ! ラメラメのパープルじゃないの!」

「フフフハハハハハハ!! 何を(おっしゃ)る!! 姫も、色違いを履いておられるではないか!!」

「なん、だ、と……!? そう言えば、カタチが似ているっ!?」


 え……ピエロちゃんとおそろい……?


{{……これ、どうなの……? }}

「う…………は、肌触りは……よい……よ」


 あ……流路、見えた。

 うわ……悔しそう……。

 あ、人生で一番の肌着なのね。

 ごーるでん、なのね……

 ……そぅなのね……。


{{ …… }}


 前屈姿勢。

 履いてみることにする。

 ひろげて、と……。

 よ、と……。

 右足、とん。

 左足、とん。


「……! おい、変態。後ろ向いてろ」

「姫よ、どうかなされたか」

「履く動作を見ることは許さん」

「なんとッッ……!?」


 ピエロちゃんが、いきなり騒ぎだした。

 なんで?

 別に今でも、裸のようなものなのに。

 大事な所は結晶体で隠れてるし。

 そんな気にすることないのに。

 あれれ?


「いいから服を選んできなさいッ!」と、

 変態さんを足蹴にして、奥の部屋へカキーンした。

 あんな存在を蹴り飛ばすとは……

 相変わらず物怖じしないわねぇ……。


 というか、

 なんで変態さんを追い出したのかしら。


 ……。


{{ えと……これ、裏表じゃ、ないわよね…… }}


挿絵(By みてみん)

 しゅるるるるるる……と、

 キラキラした肌着を、たくしあげる。


「……ふぅ、あぶないあぶない……あ、クラウン?」

『────ご安心を。クルルカンは隔離(かくり)しています。』


{{ ? }}


「イニィさん……? 私もこんなだけど、一応、女子の(はし)くれなの……ソレを履く瞬間は、オトコの人がいる所で、やっちゃあダメだかんね……」


{{ ??? }}


 私が履くところを見ていたピエロちゃんが、

 よくわからない事を言った。


 ────バタぁン!!


「持ってきましたぞ! この装備などどうだろうか!」

「あ、このやろ。それもドラゴンで出来ていないでしょうね」

「フハハハ、これは海の魔物でできているのである!!」

「そなの……? この黒と、紫のが……?」

「うむ。とても伸びて、丈夫なのであるよ」

「これって子供サイズ?」

「姫でも着られるであろう」

「うっそだ〜〜ぁ!!」


{{ それが……私の服ですか? }}


「"ダークエンプレス"と言う。これはキミが"約束されしセクシィ"を果たすまで、キミと共にあるだろう」


{{ は、はぁ…… }}


 変態さんから、

 服を受け取る。

 このままじゃ、

 どういう見た目になるかはわからない。


 たが、この後、試着室でこれを着た私は、

 驚くのだった。




『────15フヌ経過を確認。』




「おおおおお〜〜!!」


「ま、また、また我の夢がひとつッッ!!! うううう……! 」


{{ ……まさか、こんなにピッタリだなんて…… }}


 変態さんがくれた衣装は、

 全体は黒、装飾が紫の、

 ショートドレスのような服だった。


 肩から下は露出しているので、

 随分と動きやすい。


 胸元は半透明の紫の布が覆っている。

 腰周りには、同じく紫の装甲。

 私の髪にそっくりの色だ。


 嬉しい事に、サンダルの先は、

 悪魔の爪が出る意匠になっている。

 あの短時間に、どうやってこれを……。


「いやぁ〜〜はっはっはっはっは! 良く似合うじゃなーい! イニィさーんっ!」


{{ そ、そうかしら…… }}


「──フォォォオオオオオ!!! 素晴らしい……すばらしいのであるッッ……!! この、あどけなさの中に内包された、えくすたすぃぃいッ!! これぞぉ、"約束されしセクスィー"!!! 素晴らしいのであァァアるぅぅぅッッ!!!」 



 が、ガッツポーズをして、

 ()り返って喜ぶ変態さん……。

 あ……ちょ、ちょっと、目のやり場が……。


 

