誓約書
「他の人は都内から拾ってきたから、もうこの書類書いてもらってるんだけど、ラフティングは自然相手だから危険もあるからね。
まず、これにサインして。」と結構分厚い書類の束を渡された。
車内に入るとすでに6名のメンバーが居た。
かなり年下しかいない!
しまった!…と後悔した。
女子大生の話聞いて、もっと年配のサークルだと勘違いしてたが、これは…合コン会場なのだ。
確かにラフティングとかやろうと思うのは、身体に自信がある人達なのだ。若いのだ!
確かに女子大生から見たらおじさんおばさんかも知れないが、皆20代後半から30代前半か?
36才の蘭子から見たら、もう一世代前の人達だった。
「わあ、私より年上の人とか初めてです!
でも、嬉しいなぁ〜書き方分かりますか?」と1番後部座席の人懐っこい女性が声掛けしてくれる。
空いてるのは運転手のすぐ後ろの2席だけなのでそこに座ると書類に目を通す。
「これって法的効力あるの?」とやにわに黒パーカーにマスクの男が聞く。
主催者が運転しながら答えた。
「有ると言えばあるけど、結局事故があれば普通に警察ですよ。でも、危険がある事をちゃんと伝えた事業者の責務は果たしてますからね。
アメリカなんかでも死んだ時も効力発揮したみたいなんで日本でもこれを貰っとけば、こちらも安心ですよ〜」と朗らかに返事した。
主催者は誠実そうなスポーツ刈りのイケメンだ。
だが、おばちゃん入ってる蘭子から見ると〜ちょっと無責任で思慮不足を感じる。
「一応書いときましたが40歳以上の方はお断りしてます。やはり40過ぎるとこういうアクティブな事しなれてない人が突然死する可能性もあるんで。」主催者が運転しながら話す。
「でも、おかげでお見合いパーティーで困ってたから助かったわ。」と後部座席の最年長だと言ってた女性が話す。
「もう、バツイチとか子持ちとかばっかり紹介されるし申し込みされるし困ってたの。
私は普通の男性と普通に結婚したいんですよ。」明るい彼女が困り顔で話す。
「あ〜ッ、でもそのおじさん達の気持ち分かるよ。年食うととにかく明るくて元気で打たれ強い女性が結局1番だって分かるんだよ。」とつい軽口を言ってしまった。
「え〜〜〜っ、そうなんだ!じゃ、1番結婚向きなんだ!私!」と驚きながら年長お姉さんが笑う。
他もつられて笑う。
おかげで空気が良くなったが、黒パーカーの男はブスっとしたままサインしていた。蘭子も内容を読んでサインした。
「じゃ、次は自己紹介お願いしますね〜都 ちゃんお願いね。」と主催者は高速に入る手続きに専念する。「は〜い、回数だけ通ってるから。任せて下さい〜」都ちゃんと呼ばれた年長お姉さんが場を仕切る。




