5の2 起きろ龍神
「ん?ここは、何か変だな。海が輝いている。」
ここは若しかして、この国のマナの噴出地だろうか。
他の星と違う原動力。生命の源がマナになったこの星。
大神様の仕事ではないはずだ。初めは確かに他の星と同じだったのだから。
私は初めの頃のことをじっと考え、思い出してみる。
「あれ?そう言えばここには小さな島が在ったはず。」
小さな陸地ではあるが、大きな火山があり平地が殆どない小さな島だった。
海からにょっきり火山だけが生えていた。今見るとキラキラ光る海面だけ。
近づくと、結界が張っているのが分る。其れを通り抜けると・・・っ!
「こんなに大きな陸地に成長している。殆ど他の陸地と同じくらいに成長しているでは無いか。」
おまけに大小の島々がこれを取り囲んでいる。
ここは素晴らしい発展を遂げていた。ここだけ時間の流れが異常に速く進んでいるように錯覚する。
独自の動植物がマナを吸い、生き生きとしている。人間もいるようだが、人口は少なそうだ。
ここの住人も、他とは違う発展をしている。
魂の大きさも大神様に頂いた者と同じくらいのものばかりだ。
だが、新たに生れたものは一つもない。ここも矢張、異常なあり方をしている。
私が長く眠っていたせいで、大神様からお預かりした星は、取り返しの付かないものになって仕舞った。
住人の心の中を覗いてみると、皆同じように「竜神様」という言葉が深く食い込んでいる。
「龍神というのは、古来の東洋の伝説に出てくるものだ。」
位の高い神様は昔、龍神となって世界を巡っていたことが伝説になった。
昔々、確かに存在していた。大神様の意識にあったものがここに出来たのだろうか。
しかし、彼等は日常的なものとして龍神を捉えている。
と言う事はここにいるはずだ。見まわして、気配を探ってみるとマナ火山に寝そべっているのが分った。
こんなに目立つ形なのに今まで気づけなかったとは、何かの呪いか?
「こら!龍神とやら。起きろ!」
龍神はのっそりと起き上がり、寝ぼけ眼をシパシパとしながら私を見て、それから目を大きく見張った。
「か、神様。お目覚めになって仕舞ったのですね。」
と言った。




