4の1 不思議の国 火の国 龍神の国
私達の国に伝わるお伽噺がある。
この世界は5つの陸地に分かれていたがある日突然、6つめが地の底から現れた。
其処は絶対に入ることが出来ない、見ることも出来ないところだという。
ある、猟師が其処に偶然入っていった。
彼は大変なもてなしを受け、親切にして貰い金銀財宝を積んだ宝船に乗って帰ってきたという。
その国は火の国、キラキラと輝き、幻想の国の獣人達の住処だ。彼等は、不思議な力を用い、お互い仲良く暮らしている、まるでお伽の国のようだった。美しい町並みで、美しいものに囲まれている。
彼等は自分たちの国を『龍神の国』と呼ぶ。
これはとんでもなく馬鹿げたおとぎ話だが、何故か何百年も残っているお話だ。然も他にも国があるなどとは考えられない。
私達は、隣に国などないと思っていた。この世界の中心は自分たちの国だ。
偉大な王族が治める国だ。
王族の初代は、魔獣に苦しむ国民を見て、マナの噴出する場所を囲う事を決心した。
広い森は魔の森と言われ、そこから偶に強力な魔獣が抜けだし人々を襲う。
この森の周りを100年掛けて高い塀を作りマナが流れてこないように囲ってしまおう。
かの王はこれを子孫に遺言として残し亡くなった。彼の次代から工事が始まり、十年前にやり遂げたのだ。
それからは魔獣の被害は激減した。
魔獣の被害におびえずに済んだ、我々はやっと文明を築き始めることが出来る様になった。
そんなある日彼等は現れたのだ。
彼等は異形だった。動物のような耳や尻尾があり、羽を生やして空を飛ぶものまでいた。
見た目は人間の様だが、有り様は魔物のようだ。
私達はおびえた。どこかにまたマナが噴出し始めたのかと。
しかし彼等は言葉を介し、意思の疎通が出来た。
彼等は皆温厚で、話をよく理解し、魔獣の倒し方までレクチャーしてくれる。魔法というものを使えばもっと発展するという。魔法?
私達の数人に闇の属性が有ると教えてくれたが、私達は、疑いの目で見ていた。
マナが多くないと魔法は使えないと言われ、これはあの魔の森の壁を壊せと言っているようなものだ。
そんな話には乗れない。
彼等は、私達の国を『闇の国』と呼んでいるという。龍神の与えた魔法の属性から名付けたと。
彼等が帰った後、彼等の手土産を見て皆仰天した。
魔法袋、または、魔法鞄と言う其れは大変な物量のものを入れることが出来たからだ。
彼等は、私達も魔法を使えばこれを作る事が出来ると言ったが、未だ誰も試したことがない。
この不思議な魔法袋は、国宝となった。




