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異世界転生×ユニークスキル 100連ガチャで無双する!?  作者: 月神世一


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EP 25

勝利の食卓


アルクス城の厨房に、シンイチは立っていた。


リザードマンとの激闘を終え、もうすぐ帰還するであろう騎士団とシオンのために、栄養満点の食事を用意しようと考えたのだ。


「鶏肉、人参、さつまいも、ゴボウ、玉ねぎ、ブロッコリー…。アルクスの食材で、疲労回復に効く最高の組み合わせは…これか」


シンイチは、彼らの消耗した身体を癒すための、完璧な「鶏肉と根菜の煮物」のレシピを頭の中で組み立てていた。


そこへ、リオナがぱたぱたと駆け寄ってきた。


「シンイチ! 私も手伝うわ!」


「私も、お手伝いさせてください」


穏やかな声と共に、マリージョも厨房に姿を現した。


シンイチは、その顔を見て、わずかに眉をひそめる。


「何? マリージョ、お前は駄目だ。俺がお前に渡した、医学書、化学、衛生学の教本はまだ学び終えていないだろう。そちらを優先しろ」


「いえ」


マリージョは、静かに、しかしきっぱりと首を振った。


「今、この瞬間を大切にしなければ、輝かしい未来は来ません。戦ってくれた皆を労う、この温かい『今』のために、私に出来る事をします」


その言葉に、シンイチは「非合理だな、全く…」とぼやきながらも、どこか嬉しそうだった。


「料理は、俺の唯一の息抜きなんだがな…」


「え…」


リオナが、その言葉にハッとする。


「そっか…。シンイチも、休みたい時だって、あるんだよね…」


「当たり前だろう。俺は神でも悪魔でもない。ただの人間だ」


少しだけ拗ねたように言う彼の横顔に、リオナとマリージョは、思わずくすりと笑ってしまった。


三人は、他愛のない話をしながら、一緒に料理を作り始めた。シンイチが指示を出し、リオナが不慣れな手つきで野菜の皮を剥き、マリージョがそれを手際よく切り分けていく。厨房は、これまでになく、温かい活気に満ちていた。


◇


やがて、埃と泥にまみれ、しかしその顔には確かな勝利の誇りを浮かべた騎士団が、城へと帰還した。


「ガレン! フィア! シオンさん! それに騎士の皆も、無事で本当に良かった…!」


食堂で出迎えたリオナの姿に、ガレンたちが目を見開く。


「リオナ様!? なぜこのような食堂などに…」


「それに、そのお召し物…包丁などは、危のうございます!」


フィアが慌てて駆け寄ろうとするのを、リオナは「良いから、良いから!」と手で制した。


「さあ、皆たくさん食べて! シンイチたちと一緒に、皆のために作ったのよ!」


テーブルに並べられたのは、大皿に山と盛られた、湯気の立つ煮物。


疲れ切った身体に、その温かい香りが染み渡る。騎士たちは、最初は恐縮していたが、やがて夢中で料理を口に運び始めた。


「「「美味しいぃぃぃ!!」」」


「うめええ! 身体に力がみなぎってくるようだ!」


食堂のあちこちで、歓喜の声が上がる。


シオンも、黙々と煮物を口に運んでいたが、ふと、リオナの方を見て、にやりと笑った。


「やるじゃないか、姫様よ。あんたが作った分が、一番うまいぜ」


「えへへ…。良かった…!」


シオンからの、不器用な、しかし心のこもった賛辞に、リオナの顔が、夕焼けのように赤く染まった。


それは、アルクス領の、新しい未来を照らす、温かい勝利の光だった。


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