第八話裏編・『台無しにする者』
病室の外の壁にもたれ掛かる。触れられると直ぐにバレる。だから適当な嘘で逃げたけど……やっぱり……
「反抗期やってみようかな……」
行こうとしたらスーツを着たひととすれ違った時に……言葉を聞いて振り返ると病院の中へと、慌てて止めようとしたが既に遅く
「星鬼巫姫さんは既に亡くなってます」
前置きも無しに突然そう言い放ったのを聞いて、私は立ち止まると弟……彼は目を見開いていて
「何言って……生きてます」
「いいえ。異能力者によって亡くなってます。ようやく、行方不明者の全全ての人間が判明し、全員死亡したのを確認してます」
「おい。お前ら……どういうつもりだ?」
自然と私は声を出していた。スーツの男の人は私を見て
「あぁ……偽物の家族ですか。騙されてるのですよ」
私は首の襟を掴んで床に叩きつけて
「そうだよ。偽物だよ。だけどな……表にも出ない異能力者を使って殺し合いをさせ、ぬくぬくと庇護されてるお前には分からないだろうな!
頼まれた。望まれたからそうしたのに……良くも壊してくれたな!」
そのまま殴ろうとした時に腕を掴まれて
「神華星月さん。落ち着いてください。こっちも貴女が関わってるとは思わず……この者が勝手に話を進めた事を謝罪します」
顔を見ると初老の男性が頭を下げていて
「……何を?」
彼は困惑していたが私は押さえつけた男を振り払って
「被害者が居る。事情があるのに、わざわざ言うのは……お前こそ先の異能力者が起こしたのと同じ人間だな。本当に警察は無能だ
だから、断る。信用もしない。異能力者を道具としか見ない。そんな警察だったら……異能力関係の事件は無くならない。本当に……人の事を何にも思ってないな」
そう吐き捨てて、そのまま彼の前に立って
「もうお前のせいで……バレる事になるのも本当に……本当に反吐が出る。だから……彼岸と神華の方が警察よりもマッシだよ
私は神華星月から生まれた炎。異能力の一部で異能力そのもの。満足?。私は彼の妹でも何でもない。ただ、彼の姉に頼まれたから家族として過ごす事を決めたお母様の足と無駄を作らないで欲しい……」
言い終えると扉には彼の姉の姿をしたお母様が立っていて
「ほら、やっぱり……?。お姉ちゃん?」
お母様は炎を纏いゆっくりと変幻を解いていて
「騒ぎになってる。お前は兎も角……そっちは話が通じそうだし、来てくれるかしら?。ヘマをした話と……何故そうしたのかを聞きたいから……後、彼岸として聞くから……彼岸絶夏にも話が行く……それとも、天星の話を通す?」
「……そうだな。俺が目を離した責任でもあるし、彼岸と神華の人間の君に逆らうと余計な争いしか生まない。お前は署に戻って謹慎だ。幾らなんでも……被害者の気持ちを考えない。被害者の為の行動を踏みにじった事を考えるべきだ」
そう言うと何か言いたそうにしたが
「……っ……分かりました」
そう言って病室を出ていく。お母様は私を見て、私は頷いて彼の手を引いて病室を出た
「……何で?」
私は答えないが、病院外の公演前に出てベンチに。呆気なく炎の記憶改竄も解けたし……意味もなくなったから取り繕う事もせず
「約束。お母様と貴方のお姉さんの約束。本当なら君が受け入れる時までは黙るつもりだったのに……まさか、警察が介入してくるとは思わなかった……いや、仕事としては正しいけど……今の貴方に聞くべきではない内容を早期に教えてしまったから……」
「違う……どうして、そこまでしてくれるの?」
「……分からないかな。私は人間じゃない。お母様の炎から生まれたのが私。元は意味も無く生まれ、行き場の無い消えるだけの私にお母様が拾ってくれただけ……ううん。私が絡んだから渋々この姿にしてくれた
貴方をお見舞いして思ったのは……人間は脆く儚い事と、私が守らないとの感情が出てきた事」
そのまま彼の手を握って
「生きてて良かったと思えた」
「……そう。あっさりとバレた感じ?」
「反抗期しようかと思ったのに……こんな事なら、本当にさっさとするべきだった」
「そう……やっぱり気持ちは変わらなかった……好きになった」
「……は?。いや……ごめん……記憶戻ったでしょ?」
「うん。赤の他人て今は分かる。だから今見たら好きになった」
うん。聞き間違いじゃなかったし……やっぱりどう返事したものか……
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屋上に来て
「どういうつもりかしら?。何でバラしたの?。別に生きていた。それで良かったじゃないの?」
「そうですね。それでも良かったですけど、彼が言うには真実を知る権利はある、偽物の家族に騙されて可哀想だから目を覚まさせ、本当の事を知った方が後に知るよりはマシ
ですかね」
「言いたい事は分かる。でも、彼は姉を失ったばかり。私は姉の振りをして、時間経てば伝えるつもり。それに騙したとなるのなら……それなりの証拠は有るんでしょ?
私が彼を騙す程の理由が」
「……」
「無いのなら……あの子が言った通りになるよ?」
「否定も出来ません。確かに、軽率でした。ただ、彼岸の人達が圧力を掛けるのに……今回は何も……」
「……神華が関わってるかもしれない。警察の方でもあわよくばと思って私が頼まなかっただけ
それに……被害者含む行方不明者全員死亡ていうのは?」
「調べたら……行方不明者は全員死亡を確認。勿論各病院、親戚全てを総当りした結果です。星鬼巫姫さんの死亡確認が取れるのに時間が掛かりましたが……異能力によって確認しましたので」
「じゃ、時間の問題だった?」
「ですね。ただ、貴女が関わってるとなれば……深入りするつもりもこういう事態にもするつもりは無かったですけどね……本当に申し訳ない」
再び頭を下げていて私は空を見上げていた
「最初で最後の親友の頼みだったから引き受けただけ。ただ、流石に……可哀想とは思わない?。普通に暮らしていて、ある日家族を失う気持ちを?
