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はやいダンプ

(*´ω`*)連投しますた。

前話読み飛ばし注意よろしゅう。


 私とて、1人の食堂娘。


 今、あるだけの材料で、


 定食を作れと言われることもある。


 こんかいのも……いっしょっすわ。



 ぐいっ。


『ガルロロォ──ン!!』


 ぐいいっ。


『ガロガロロロォ──ン!!』


 ……──ほぅ……。


「……よい音だ……」


─────────────────────────────

 >>>アンティ 変なやつになってるよ

   作戦 おっけーかーい?

─────────────────────────────


 ……し、失礼なやっちゃな……。

 元、呪いの仮面のくせにぃ……ぶぅ。

 ……。


「いち、ガルンに乗ります」

─────────────────────────────

 >>>うん

─────────────────────────────

「にい、走りまわります。」

─────────────────────────────

 >>>うん

─────────────────────────────

「さん、紫の石を探します」

─────────────────────────────

 >>>うん

─────────────────────────────

「よん、魔王に襲われたら逃げます」

─────────────────────────────

 >>>うん

─────────────────────────────

「ごお、それでも襲われたら撃ちます」

─────────────────────────────

 >>>…………………………………完璧だね

─────────────────────────────


「……」


 ……その空白は、なんやいな。


「ふうぅぅ──……ッ、生きて帰ろ……」


{{ こら、ため息つかないの。幸せ逃げるわよ? }}


「………」


 悪魔に幸せを説かれてしまった。

 あっ、私これ……大丈夫かなぁ。


「……とりあえず、紫の時限結晶、見つけるのね。クラウン、どれくらい近づけばわかりそう?」


『────わかりません。』


「わかった。イニィさん、このミルクお化け、けっこうな体積だけど、ホントに魔王の近くに時限結晶があるのね?」


{{ 私の勘がささやいてるわ }}


「……」


 それって、悪魔のささやきじゃないの……。


「……よし、わかった、いこう! がんばろう、私!」


『ガルンガルゥ──ン!!』


 はは……いい子ね……。

 さて……そろそろ切り替えっかな……。


『────アンティ。ガルンツァー:type.フルカウルの改修を完了しました。』


「え、なんか改造したの」


『────メーター部の表示をアナライズカードと歯車にて再補修。ブレーキレバー、クラッチレバーを押し込み式に改修、人差し指付け根に配置。』


─────────────────────────────

 >>>あ それでブレーキないように

   見えてたの……

   ギアチェンジできるのね

   ちなみに今で 何速?

─────────────────────────────


『────現在:13速です。』


─────────────────────────────

 >>>ちょっと待ってくれ……

─────────────────────────────


『────チェンジペダルを、つま先を上下で挟み込む意匠に変更。迅速にシフトアップ、シフトダウンが可能です。』


「えーと、よくわかんないけどわかった」


─────────────────────────────

 >>>13速……

   もうダンプカーじゃないか……

─────────────────────────────


『────推定最高時速:777ケルメル/ジカ。』


「ああ、その冗談、前にも言ってたね」


─────────────────────────────

 >>>……それ ホントなら

   1ビョウで215メル進むよ?

   やったら車体浮くからね……

─────────────────────────────


{{ すごいわねガルン! がんばりましょう! }}


『 ──ガルルッ! ガルガルンッ? 』


{{ え? ええ、あのネコも褒めてくれるわ! }}


 え……ガルンってキャットに褒められたいの……。


 なにゆえ……?



「はぁ……さて、じゃそろそろいくよ」


『────レディ(準備完了)。』


{{ 道は任せなさい }}


「ん」


 ……上に、あの魔王が、いる。

 私、バイクです。



「 ふぅ────…… 」



 …………。



           ギュッ。

 ぐいっ。

 


   かたっ。



『────ガゥルルルォォロロォオン!!! 』



           ゥゥウウ。

 すぅ……。



『──ガルルルルロロロロオオオオオ!!!!! 』



「──イニィさん!! のぼり道(・・・・)、お願い! 」


{{ 目で、意識で見なさい! そっちに繋げるわっ! }}


「──あいよ! 」



『 ──ガロンッッ、ガルロロロロロロオオオオォオオオン!!!!! 』




 ハッ。


 そうだ、この音だ。


 ……音に、"酔う"わね。


 やってやろうじゃないのよ。




 はは。


 はやい。


 はやくなる。


 イニィさんは、


 私の影のように、


 ピタリと横にいる。



 {{ 杖よ──…… }}



 ……ゥウン、

 フォオウン、

 フォオウン、

 フォウン─フォウン─フォウンッッ!!!


 車体の左側に接続(アタッチ)された、


 十字杖が、(うな)りをあげる。



 ──ジャバオオォォオオオオオオオンンン──……!!!



(すご……)


 おけ。ちゃんと沈まない。


 目の前に、川の流れのように、


 白いすべり台が、構築されていく。


 ま、私はそこを、逆走してるワケですよ。



 ────クイッ、カチャ!


『──ガルロロロロロオオオオオオオ!!!!!』


『───3速にシフトアップ。』


─────────────────────────────

 >>>これすごいね……

   360ド どの方向にでも

   走って行けるじゃないか……

─────────────────────────────


「いい感じだわ、ご機嫌よ、コイツ」


─────────────────────────────

 >>>あはは 声は全然きこえないや

   同期でわかるけどね

─────────────────────────────


「あ、先輩は文字で読めるもんね。あ、でもクラウンの声もちゃんとわかるよ?」




 " ……──ルギギギ────…… "




 ────!!



「! ……見えたわよ」




 白い川の流れに乗り、


 登りつめていく、私達。


 すぐ上の、魔王の場所へ──……!




   

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