レクチャー
更衣室出ると主催が皆の救命胴衣を持って待っていた。貰って着ると、主催が着せてくれる!
「もし脱げたり緩いと色々危ないんでね。最終チェックも兼ねてサービスですよ。」と背中を押されて皆が待ってるこのログハウスのインストラクター2名の元へ行く。
「こんにちは〜今日は宜しくお願いします!」鬼怒川急流下りの船頭さんと似た屈強な2人だ。
「今日は水カサ増してるので迫力ありますよ。僕が漕ぐ時、パドルを脇に寄せる時号令するんで必ず守って下さい。さあ、練習します…」ホイッスルの号令に合わせてパドルを持って練習する。
いつの間にか、また主催が今度はヘルメットを人数分持って横に居た。一人づつに渡して外れないようにチェックしてる。
結構ちゃんとしてる。
これなら岩に頭当たったりしなさそうだ。
相変わらず都と凛は支倉の横のポジションを争っている。近藤はココぞとばかりに京香に一方的話している。京香はハアとあいまいな相槌を打つしかない。
不貞腐れた小久保はパドルを立てて砂利掬いしてスタッフの筋肉お兄さんに叱られている。
草壁は蘭子の横を陣取ってまたコソコソと話してきた。
「念の為、ボイスレコーダー入れてる。」と少し胸元を開くと身体にガムテで小型レコーダーが貼られてた。
「準備良すぎない?プロ?」と蘭子が苦笑する。
さっきの更衣室の事が気になって妹さんの結婚相手の事を聞く。
「へっ?旦那?高校生の時に実はちよっとモデルやってて、その縁で裏原のアパレルメーカーの「モンスター」の社長に見初められて結婚したんだよ。
早すぎるし相手は33歳かな?若手実業家だけど年離れてるから親は反対したんだけど、本人達の意思が固かったし妹すぐに妊娠したから仕方なかったんだよ。
でも、俺も何回か飲んだり話したけど熱くてガッツあるし真面目だし、良いかなと思ったんだ。前の彼女に貢がされて他の男に寝取られたのも気の毒だったし。」と笑った。
そう言われるとパーカーをやっと脱いでマスクも外してウエットスーツにヘルメットの草壁は、めちゃ小顔で首長のモデルバランスだ。そこに筋肉がついて見かけはパーフェクトだった。そりゃ、妹さんがモデルだわと言う容姿だった。
「結構ね、女の子のマウント取りがあるみたい。妬まれる条件揃ってたかもしれないね、妹さん。
モデルで若手実業家の嫁ですでに子供が2人なのに23歳とか!スゴい嫌われる要素しかないかもね。」蘭子がボソボソ話す。
「男の更衣室でも、妹の話出てた。すげ〜可愛くて若くてラッキーと思ったら、子持ちの亭主持ちそれも金持ちですでに豪邸住まいとか、ふざけんな!とか話してた。だから大急ぎでレコーダー付けたんだ。」と草壁も話す。
「妹さん…そんな周りの空気分からなかったんだろね〜自分が妬まれるとか。
独身を謳歌してる人達に混じれて嬉しかっただけなのに…人ってやっぱり面倒だわ。」蘭子はボートを待つ青年達を眺めながら、青春してる姿見ながら、漫画家で良かったとひしひしと思う。孤独の方がマシなのだ。




