第50話 関わってはいけない
◆作者からのお願い◆
自分で書いていて、本当におもしろいのかどうか迷っています。
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どうぞよろしくお願いいたします!」
ロザリアが歩いてくる。
美しい金髪、涼しげな目元、気品に満ちた立ち振る舞い。
どこからどう見ても完璧な公爵令嬢であった。
その一歩後ろには、無表情な従者のメイが付き従っている。
ロザリア付きの従者であると同時に、その身を守る絶対の護衛――暗器と殺術を秘めた戦闘メイドでもある。
席まで来たロザリアは、少し潤んだ瞳で、ほっとしたようにまずルクレインを見た。
次に、その隣でキャッキャと楽しそうに食事をしているリリアを見た。
最後に、後ろに立つマクシミリアンを冷ややかな視線で見た。
「……マクシミリアン」
「はい、ロザリア様」
「こちらの方は?」
「殿下のご学友のようです」
「ご学友?」
「はい」
「殿下のすぐ隣よ」
「そのようです」
「平民の少女に護衛対象との距離をここまで激詰めに詰められて、あなたは後ろで何をしていたの?」
「彼女に敵意はありませんでしたので」
「敵意がなければ、誰でも殿下の真隣まで通すの?」
「そういうわけでは――」
「それとも」
ロザリアの口元がわずかに上がった。
もともとは悪役令嬢だ。
その高圧的でサディスティックな物言いは、実に堂に入っていた。
「止められなかった?」
「…………」
マクシミリアンの美しい眉が、ほんのわずかにピクッと動いた。
ルクレインは黒パンをモグモグかじりながら、横目で二人を見る。
(あ)
珍しい!
あの超有能(かつ重度の変態M)マックが、珍しく完璧に鼻白んでいる!
いつもならルクレインからどんな暴言を吐かれても「ご褒美です♡」と涼しい顔をしている男だ。
それが今日は、ピンク髪の少女一人止められなかったと完璧に論破され、図星を突かれて悔しがっている!
――そして。
ロザリアとリリアの間に、バチバチと目に見えるほどの静かな火花が散った。
空気が凍りつく。
さっきまでのガヤガヤとした食堂のざわめきが、嘘のように引き潮のごとく引いていった。
もはや食器の触れ合うカチャンという音すら聞こえない。
周りの生徒たちが、完全に食事の手を止めていた。
スプーンを持ったまま口の前で硬直する者。
パンを口に運びかけたままフリーズする者。
隣の友人の袖を必死で引き、小声で「おい……アレやばくね……?」と呟く者。
平民食堂中の全視線が、この一角へ集まっていた。
公爵令嬢と、平民の可憐な少女。
そして、その間に挟まれた第二王子。
その当事者である第二王子は今、全力で「石」になろうとしていた。
気配を極限まで消す。
呼吸を虫のように浅くする。
視線は皿の上の黒パンの一点に固定。
まばたきすらコンマ数秒レベルで最小限。
(俺は椅子……俺は壁……俺は食堂の安い木製備品……)
いや、それすら違う!
無だ! 概念だ!
ここには、最初から誰も座っていない!
ルクレインなんて王子は存在しないのだ!!
――そう必死で思い込もうとしているのに。
ルクレインの背筋を、氷水のような嫌な汗がダラダラと這い上がってきた。
(なんなんだよ、こいつらぁぁぁぁッ!!)
関わらない!
絶対に関わらない!!