「いやぁ〜〜、ホント、アブノさんは見てくれも心も変態だけど、服えらぶのは超うまい変態よね〜〜!」


{{ ちょ、ピエ……そんな事言ったら怒られ…… }}


「よ、よすのである、姫よ……照れるではないかッッ!!」


{{ ……なんでこの人、流路だけはこんなに綺麗なのぉ…… }}


 目が見えるようになってから、

 何だか人付き合いがわからなくなりそうよ……。

 ただでさえ、千年くらい引きこもってたのに。

 ただ、この人のことは、ちょっと苦手だ。

 初対面で、いきなり人を殴り飛ばしたのが、

 印象深いのかもしれない。

 ピエロちゃんには悪いけど、

 今度からは、違うお店に……。


「……小さなガールよ、おでこを見せてはくれぬか」


{{ わっ、はい……? }}


 おでこ……?

 わ、変態さんが目の前に膝をつけ……

 こちらに何か、生地を丸めたような何かで、

 ポンポンとおでこを優しく叩いている……?


「ファンデの実の殻をブレンドしたものだ……望めば、その身体の模様は一部、隠す事ができるであろう」


{{ えっ }}


 思わず、おでこ辺りを触り、

 変態さんの手に触れる。


 その時、

 変態さんの、過去の記憶が、少し見えた。



 ────シュバッッ─────!!!



  

"……トト奥様、ミレニーお嬢様、私の後ろから、少し覗くだけにするのですよ……?"

"ヨムカ……頼みます。この子に、世界の厳しさを教えたい"

"……奥様のためならッ……!"

"まぁ……ヨムカ"

"ちょ、お母様ぁ……?"


"いらっしゃ……うおおおおおおお!!! 我が店に、セクシィーな女性がご来店とぅうはぁああああああ!!!"


"ぎゃああああああああああああ!!!"

"みっ、ミレニぃぃいいいいいい!!!"

"ト、トト奥様っ! ここは私に任せ、ミレニーお嬢様を、早く馬車へっ!!"

"い、生きて帰るのですよ、ヨムカ……!"


"なんという記念すべき日だぁ……ここは我の、すぺさるせくすぃおもてなしフルコースを、体感していただかねば……! ってあれっ……? 従者よ、お主だけか?"


"貴様ァアアアアアアア!!! 私の愛する奥様方に、なんという仕打ちをぉおおおお!!!"


"!! なんだと? どういうことであるかっ!!"


"奥様はなぁぁああ!! 政略結婚で、あのバカと結婚なされたのだっ!! それなのに、生まれたお嬢様を愛し、あのような立派なレディに育てあげたっ!! そのお二人が、恋のための武装をしたいと、決意をもってやってきたというのにっ!! それをお前はぁあああ!!"


"なっ……我が何をしたと言うのだッ!!?"


"そんな格好で叫んだら、怖いだろぉおおおお!!!"


"何だってぇえええええええ────!!!?"


"奥様方に、心の傷ができたら、どうするのだァ……!!"


"そ、それは新しい見解であった……我がハイセンス過ぎるスタイルが、時に新しいものに出会う恐怖を生み出すとは……! なるほど、初めてのものは、こわい!!"


"貴様ぁぁあああ!! いっぱつ殴らせろぉおお!!"


"────甘いわぁああアアアア!!"


"ぐわああああああああ!!! バタリ……"


"ふ……よもや、我に素手で殴りかかる猛者が、まだいようとは……"


"く、くそう……くそう……!"


"お主……泣いているのであるか?"


"……笑うがいい……あの不幸なお2人に、何もしてあげられぬ私の無力を……"


"従者よ……ヨムカと言ったな"


"……そうだ……"


"先ほど、我は問うたな? どういうことであるか、と"


"……?"


"貴様はさっき、"私の愛する奥様"方、と言ったぞ"


"──!! ……く……ぅ…………"


"…………"


"……わらってくれ……。叶わぬことだ……従者(ごと)きが、あの方々を、愛すなど……"


"…………。本来……男を助けるなど、我の"せくすぃ☆NG"に、反するのだがな……"


"……?"


"我のハイセンスな衣装は、どうやら、貴公の大切なレディを、怖がらせてしまったようだ……すまなかった"


"……! きさま……噂のような変態ではないな……"


"……貴公の主人、"ドレッド・アァ・ハィハィ将軍"の噂は聞いている。若い頃、大きな太鼓の騒音で魔物を追い払い、貴族に成り上がった愚か者だと……"


"……! そうか……真実は、こんな所にまで伝わっているのか……"


"……ひとつ、誓うがいい"


"む? ……誓え、だと……? なにを……"


"ドレッドがいなくなったら、奥方に想いを告げると"


"!! ──貴様っ!? な、なにを……!? まさかっ!!"