少しづつ……または少しでも軽くなるのなら……死人を演じるくらいなら私には難しくもない。ただ、何れが長引けば……明かせなくなると考えれば……想定自体だけど良かったのかもしれない
と、こんな無駄な事を言っても分からないよね」
「……いえ。そう思うのも人の考えですし、貴女の考えです。星月さんはどう考えますか?」
私は二人を見て炎を灯してからゆっくりと握った。記憶を戻したのと、あの子に少し力を渡して
「分からない。私は親はずっと小さい頃に死んだ。育て親は天星……私は普通に生きられないのは子供の頃に理解した
それでも恨まなかったし、拒絶しなかった
私はこの生き方が好きだったから。だから、唯一、この時に分かるかもしれないと思ったから私はなろうとした
ただ、失敗し……無駄になったから向き合うのは向き合うけど……その先は彼が決める。準備を進めていたけど……何処ぞの馬鹿が立ったの数日でバラしたから……意味なくなったけどね」
「……準備とは?」
「暮らすための家、学校、彼岸や神華の支援諸々。後はあの崩壊した街を引き起こした人間の調べをね」
「それは本当に邪魔しましたね……でも、それはこっちの仕事では?」
「あの子が言ったと思うけど、警察は必要な時に命を張らない組織。何時も、何事も私みたいな異能力者、軍事組織、異能力者の組織……諸々依頼して自身は安全な場所で指示を出す。必要な時は守れと命令する。肝心な時には出しゃばり邪魔をする
これは私の本音として言うよ。ハッキリ言って不要だよ。だから、私は、あの当時の白黒薙から……『御影務機関』へと変わった組織に居る。これを聞けば分かるよね?」
「……全ての組織ですか。それなら納得ですし……この件も?」
「上からの命令。あの当時居たのは個人的な理由と……それ目的。上は彼岸絶夏と神華終雫……裏と表の上に頼まれて。神華に頼まれるのは癪だけど……仕方が無いからね」
それだけ答えると扉が開いて、私は目を伏せて
「噂をすればとやら……絶夏叔母さん。久しぶりかな…何時もはメールだけ飛ばして来るのに……」
「悪いね。貴女の使い魔に頼まれたのに……意味も無くなったとそこで聞いてね
それよりも……警察も噛むのは辞めて貰えませんか?」
「大物が……本当についてないですね……だけど、こっちにも……」
「手を引いてと言ってるのですよ?。『御影務機関組織』の裏として……今交渉の余地も無い理由で
後、その子は……組織の中でも全権限渡してますから……必要とあらば警察であっても殺しますので。そうなると……こっちも全面戦争しますので……邪魔をしたとして」
「……そうですか。」
「理解が早くて助かります。これで、先の件の手打ちとさせてもらいます。彼の為に動こうとしたあの子の面子を潰したのですから……警察がしなければいけない事を無視してるのですからこちらも相応の対応はします」
「そうですか。ただ、これは言わせてください。被害者にだって知る権利は有る事だけを……」
目を伏せた絶夏叔母さんは無言のままゆっくりと目を開いて
「なら、その子に話すべきでしたね。借りにも死んた事を知っているのなら尚更……彼女が変幻してまで傍に居たのだから。その子に接触し、事情を説明、その後でやるべき事を決めて話をするべきでした。警察はその違和感すら無視をするのですか?
決めつけること自体に私達は否定しませんし、同じことをしてる。ただ、この世界は異能力者で溢れかえってる。その可能性を無視してまで、無理に進めて彼に伝えるのは違うと思いますが?
もう一度言います。彼女を通しておけば良かったのです。理由を含めて全てを」
「……痛い話ですね。確かに彼女がどうして彼の姉の姿をしてるのかを調べれば良かったですね。こればかりはこっちの落ち度ですね……
ただ、私からも言わせてもらいます。それを含めてそちら側は信用出来ない事です。だから直接被害者に会い話すのですから」
「そうですか。とことん馬が合いませんね。警察と私達では。否定はしません。そちらの判断ですから私は聞くしかないです。さて、平行線になりましたね
なので、こちらの条件としては噛むのは構いませんが、彼女と共に調べてください。勿論、こちらの持つ情報は彼女の権限で調べて貰っても構いません。ただ、こちらにも守秘義務は有りますから関係の無い情報は出しませんし、こちらの事情は触れさせません」
「……それは有難いですが……何故?。もっとこう……頭の硬い人間かと」
「良く言われます。警察に提供してもらうのは……警察の人間の中の異能力者をこっちに引き渡してもらいます。指定はこっちでしますので後日になりますが」
「……繋がりを持つ事ですか?」
「正確には彼女と組む為の人間ですね。普通の人間と組めると思いますか?」
「……」
「ご理解助かります。それでは。星月。また、晩酌楽しみにしてる」
そう言って階段へと向かっておりていく
「晩酌……お前未成年ですよね?」
「目を瞑って貰えると助かる。後、悪かった。あの子は感情的になるけど……理解して貰えると助かる。それと彼にも」
「意外だな……分かった。こっちも取り敢えずは話を持ち帰らせてまた後日になります」
そう言って帰っていく。私は二人を見て少しだけ悩んでから
「言わなくて正解かな。全く……腐らせておくに惜しい人間だよ。全く……警察も中々に酷いもんだ……気に入ったよ」
そう呟きながら二人の様子を見てから屋上を出た。面倒だけど……話すくらいならかなと