ルクレインは、この場を完全なる「通りすがりの第三者(無関係なモブ)」としてやり過ごすことに決めた。
無の顔のまま、黙って固い黒パンをモグモグと噛みしめる。
ロザリアがリリアから視線を外した。
そして、ルクレインへ向き直る。
その瞳は、リリアへ向けていた冷酷な目つきとは一変していた。
とろけるような熱を帯び、ウルウルと潤み、まっすぐにルクレインだけを全自動ロックオンしている。
「ずいぶん探しましたのよ、ルクレイン様♡」
甘く、とろけるように柔らかな声だった。
さっきマクシミリアンをボコボコに詰めていた声とは、完全に別人である。
「人違いです」
「私が愛しい婚約者を間違うわけがありませんわ♡」
「じゃあルクレイン違い」
「この国に何人ルクレイン様がいるんですの?」
「三人くらいいる」
「いませんわ」
音速で即答された。
ロザリアは可憐な腰に手を当てる。
「入学式が終わってから、ずっとA組の教室でお待ちしていましたのに。どちらへ行かれていましたの?」
「サボり」
「……そうだろうと思いましたわ(深い頷き)」
ロザリアは誇らしげに小さくため息をついた。
「ですから、お昼をご一緒しようと思って、お迎えに参りましたの♡」
「聞いてない」
「今、言いましたわ♡」
「事後報告じゃねえか!!」
「ですから迎えに来たのです♡」
「俺もう食ってるけど」
「でしたら、ここでご一緒しますわ♡」
「帰っていい?」
「駄目です♡」
「なんでだよ!?」
「婚約者ですから♡」
「万能だな、その言葉ぁぁぁッ!!」
その真隣で。
「婚約者」という言葉に、リリアのピンクブロンドの眉がピクリと跳ね上がった。
ロザリアの視線が、再びルクレインの隣へと向いた。
ピタリと止まる。
リリアは、その圧倒的な公爵令嬢の圧を真っ向から受け止めて、にこにこと無邪気に笑っている。
「こんにちは! リリア・デイジーと言いますっ!」
「…………」
「さっき、ルク様とお知り合いになりましたぁ!」
「…………ルク、様……?」
ロザリアの目が、カッと見開かれた。
瞳孔が開ききっている。
口元は「ふふ♡」と微笑んだままなのに、目だけがまったく笑っていない。
いや、もはや正気の人間の目ではなかった。
ヤンデレの深淵が覗いている!
(こっわ!!! 目が死んでる!! 完全にシリアルキラーの目だ!!)
ルクレインは黒パンをかじる手を恐怖で止めた。
後ろに控えていたメイドのメイが、シャッと一歩前へ出る。
「あなた、こちらの方がどなたか分かって言っているのですか?」
リリアは首を可愛らしく傾けた。
「……?」
完全に知らない顔であった。
メイのこめかみが、ピキピキッとひくついた。
「リンデール公爵家の、ロザリア様ですよ!」
「ロザリアさん……」
リリアがぽんと手を打って目を輝かせる。
「あ! あの学園で有名なロザリアさんですか!」
「『さん』ではありません! 『様』です!」
メイが声を荒げかけた、その瞬間。
ロザリアが、すっと美しい手を上げてそれを制した。
「いいでしょう、メイ」
「ですが、ロザリア様――」
「いいのです」
ロザリアはリリアを真っ直ぐに見据えた。
口元に、高貴にして優雅な笑みが浮かぶ。
「これは……勝負ですわね」
「勝負?」
リリアがきょとんとする。
(こいつ、天然すぎるだろぉぉぉッ!!)
ルクレインは心の中で絶望の叫びを上げて、天井を仰いだ。
(神よ……頼むから俺をただの木製椅子にしてくれ!!)
「では、まず伺いますわ。なぜ、あなたがルクレイン様の『真隣』に?」
「一緒に楽しくご飯を食べてます!」
「それは見れば分かりますわ」
「ですよね!」
「そういう意味ではありませんわ!!」
ロザリアの声が少しだけ荒くなった。
リリアが不思議そうに首をかしげる。
「じゃあ、どういう意味でしょうか?」
「なぜ、そこにわざわざ座っているのかと聞いていますの!」
「席が空いてたので!」
「…………」
「…………」
ルクレインは黙ってパンを食べた。
恐怖で味がしない。
粘土を噛んでいるようだ。
「そこは私が座りますわ。退いてくださる?」
「え?」
「ですから、席を移ってくださる?」
リリアが自分の椅子を見た。
次にロザリアを見る。
「でも、私もうここに座ってますよ?」
「見れば分かりますわ!!」
「じゃあ、ロザリア様も座ればいいじゃないですか!」
「どこにですの!?」
リリアは向かいの誰もいない空席を、無邪気に指さした。
「そこ!」
「…………」
ロザリアのこめかみが、ピキッと美しく震えた。
後ろに控えるメイが静かに目を伏せる。
マクシミリアンも一切何も言わない。
超有能な従者二人には、痛いほど分かっていた。
関わってはいけない。
絶対にここで口を挟んだら命がない!
