襲撃2
遅くなってすみません。
敵の数を残り二人まで減らしたところで、
さすがに私の動きに気づいたのか一人がこちらに向かってきた。
だが私の姿を完全に認識しているわけではなさそうだ。
ミラージュ使って気配なるべく消してるし、よほどの手練れじゃないと気付かない。
よって、こいつら二流ということになる。
陛下や王族の襲撃に二流じゃ無理があるんじゃないだろうか。
それとも何か作戦があるとか?
いや、もう陛下たちは安全な場所に避難しているだろうし。
・・・・・・っ!まさか!?
こちらにやってきた敵の動きを封じて、
最後の一人を探せばバルコニーから逃げようとするところを父さんに取り押さえられている。
悪い予感が当たりそうだ。
「風!陛下達が脱出用に使っているのはどのルートだ!?」
「あの扉を出てきたの柱の裏から入るルートだが、
人の王に追いつきたいのなら北階段の彫刻のところから行ったほうが早いだろうな。」
風の言葉に大広間を飛び出して北階段に向かって走る。
「風、オマエ敵の戦略わかってて言わなかっただろう!」
「聞かれなかったからな。契約もしていないオマエに教える義理はない。」
「それはそうだけど。契約については真剣に考えるって言ったじゃん!」
「・・・。」
「もうっ!陛下のとこまで運んで!それくらい手伝え!」
「・・・わかった。我と契約するか?」
「運んでくれて、敵を殲滅して、無事家に帰れたら契約するから!」
「今すぐでないのが気に食わないが、まあいいだろう。」
そんなこんなで真面目に前向きに悩んで考えてからにしようと思っていた
風との契約の約束をしてしまった。
してやられた感、そしてまるめこまれちゃった感が否めないが、
今は陛下達の命がかかっているからしょうがないか。




