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異世界マサカー  作者: 香草(かおりぐさ)


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9/12

9 戦い7

 決行当日

 ギルド前で3人と合流した

 この3人はチーム名を暁の光というらしい

 街どころかこの国ではかなり名の通った存在らしい

 他のAランクメンバーもやはり有名なようで、オレたちが出立するときには市民が大いに沸いていた

 まあ人を襲う犯罪者の討伐部隊だ

 当然の反応だろう

 しかし、これだけの実力者を集めるということは、やはり異世界人というのは突出しているのだろう

 準備が整い、オレたちは街を発った

 

 エリス・フューリーが出没するのはこの街を中心に半径7キロの範囲以内

 Aランク達で手分けして街の周囲を探索する

 一定間隔で襲撃してくるため、襲撃日は丸わかりだったが、場所はランダムらしい

 周期と範囲以外には規則性はない

 それなら人海戦術で探すしかない

 探索にはBランクのチームも参戦しており、戦いには参戦せず、あくまで探索と後方支援に回る

 それだけ危険な任務だってことだろう

「サキ、あなたに確認したいことがある。あなたもしかして」

「ああ、分かってるなら・・・。別に隠すこと、じゃない。オレはあいつらと、同じ、異世界人。でも、あいつらと、違う。タニラの村、滅ぼしたあいつらを、オレは、殺す」

 また殺気が漏れたのか、3人が怯える

「ご、めんなさい。あいつらを許せなくて」

「そっか、気持ちはわかるけど、憎しみに飲まれちゃだめよ。それこそあいつらと同じになっちゃう」

「分かった。頑張る」

 憎しみを捨てるか

 それもいい

 だがそれは、この世界の悪を根絶やしにした時だ

「それで、サキは何ができる? 剣? 魔法?」

「オレにはこれがある」

 手からのこぎりと鉈を出現させた

「のこぎり、と、鉈? それだけ?」

「あとは、死なない」

「死なない!? そんなの聞いたことないよ。異世界人だって無敵じゃない。死なないなんて、そんなの、あなたが敵になった時どうやって対抗したらいいのよ!」

 確かにその杞憂はもっともだ

「オレはこの世界の敵の敵だ。敵の敵は、味方。つまりオレは、味方だ」

 この世界には悪逆を尽くす異世界人が多い

 そいつらを根絶やしにすれば、オレは


 街から出て、それぞれの持ち場に走る

 補助魔法とやらで速度を上げるもの、馬でかける者、召喚した従魔で空を飛ぶ者

 それぞれの特技と速さで

 オレたちは最も強いパーティだとかで、一番出現確率が高いロールの村とやらに行くことになっている

 襲われた村に戻ってくることはなく、まだ襲われていない村で一番人工が多い場所だ

 フェームの魔法を使い、オレたちは走り出した

 フェームは凄腕の魔法使いらしく、この国の王にスカウトされたほどだという

 それがどれほどすごいのかはオレにはわからないが、オレの足がまるで馬のように早くなったことから大体の予測はつく

 驚くほどの速さでロールの村へと到着したのだが、平和そのものだ

 まだ来ていないのか、それとも

「しばらく待機」

「分かった」

 村の出入り口で敵を待つが、待てど暮らせど敵はこない

「やはり別の場所だったか? アリー、どうする?」

「フェーム、通信は?」

「入ってない。いや待って、何かおかしい。こっちからの通信に応答しない」

「え!?」

 どういうことだ? 仲間と連絡が取れない? もしかして

「やられた、私達を避けて別の村を」

 一番の実力者はこの3人だ

 つまり、オレたちの方へは来ず、他のAランクがいる村を襲っているということか

 なら

「なあ、そいつは、どこかの村に、いるってこと、か?」

「ええ、でも何処か分からない。通信魔法での連絡ができない! みんな戦ってるか、もしくは、もう」

「いい、村の場所、教えて。地図に、示して」

「それでどうするってのさ? 走る? 補助魔法をかけたって間に合いっこない」

「いいから」

 アリーが地図で村の場所を示す

「こことこことここ、それから、こことここ」

「分かった」

 地図で村の場所を確認し、オレはもう一つの、化け物としての力を使った

 体が霧のように霧散し

 オレは別の村へと出現した

「消え、た?」

 アリー達は驚き、目を見開いた


 この村は、いない

 霧散し別の場所へ

 ここにもいない

 霧散し別の村へ

 ここにも

 ここにも

 そして4番目に来た村に奴はいた

 Aランクパーティの1つである、いや、あったが正しいな

 あまりにも凄惨な光景だ

 彼らは村人を守ろうとしたのだろう

 激しい戦いの痕跡があった

 ここまで来る途中の村でもそうだった

 冒険者の死体と村人の死体

 それが死体だったのかすらわからないほどにバラバラで、ぐちゃぐちゃで、俺は少し興奮していた

 血と肉と臓物と

「フーフーフー」

 息遣いが荒くなる

 憎しみと怒りが込み上げてきた

「キヒャハハハハハハハハ!!!! これで999人目!! あと1人!! ちょうど、丁度いい子が来たよ、来たんだよ!!」

 狂っている

 だがその狂気がオレの中では心地よかった

 オレも、同じ穴の狢ってことだ!

 オレは手からのこぎりを出して戦闘態勢に入った



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