「リリアさん」
「はいっ!」
「私はルクレイン様の『婚約者』ですの」
「はいっ!」
「……驚きませんの?」
「でも、婚約者ということは――」
リリアは、にこにこと可憐に笑ったまま直球を投げ込んだ。
「まだ結婚しているわけでも、結婚が確定しているわけでもないですよね?」
――スーッ。
食堂全体の空気が、絶対零度まで凍りついた。
ロザリアの表情から、すっと色が消える。
背筋がピンと伸びる。
美しい顎がわずかに上がる。
扇こそ持っていないが、それは紛れもなく、社交界で幾多の敵対令嬢を惨殺してきた悪役令嬢の構えであった!
完全に、戦闘モード突入だ!
「婚約者というのは、将来の結婚のお約束ですわ」
「約束って――」
リリアは小首を傾げた。
「破られることもありますよね?」
(こ、こいつ強ええええええッ!!)
ルクレインは心の中で、血の涙を流して呻いた。
美しい金髪の最高峰公爵令嬢と、ピンクブロンドの可憐な平民の少女。
まるでタイプの違う二人の美少女が、正面からバチバチと睨み合っている。
二人とも満面の笑顔だ。
なのに、目だけが1ミリも笑っていない。
視線が交錯する空間で、バリバリと青い火花が散っている!
毛を逆立て、互いに一歩も引かずに爪を立て合う、二匹の野生のキャットファイトであった!
食堂中の生徒たちが、息をのんでその修羅場を見つめている。
(無理無理無理無理!! 耐えられん!!)
この極限状態の空気、精神が崩壊する!
ルクレインは黒パンを卓上に置いた。
こういうときは、自分がクズの悪者になるのが一番手っ取り早い。
婚約が駄目になるとしたら、どうせ原因はゴミ王子である自分だ。
そう言っておけば、この不毛なキャットファイトも終わるはずだ。
「……こいつは約束破るような奴じゃねえよ」
ルクレインは、投げやりに吐き捨てた。
「破るとしたら、どうせ俺の方だ」
これで終わりだ。
俺は約束を破るクズ野郎だ。
期待なんかするな。
そういう自虐的な意味であった。
――スキル《即落ち》が発動しました。
☺☺☺☺
「ぁぁぁぁぁッ!?」
――ロザリアの好感度が上昇します。
恐る恐るロザリアを見る。
両手で可憐な口元を押さえていた。
白い頬が、みるみるうちに真っ赤に染まっていく。
「ルクレイン様……ッ……♡」
潤んだ瞳。
震える熱い声。
「私のことを……『約束を絶対に破らない信頼できる女だ』と、そこまで高く信じてくださっていたのですね……ッ♡♡」
「いや、チガ――」
ロザリアはくるりとリリアへ向き直った。
完全なる勝ち誇った、美しすぎる勝利の笑みであった!
「お聞きになりまして? ほほほほほ♡」
「…………むう」
リリアが、生まれて初めて頬をぷくーっと膨らませて不満顔をした!
(違うって言ってるだろおおおッ!! 今の俺の自虐のどこに落ちる要素があるんだよぉぉぉッ!?)
「つまりですわね!」
勢いづいたロザリアが、調子に乗って畳みかける!
「婚約者である私が、ルクレイン様とランチを共にするのは当然の権利でしょう!?」
「はいっ!」
「でしたら――」
「じゃあ三人で食べましょう!」
「なぜそうなりますの!?」
「多い方が絶対に楽しいですよ!」
「私はルクレイン様と二人きりで――」
「マックさんとメイさんもいるから全員で五人ですね!」
「勝手に外野を増やさないでくださる!?(※メイとマックを外野扱い)」
リリアはきょとんとしている。
どこまでも最強の天然であった!
