4の2 次は何処へ行く?
「熊ハチ、闇の国は、面白かったか?」
「おう、まあな犬ジュウゴ。お前も行きたいのなら、マナをもっと増やしたほうがいいぞ。」
「いやいや、猫ニジュウイチが、言っていたが転移陣で闇の国まで簡単に行ける様になったそうだぞ。」
そう言えば、闇の国の魔の森に転移陣を敷いてきたな。今、テストをしようとしているが、なかなか被験者がいないと困っていた。
「犬ジュウゴ。被験者に、立候補してみたら良いぞ。」
「うーん、少し考えてみる。」
そうだよな。危ない実験台だ。遠くに転移するのは初めての試みだし、万一其れで成功したとしても、帰ってこれる保証もない。皆、躊躇してしまうよな。
もし帰ってこられなければ、彼方で死ぬことになる。そうすれば、輪廻の輪の中に取り込まれるそうだ。竜神様は、僕らを黄泉の国から連れてきたけど、外の世界は違う神様がいるらしい。その神様の理とは、僕らは違うらしいのだ。外の世界の理はどのようになっているのか、今度派遣される獣人達が調べてくるだろう。
転移陣でのテストが、暗礁に乗り上げたので、普通にまた船で行くことになった。
前回は西に向かったが、今回は、東回りの航海になる。
コウモリ人が発明したマナ保管石が、其れを後押しした容だ。
マナ保管石は魔獣の魔石に魔方陣を刻み、多くのマナを閉じ込めるようにしたものだ。其れを持って行けば、マナの少ない地域でも長時間生きていられるらしい。補充もきく優れものらしい。
此さえ有ればマナが少なくても、長生きできそうだ。
皆普段から身につけるようになった。
マナの大きさは、身体の大きさに比例する。身体が小さいと寿命が短い。
此処に居れば直ぐに生き返るが、サイクルは短くなる。
外の世界はマナが少ないため、彼方の人間は寿命が短いらしい。
「竜神様によるとこれから向かう陸地は、『土の国』らしい。この魔方陣を設置してきてくれ。」
猫イチが、如何してももう一度持って言ってくれと懇願している。とても熱心に研究していたものだ。思い入れがあるのだろう。今度自分が被験者になると言っていたが、同行者が未だ見付からないでいる。
「猫イチ。お前も同行して、彼方から転移してみたらどうだ?そうすれば危険は一度だけだ。」
「おおーつ。その手があったな。そうしよう。ありがとう、鳥サンジュウ。」
今度の旅は少人数で征く事になった。
15人だ。猿人1人。猫人1人。熊人3人。イノシシ人10人だ。土属性が有る種属が優先された容だ。
猿人によって高速艇が開発され、時間は短縮されるだろう。今までの2倍の速さで進むことが出来る。
只、高速艇の定員が15人までなのだ。これが少人数での航海になった理由だ。
土の国の言葉は、未だ分らない。先に、猿人が土の国の人間に接触して覚えないといけない。
未だ他の獣人達は無属性の利用が出来ないでいた。唯一犬人は速駆けが出来る様になったが、言葉の問題は猿人だけしか出来ないでいる。
多分種属特性で、出来ることが決まっているのかも知れない。
今回も俺、熊イチが隊長になった。
さあ、出発だ。




