5の1 神が目覚めた
「あーあ。よく寝た。ちょっと寝過ぎたかな。」
私は長い眠りから目覚め、丸い魂をボヨヨーンと伸ばして、ストレッチした。魂も、凝るのだ。
さて、世界がどんな風に成長したか見て回りましょうか。
12人の弟子達は、よくやってくれたけど、まだまだ、経験不足だから、変な事になっていたら直して廻らなくてはならない。
過去には、心を病んだ神様が、おかしな習性を持った植物の星を作ったこともあった。
その星は今もあるが、魂を送り出すことは出来ずに、其の儘植物だけがはびこる、魂の発展には役立たずの星になったのだ。
せっかく、大神様が下地を作っていたのに、勿体ないことをしたものだ。
南の極地から飛び出た私はこの近くに在る陸地を見てみる。
「なんか変ね。ここ、極地に近いはずなのに妙に草花が繁茂している。」
雪も氷もない、普通の陸地?若しかして!
「若しかして、弟子達は、皆で同じ事をして廻ったのでは。」
確かに、新しいものを作り出すことは、大変な労苦があるが、早く仕上げるために、弟子の1つのアイデアを其の儘再利用するとは思いも寄らなかった。
随分早く終わったと思ったが、このせいだったのね。
星の周りを高速で回り、観察した結果、直さなければだめなのは、取り敢えず2つの陸地だ。
赤道直下の陸地と、南の極地にやや近い国。
これらはだめだ。余りにもこの世界の理を、無視している。ここに住んでいる魂達は苦しむだろうが、長い目で見れば、今直した方が良い。
気候の急変により沢山の動植物や人々が死んでいく。
動植物は新たにここに適したものがゆっくり生れるだろう。また初めに戻り大神様の理で時間を掛けて。
人口は100分の1残れば良い方だろう。若しかしたら絶滅するかも知れない。死んだものは黄泉の国に送られ記憶を浄化され、いちから生れ直す。この国の下等な生物に生れることはもうないだろうが、必ずしも人間になるわけではない。
自我がきちんと残っていれば、人間に生れるだろう。この国で、生れた自我は弱く未だ小さいから、多分人間には生れることは出来ないだろう。長い輪廻の結果、また自我を取り戻すことが出来るのだ。
大神様から預かった魂達は、大丈夫だろう。きちんとした自我があったから。
余りにも長く辛いため、記憶を浄化するのだ。神の優しさが記憶の浄化なのだ。
残った陸地はこのままでもなんとか許容出来る。
植生は代わり映えはしないが、もう文明が出来ている。これも不思議だ。
もっと時間が掛かるはずなのに。初めに感じた、変わった特性のせいかもしれない。
これはこれで、良いだろう。この星の特徴になるのだから。
て言うか、これ以上改変してしまったら、私一柱で、全部作り直さなければならない。面倒くさいではないか。