ロザリアは頭が痛そうに、額へ細い指を当てた。
「あなた……わざと私を煽っていますの?」
「何がですか?」
「…………」
ロザリアは悔しそうに唇を噛んだ。
(手ごわい……ッ!!)
天然なのか、計算尽くしの悪女なのか。
まったく読めない!
しかも、ここで公爵令嬢として声を荒げて怒鳴れば完全に負けだ。
隣には愛しいルクレイン様がいる。
周りには、食い入るように野次馬で見ている大勢の生徒たちがいる。
公爵令嬢が、平民の少女を相手に食堂でギャーギャー怒鳴り散らす――そんな醜態を晒すわけにはいかないのだ。
怒るに怒れない、地獄の生殺し!
ルクレインはその不毛な光景を見ながら、ふと強力な既視感を覚えた。
(待てよ……)
ロザリア。
リリア。
二人がバチバチに向かい合っている。
原作ゲーム『アステリア・クロニクル』でも、何度も何度も見たキャットファイトの構図であった。
本来なら――。
平民のリリアをロザリアが不当に見下す。
ロザリアが意地悪ないじめをする。
そこへ主人公のルクレインが割って入り、リリアを颯爽と助ける。
それが二人の運命の関係が始まる、最大のきっかけイベントになるのだ。
(……まずいぞ……)
形は違う。
原因も180度違う。
でも――。
(なんで結局こいつら正史通りに揉めてんだよぉぉぉッ!!)
原作では「身分差」によるドロドロ。
今は――。
「ルクレイン様は私の婚約者ですの!」
「でも、お友達になるのは自由ですよね!?」
「お友達!?」
「はい! 私、ルク様とお友達になりたいです!」
「なっ…………」
ロザリアが怒りの視線をルクレインへ向けた!
リリアもキラキラした視線を向ける!
二人の極太な視線が、同時にルクレインへブッ刺さった!
(俺原因かよぉぉぉぉッ!!)
「ルクレイン様」
「ルク様ぁ」
「…………」
「どう思いますの!?」
「お友達になってくれますよね!?」
(知らねえよバカぁぁぁッ!!)
ルクレインは心底うっとうしそうな顔で吐き捨てた。
「お前ら二人とも面倒くさいんだよ!!」
「えっ」
「まあ!」
「特にロザリア! お前が一番面倒くさい!!」
リリアが目を丸くして手を挙げた!
「えっ! じゃあ私は二番目ですか!?」
「そこに食いついて喜ぶなバカぁッ!!」
しかし、ロザリアは頬をぽっと染めて、うっとりと呟いた。
「……ルクレイン様の『一番』……まあ……とっても素敵ですわ♡」
「意味がわかんねぇよぉぉぉぉッ!!」
――その瞬間!!
ロザリアの好感度ゲージが、視界にドカンと浮上した!
【ロザリア好感度 ■■■■■■■■■■ Lv.1】
(おい待て……嘘だろ……)
悪夢のような予感が全身を駆け巡る。
――好感度ゲージが上限に到達しました。
「待て待て待て止めろ!!」
――ゲージレベルを一段階上昇させ、再表示します。
【ロザリア好感度 □□□□□□□□□□ Lv.2】
「お前も周回入るんかいぃぃぃぃッ!!!(大絶叫)」
「今度は何ですのルクレイン様!?」
「二人して二周目に入るなバカ野郎どもッ!!」
「何の話をなさっていますの!?」
「俺が一番絶望的に知りてえよ!!」
ルクレインは両手で頭を抱えて発狂した。
リリアもLv.2!
ロザリアもLv.2!
しかも、どちらの周回ゲージもまだまだ上限があるようには思えない!
(これ……まさか……ッ!)
Lv.3。
Lv.4。
Lv.5……。
その先まで無限に続く、無限地獄の周回システム!!
