表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/52

7話 第1の妄想犯行 開幕篇

 第3章 萬屋赤葉と第1の妄想犯行


 第1の妄想犯行 その1(開幕篇)


【202X 12月26日 PM20:00】

【まほらぎ市 ハイツまほらぎ】


「森咲くん、あなた何やってるの!」

「……なんで雪護(ゆきもり)さんがいるの?」


僕の部屋になぜか雪護喜冬さんがいる。

でも僕が油断した結果、雪護喜冬さんがこの部屋にいるのは確かである。

だから僕は数分前、いや30時間以上前になにがあったのかを考えている。


――あれは確か……

 


 【数分前 ハイツまほらぎ】


 僕は妄想犯行計画に初ログインしてから、小蒼ちゃんのサポートを受けつつも現実世界と仮想空間内との感覚がズレないよう気をつけていた。

それと同時に僕は妄想犯行計画内のチュートリアル的な小さな事件を解決しまくっていた。



――この世界にいる間は現実世界の時が止まるから、我を忘れてログアウトしてログイン、またログアウトを繰り返していた日もあったな。


 

ログアウトしてしばらく休憩してまたログインをしていたにも関わらず、僕の身体は原因不明の体調不良を引き起こしていた。

その結果、今日は大事な仕事納めの日だったのに、体調不良という事で会社に連絡を入れて欠勤した。



《モリタカ大丈夫? 覚悟も大事だけどさー、時には休みも必要だよ、倒れたら元も子もないよ……24時間ルールを作った私が言うのもなんだけどさー》



 ――小蒼ちゃん、僕はもう逃げないと決めたんだ……身体が悲鳴をあげてるのも確かなんだけど……。



 僕が雪護さんと映画館に行ったあの日。

あの日を境にして、侵蝕し始めた未来選択システムである妄想犯行計画。

1つでも推理の選択を間違えたら、即バッドエンド行き。

僕は雪護さんを護ることもできず、ただあの心の光を閉ざした森咲杜鷹の絶望の未来に辿り着く。



 ――だからハッピーエンドの未来を自分自身で掴むために逃げないと覚悟を決めたんだ!



 《ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!

ガチャ!》



――例え僕が体調不良でも時間は止まってくれない。



《あれ、鍵が開いてる? いるの? 森咲くん?》



 ――なんか声がした気がしたけど……僕はひとり暮らし、多分気のせいだろう。



「よし、行くか! ほこやぎ町(あの世界に)へ!」


 僕はあの世界に行く為に椅子に座って状態で、メガネ型ゴーグルをかけてすぐに意識を失った。



 

【お帰りなさい! 森咲 杜鷹】

【妄想犯行計画にログイン開始......】

【ほこやぎ町への五感転送が完了しました】



 ――妄想犯行計画にログイン中は、現実世界の時間は完全にストップされる……5D酔いの元凶の一つなんだろうな。



【202X 1月X日 AM07:00】

【ほこやぎ町 萬屋記録局】


チュン! チュン! チュン!


「モリタカぁ! いつまで寝てんのよ! 朝! 起きろ!」

 


――無事に来れたみたいだな……眠い。


 五感転送された僕の視界に映るUIが示す時刻は朝の7時。



「モリタカ! 朝だってば! 今日は予定があるんだから早く起きなさいよ! せっかく局長である萬屋赤葉様が起こしてあげてるのよ!」



 ――うん、いつも画面越しで聴いていた萬屋赤葉の声で起こされるなんて……しかも探偵スイッチがオンの時はなぜかシリアス口調になるし……、起きるか。



「ふわぁぁあ、おはようございます、萬屋さん」

「『ふわぁぁあ、おはようございます、萬屋さん』……じゃないんだよ! 今日は金餅 良緒(かねもち よしお)さんの依頼の内容を聴きに行く。そういうスケジュールでしょ! いつまで寝てるのよ!」


 僕の目の前にいるのは、絶対に会えないはずの萬屋記録局の局長である萬屋赤葉だ。



――原作者柊が作り出した萬屋赤葉の事件帳の主人公、赤長髪でメガネをかけ街の記録人を自称する18歳のフリーターの女の子……このほこやぎ町で生きているのは理解できたけど、なんで創作上のキャラクターの匂いをなぜ再現できるんだよ。



でも僕の瞳に映るこの世界は、萬屋赤葉の事件帳の舞台ほこなぎ町ではなく、仮想空間[妄想犯行計画 ほこやぎ町]だ。



「金餅さんは、匂いの特異体質? 持ってるからみたいだからさ、モリタカは今、起きたばかりなんだから、シャワーを浴びてきなよ、まだ時間あるから」

「分かりました」



【萬屋記録局 シャワールーム】



キュイ、キュイ! ザァァァァァァァァ!


「なんで僕がVRゲームみたいな仮想空間でシャワーを浴びているんだよ……しかも匂いの特異体質と言えば萬屋赤葉の事件帳、嗅のトリック編か」



ザァァァァァァァ!



「僕が萬屋赤葉にハマったキッカケのトリック。そして僕がシャワー浴びているこの場所も萬屋赤葉、そのシャワー浴びている仕組みも萬屋赤葉に関係している、もちろん喜冬さんもだ」



――僕と雪護喜冬さん、僕と萬屋赤葉と柊先生、一体なにが繋がっているんだろう……ていうか、シャワーが熱っ!

 



 シャワーから出た僕は、萬屋記録局制服に着替えた。

その後、赤葉さんと依頼人の金餅さんの自宅に向かうための準備している。



 【第1ステージ 開幕! 匂いの妄想犯行!】

 【残解決時間 168時間!】



――ついに来たか! 第1ステージ、匂いの妄想犯行?



僕の視界の情報はすぐに消えてしまったが、視界の上中央辺りに常時表示された残解決時間。

この残解決時間こそ僕に与えられたハッピーエンドを掴むためのタイムリミットなんだ。


――ただトリックに使われたモノは、嗅のトリックでも使用されたおそらくアレに近いモノだろう……むしろアレじゃないとこの妄想犯行自体を暴くことが難しくなる。 



「おーい! モリタカさーん!」

「あっ! すみません赤葉さん」

「金餅さんのご自宅に行く準備はできた?」

「もちろんです! 行きましょう!」



【探偵ヘルプ:萬屋赤葉が参加しました!】



 ――はぁ? 今の会話で探偵ヘルプを発動させるのか? ……ふ、流石だよ小蒼ちゃん。



 こうして僕は赤葉さんと共に、ステージ1の舞台であるほこやぎ町郊外の金餅の自宅にバスで向かった。



 7話 第1の妄想犯行 その1 (開幕篇)完。

 8話 第1の妄想犯行 その2へつづく!

最後までお読みいただきありがとうございました。


2026年5月2日(土) 内容の再構成改訂を行いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