1番人気
後は好き勝手に皆話していた。相変わらず草壁仁は黙ってフードを目深にかぶって怪しい。
後ろの女子は皆 支倉とばかり話してる。
会社の同僚の凛も都も。京香は特に話しかけないが都が身体で近藤からガードしてる形になってる。
「なんであんな普通な奴が人気なんですかね?病気だし。」ヒマを持て余した圭が蘭子に話しかけてきた。
「ほら結婚考えてる女の子は安心安全が欲しいのよ。
それに結婚結婚ってガツガツしてないのが良いんじゃない?」と遠回しにあまり露骨に『生み働く労働力』として狙うのは辞めろと話す。
「チェッ、結構モテてたのにな。」と色っぽい目つきで蘭子を見る。背筋がゾクゾクする。
「恋愛向きと結婚向きで男でも違うでしょ?女も恋愛向きと結婚向きでは男性の趣味が変わるんだよ。
今までずっと付き合ってきたとか積み重ねがない限りフェロモン男子は結婚はね〜」と首を振る。
「チェッ、めんどくさいなあ〜」と圭が背もたれに倒れる。
しかしモテてる支倉は腰痛がまだ完全に取れてないのか?車の振動がつらいのか?何回も座り直してる。
ラフティングがヘルニアのリハビリに効くのかも疑問だ。凛も強引過ぎたのではないか?
女性を選り好みしてないので都さんに狙われ、凛さんはそれ目的でサークルに誘ったのだろうし、京香さんは支倉さんの後ろの席で皆の話に相槌打ってる。
職場がおじいちゃんばかりだと言ってたので若い人と話せるだけで楽しいようだ。近藤さんは無視されても頑張って話してる。
話をまとめると、自衛隊の仲間とアプリやったら他の2人はトントン拍子に付き合い結婚までしたらしい。近藤さんだけ数回デートで終わるのは、見てると自分の話ばかりで相手の話を聞いてないのだ。素直な人だから、相手の話に全く興味が無いのだろう、本当に。
そこには「真っ白な紙みたいな女で良い!俺色に染める。」と言う発想が見え隠れする。
AIじゃないのだが、人間は。
自分がもし反対に「アナタは私の話を復唱だけしてて。それ以外話さなくて良いから」と言われたら…イヤでは無いんだろうか?と思う。
原田都さんみたいに頭をポカンと叩いて怒鳴る人でないと意思疎通さへ難しい気がする男だ。
が近藤さんは京香さんが狙いのようだ。都さんでは嫌なのだ。
「人間って面白いよね~」と観察しながらつぶやいた。「カオスだよ。苦行だろ、ここで結婚相手見つけるとか!」聞いてたのか?草壁が耳のそばで話す。
「わあっ、ビックリしたあ〜」思わず耳を手で隠して首をすくめた。
「ど、どうしたの?」驚いて聞く。
「他の奴に聞かれたら悪口だろ?」とまた耳元で小声でボソボソ話す。また耳を押さえてドアまで離れる。
「なんで私に話すのよ?」「アンタ以外、誰に話すんだ?」また耳元でゴニョゴニョ話す。
さっきから何か見てるなと思ったのは、悪口言いたいが言う相手が居なくて様子見してたみたいだ。
昔から、こういう立場に良くなる。
人のストレスの捌け口にされやすい。
人の裏表を否応無く知る事になる。たまに外に出ると電車の連結でアラブ人の男に捕まって延々「なんで日本の女は人前でタバコ吸うの?はしたない!許せない!」とか10分以上愚痴られた。
だいたい世界の後進国ほど女にうるさい。男同士の戦いに負けた奴ほど自国の女に厳しいのだ。
おかげで漫画家10年続けられたのかもしれない…
また、ここで変な男に捕まった。




