↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生×ユニークスキル 100連ガチャで無双する!?  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/30

EP 14

共犯者


シンイチの言葉は、重い楔となってリオナの心に打ち込まれた。綺麗事だけでは、民は守れない。領主とは、時に非情な選択を迫られる存在。その事実から、もう目を背けることは許されない。


リオナは、震える唇をぐっと引き結び、一度固く目を閉じた。そして、再び開かれた彼女の瞳には、先ほどまでの怯えはなく、覚悟の色が宿っていた。


「…わ、分かった…わよ」


その声は、まだか細かったが、決して折れてはいなかった。


それを聞いたシンイチは、満足げに頷いた。


「よし。リオナ、お前の覚悟は見た。ならば、早速取り掛かる。マリージョを俺の助手にしろ」


「えっ?」


予想だにしなかった要求に、リオナは素っ頓狂な声を上げた。


「彼女の回復魔法は、この領地で最も質が高い。俺の医学的アプローチと、彼女の魔法。その二つを組み合わせた時、どのような相乗効果が生まれるか、囚人たちの身体を使って検証する」


「そ、それは駄目!」


リオナは、シンイチとマリージョの間に割って入るように、叫んでいた。


「わ、私がやるわ!」


「何?」


シンイチが、わずかに眉をひそめる。


「私だって、回復魔法は使えるわ! 領主である私が、領内で行われることを知らないわけにはいかない! この件は、私が、貴方と一緒に行います!」


マリージョを、あんな風に泣かせた彼と、二人きりにさせるわけにはいかない。そして何より、この罪深い役目を、誰かに押し付けるわけにはいかない。やるならば、この手で。それが、領主としての、最低限の責務。


リオナの瞳に宿る、決死の光を見て、シンイチは肩をすくめた。


「…まぁ、構わんが。お前が癒せるレベルは知れている。効率は落ちるだろうな」


「それでも、私がやるの!」


シンイチは、その頑なな申し出を、静かに受け入れた。彼は右手を差し出す。リオナは一瞬ためらった後、その手を固く握り返した。大きく、少し無骨で、けれど不思議なほど温かい手だった。


こうして、二人の奇妙な「共犯関係」が成立した。


「…でも」


リオナは、繋がれた手をそのままに、不安げにシンイチを見上げた。


「殺すのは、絶対に駄目よ?」


その、あまりにも当然の懇願に、シンイチは心底呆れたように言った。


「殺す? 何を言っている。俺は医者だぞ」


「え…」


「治療をするんだ。被験者には、実験協力への報酬を提示する。身体に残っている古傷や病気も、俺の医療技術で可能な限り完治させる。そして、解放して、故郷に帰れるように手配してやる。囚人たちにとっては、悪くない条件だろう?」


「……何、それ…」


拷問や、非道な実験を覚悟していたリオナは、ぽかん、と口を開けたまま固まった。シンイチの言っていることは、まるで罪人に対する恩赦のようだった。


シンイチは、そんな彼女の様子を見て、初めて悪戯っぽく、口の端を吊り上げた。


「もっとも――その身体から得られる、ありとあらゆる貴重なデータは、俺がたっぷり貰っていくがな」


読んでいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけましたら、★評価やブックマークで応援していただけると励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。