"レディを悲しませた罪は、(つぐな)わなければならぬ"


"ばかな……むりだ……"


"我自身が会い、どうするべきか、決めよう。いつになるかわからん。問おう、貴公の愛は本物か?"


"!! 私の真実はッッ、いつも私と共にあるッッ!!"


"……いいだろう! 貴公の"せくすぃーそぅる"……覚えておこう。これは、キラキラプロミスである……!"


"……あ、あなたは……"


"ところでヨムカよ……貴公は、何を買いに来たのかね?"


"あっ……。お、お買い得、せくすぃキラキラお楽しみ袋を────……"



 ─────ッッッオオオンン……。








「……どうかなされたか? 小さなガールよ?」


{{ ………… }}



 

 この人……。

 この人が殴ったのは……、

 あの人達の、愛のために……。



「ちょっとどしたのイニィさん? 一瞬、上の空だったわよ?」

{{ え、いや……何でも、何でもないんです…… }}


 ……。


「……このファンデの実殻の粉は、せくすぃサービスだ……! 差し上げよう」


{{ あ……ありがとう……! }}


 ……なるほど。

 世の中……見た目だけでは、ないのね……。

 とても裏表がある人みたい。


「しかしイニィさん、ホントにさっきの肌着でいいのォ〜〜?」


 あ……。

 み、見た目……。


{{ あのぉ……"ぱーぷるぱんてぃ"以外の色は、無いのでしょうか…… }}


「……むぅ? "約束されしセクスィー"よ……あなたは、ライスにジャムを塗って、食べるというのであるか?」


「……なに言ってんの? アブノさん……」


{{ やっ、やっぱいいです…… }}


「あ、ねぇ! 私の、その……」


「? "ごーるでんぱんてぃ"の事であるか?」


「くっ、口に出すんじゃないわよっ、恥ずかしい!! その、もっと地味な色のやつ、なぁい?」


「……ふ、やれやれ…お戯れが過ぎるのであるな……姫に似合いし運命の色など、あれ以外、存在せぬよ……」


「てめ……! 他の売る気ないわね……?」


 ……。


 どうやら、ピエロちゃんの知り合いの人に、

 悪い人なんて、いないみたいね?

 なんていうか……流石だわ?


「あ!! そだアブノさん!! ちょっと見せたいものがあるのよ!! ちょっと奥の部屋いい!?」


 ────!


{{ ピエロちゃん! それってまさか! }}


 と……とうとうガルンをっ!!?


「むぅ!? ……姫からのお誘いなど、珍しいであるな!! もちろん馳せ参じるのであるッ!! いかようなものかっ!!」


「ふふっ……"エルミタージュの馬車"、と言えば……わかるかしら──?」


「───!? な、なんと……ッッ!? ……よもや……、完成していた、ので、あるかッ……!?」


「……刮目(かつもく)せよ、変態」


「は、ハハァ────!!!!!」


{{ え、ちょ、うわ、土下座のまま移動するんですか……ちょ }}


 ギィィィぃぃ、バタン!!


{{ え、あ、行っちゃった…… }}


 あ、私もいた方がいいかな……。

 ……まぁ、あの変態さんなら、大丈夫か……。

 人の心、大事にしそうな方だから……。


{{ ……! }}


 横に、大きな鏡。


{{ ……わぁ…… }}


 ……こんな、見た目なんだ、私……!


{{ ……やったぁ }}


 ちょっとポーズをつけて、

 手で髪を撫でたりしてみたりして────……。



 だだだだだだだた────……!!!



{{ ぅ? }}



 バタァァァァ──────────ン!!!!!



{{ ────!!! }}



「はぁ、はァ……!」



{{ …… }}



「あの……」



{{ い、いらっしゃいませ…… }}



 お……、

 お客さん、きちゃった……。





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『今回の目次絵』

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[一言] 半裸…八割裸の変態とキンキラ義賊と紫ロリ魔族のコントいいなぁw
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