(やめろ……やめてくれ……)
もう想像すらしたくない。
(恋愛ゲームの好感度にソシャゲみたいなレベル制なんか要らねえんだよぉぉぉッ!!)
「ルクレイン様ぁ?」
「ルク様ぁ?」
「…………」
二人が左右から同時に、可憐な顔を覗き込んできた。
ルクレインは魂が抜け出た顔で、力なく椅子へ座り直した。
「とにかく、その席を退いて――」
「ロザリア様も一緒に楽しく食べましょうよ!」
「ですから私はルクレイン様と二人きりで――」
「じゃあルク様を真ん中に挟めば解決ですね!」
「それなら……って、違いますわ!!」
結局――。
ルクレインの右にロザリア、左にリリア。
第二王子は、タイプの違う二人の美少女にガッチリ挟まれるという、全男子生徒が羨む(※当人は地獄)ハーレム状態で座らされていた。
「ルクレイン様♡ こちらの公爵家特製のお料理もいかがですか?」
「ルク様! この平民の黒パンもすっごく美味しいですよ!」
「ルクレイン様がそのような不潔なパンなど召し上がるわけが――」
「さっきからモグモグ食べてますよ?」
「それはっ……ルクレイン様のご酔狂とご慈悲ですわ!!」
ルクレインの頭の上を、激しい言葉の弾幕が飛び交う。
右から甘い圧。
左から天然の爆弾。
左右から交互にギャーギャーと。
(俺を挟んで両側から超音波を撃つな……)
ルクレインは、そっと諦めたように手を挙げた。
「……ちょっと、お花摘みに行ってくる……」
「まあ! それは淑女の言い回しですわルクレイン様!」
「いってらっしゃい、ルク様ぁ!」
二人はそれだけ言い捨てると、速攻でまたバチバチの口喧嘩へと戻っていった。
「そもそもあなた、殿下を軽々しく愛称で呼ぶなど――」
「ロザリア様は呼ばないんですか?」
「わ、私は婚約者として節度を弁えておりますのっ!」
ルクレインは音もなく、静かに席を立った。
マクシミリアンが、影のように後に続く。
食堂を抜け出し、廊下の角を曲がる。
修羅場のざわめきが、徐々に遠ざかっていった。
ルクレインは足を一切止めずに言った。
「マック」
「はい、殿下」
「今日はもう帰ろう。王城へ帰還だ」
「……お手洗いはよろしいのですか」
「行かねえよ!! トンズラに決まってんだろ!!」
マクシミリアンは、ちらりと背後の食堂の方を振り返った。
まだ微かに、二人の美少女の甲高い声が聞こえてくる。
「……その方が殿下の精神衛生上、よろしいかと」
「だろ?」
「しかし、お二人は取り残されておりますが」
「キャッキャと楽しそうじゃん」
「私には血で血を洗う死闘にしか見えませんが」
「俺には仲良く見える(現実逃避)」
「左様ですか」
「そうだ」
二人は早足で、アカデミアの出口へ向かった。
あと少し。
もう少しで、この地獄の学園から脱出できる!
「――ところで」
背後の廊下から、冷徹なロザリアの声が響いた。
ルクレインの逃走速度が速くなる。
「ルクレイン様、お花摘みにしては遅くありませんこと?」
「あれぇ?」
リリアの声まで追いついてきた!
一瞬の沈黙。
「…………」
「…………」
「ルクレイン様……?」
「ルク様……?」
ルクレインは脱兎のごとく、全速力で爆走を開始した!
「ルクレイン様ぁぁぁぁぁッ!!」
「ルク様ーーーーッ!!」
「マック!!」
「はい!」
「逃げるぞぉぉぉぉぉッ!!」
「すでに全力で逃走しております!!」
「細かいツッコミすんじゃねえぇぇぇッ!!」
二人の暴走するヒロインから逃げるように、第二王子と従者は、初日のアカデミアを脱兎のごとく飛び出していったのであった!
◆作者からのお願い◆
自分で書いていて、本当におもしろいのかどうか迷っています。
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